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2012年11月11日日曜日

憲法が輝く県政へ(21)

「電力足りた」を認めない知事

日本共産党兵庫県議団事務局長 児玉憲生

今年の夏の節電対策の実際の数字が十月に明らかになりました。

結果は、最大需要「二千六百八十二万kW」よりも、ピーク時供給力「二千七百九十一万kW(大飯原発分二百三十六万kWを除く)」の方が大きく、電力に十分余裕があり、大飯原発がなくても、電力が足りたことがデータでも裏付けられました。

関西広域連合のエネルギー検討会でも、「大飯原発なし・今夏需要実績では、計画停電のレベルに至る状況ではなかった」と結論づけています。

「大飯原発の再稼働がなければ、計画停電になる」と、国民を脅した国や関西電力、そして、再稼働を容認した井戸敏三兵庫県知事にとって、自らの判断がどうだったのか、反省すべき現実をつきつけられました。

しかし、井戸知事は、「今年の夏、(電力)需給に余裕ができたのは、昨年を上回る節電や供給がうまくいったため、結果的にそうなった」、「大飯原発の再稼働がなく、供給力が当初の想定のままだったら、十九日間の計画停電に陥っていた」(十月二日、杉本ちさと県議の一般質問への答弁)と述べました。

今回電力が供給できたのは「たまたま」で、五月当初に想定した供給力では、足らなかった、定着した節電ではないかもしれないという「言い訳」です。

当初の想定自体、「需要が大きすぎ、供給力が小さすぎる」と指摘され、原発再稼働のための計算ではないかと批判されていました。そして、今回のリアルな数字の実績に対しても、「当初の想定では、こうだった」という言い訳は、原発再稼働に道を開いた自身の姿勢の正当化にすぎません。

井戸知事には、「関電の当初想定が大きくちがっており、再稼働したのは間違いだった」という反省は全くありません。

そして、「原発ゼロ」に対しても、「ゼロシナリオでは、一カ月あたり二~三千円の電力値上げが試算」「議論がつくされていない」と、背を向ける姿勢です。

国民や県民の思いとは、あまりにもかけ離れた姿勢です。知事は記者会見で、「原発をやめると電気代が上がり企業が海外にいってしまう」「経済界は国民ではないという扱いはおかしい」と、経済界の思いを代弁しています。県民からの一票で選ばれた知事の発言とは思えません。いったいどちらの代表なのでしょうか。

自然・再生エネルギーの普及でも目玉は企業まかせ


いま注目されている「自然・再生エネルギー」の普及・促進でも、兵庫県のやり方には疑問があります。

県が力を入れている「あわじ環境未来島構想」は、「特区の恩恵はあまり見えない。特区はだれのものかと危機感を募らせる」(十月二十六日付「神戸新聞」)と報道され、「大企業のいいとこ取りになる」という地元住民の声が紹介されているように、地域経済や、県民にとってどのような効果があるのか、疑問視されています。

この構想の一環であるメガワットソーラー事業(淡路市)は、国の交付金をつかった県の「環境保全基金」から四億六千万円がつぎこまれますが、受注しているのはNTTファシリティーズと三洋電機です。

目玉となる事業が大企業だのみで、地域振興に役立たないのは、パナソニックなどの企業立地でも共通する問題ですが、自然・再生エネルギーの事業も、反省なく同じ手法では困ります。

一方で、住宅用の太陽光パネル補助については、まだまだ要望が強いのにもかかわらず、予算を使い切ったからと九月末で受付を締め切ってしまいました(約二千四百件ほどの補助実績)。

環境保全基金の使い道を含め、より県民むけの事業に活用することが求められているのではないでしょうか。

(2012年11月11日付「兵庫民報」掲載)

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