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2012年10月21日日曜日

向井華奈子モダンダンスリサイタル:11月10日

「存在と生」踊りで追求


ソロで踊る自作「柘榴」

藤田佳代舞踊研究所のダンサー向井華奈子さんが、初のモダンダンスリサイタルを11月10日、新神戸オリエンタル劇場でひらきます。プログラムは「あらゆるものの存在と生」をテーマにした5作品です。

「虚空の底へ」は「静夜の空に星が1つ消えた/虚空の底へ星が1つ流れた」で始まる堀口大学の詩「流星」に着想を得ました。以前ソロとして発表した作品を今回、群舞に振り付けました。

「SAND LOT」は佐々木幹郎の詩「砂から」と坂村真民の詩「涙砂」をもとに、被爆地広島の大地に埋もれた砂粒1つひとつから聞こえる死者たちの声に、耳をとぎすまし踊ります。

「柘榴(ざくろ)」はキリスト教絵画でザクロが「受難」と「復活」両方の象徴として描かれていると知り作舞しました。東日本大震災直後、高台へ逃げた男の子の語る「振り返ったら家族がいなかった」に衝撃を受けました。

「自分がここに存在し、いまを生きるとはどういうことか。凄まじい体験を強いられる人がいる一方で、自ら命を絶つ人がいるのはなぜか」、向井さんは踊りで追求します。

「phenomenon―私たちという現象」はゲストダンサーにむかえた堤悠輔さん、文山絵真さんと3人の、即興性も織り込んだ構成です。

「開く」は藤田佳代さん振付です。強制収容所ガス室で処刑されたチェコの作曲家ヴィクトル・ウルマンの、わずかに楽譜が現存する「ピアノソナタ7番」にのせて踊ります。

戦死した恋人の帽子に隠されていた手紙。花や鳥、魚に託した望郷の思いが綴られていました。なぜ人間界には国境と戦争があるのか、帽子に導かれ…。向井さんは喪服で踊ります。ピアニスト河内仁志さんが生演奏します。

藤田佳代さん振付「開く」を踊る向井さん(中央)

藤田佳代舞踊研究所公演

向井華奈子モダンダンスリサイタル/11月10日(土)18時/「phenomenon―私たちという現象」「虚空の底へ」「SAND LOT」「石榴」「開く」/新神戸オリエンタル劇場/3,000(当日3,500)円/☎078・822・2066


(2012年10月21日付「兵庫民報」掲載)

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