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2012年8月26日日曜日

憲法が輝く県政へ(11)

継続入居かちとるまでがんばる

借り上げ住宅入居者連絡協議会世話人代表 安田秋成

私は、神戸市兵庫区の「パールハイツ荒田」という借り上げ復興住宅に住んでいます。24軒あります。75歳以上の人が68%を占めています。そのほとんどが病人です。

「20年の期限内に転居してもらう」と兵庫県や神戸市などが入居者を追い出そうとする問題が起きてから、「夜も眠れない」「お医者さんからもらった薬を飲んでも効かない」と入居者を苦しめています。

私の住宅でも、心の病気が発生して、4人が入院しました。他の人もがんばっていたのですが、移転通知に夜も眠れないという状態です。

県や市に、いくら陳情しても、「移転のために親切丁寧に対応します」という繰り返しです。借り上げ住宅の継続には、余分に何億円もお金がいるから「できない」といいます。

私たちは「弱者」と言われ、震災でもたくさんの方が死にました。避難所でも、仮設住宅でも、復興住宅でも死にました。「出て行け」というのは「早く死ね」ということと同じです。私たちの命とお金とどっちが大切なのか、県や市に訴えたい。ニュースを見ていますと、自民党も公明党も「防災」「減災」と言い、公共事業に2百兆円、百兆円とつぎ込もうとしています。お金がないのではなく、私たちに使うお金が惜しいのだとしみじみ思いました。

入居者の中には、なかなか抽選に当たらず、やっと入居できたその時には、20年という契約は聞かなかったという方がたくさんおられます。

私たちの住宅では、午後7時半くらいに買い物に行く人がいます。スーパーは、8時になると食料品が半値になります。にぎりめしを買う。買ってきて冷凍庫に放り込むのです。翌朝、おかゆにしたり、おじやにしたりして食べます。6万円ぐらいの年金ですから、そういう生活しかできないのです。

家賃を払い、後期高齢者の保険料もとられますから、手元には3万円か4万円ぐらいしか残りません。生活保護をとったらと言っても、「いや、生きているうちはこれでがんばる」と「自己責任」で生きています。

そういう生活をしている被災者を県や市は見ているのかと言いたい。現場にきてくれたら、いつでも見せてやるといっていますが、こないのです。

ことし6月の参議院災害対策特別委員会で、日本共産党の山下よしき議員に、中川正春防災担当大臣は、「入居者には、複数の選択肢が示されるべきだ」という見解を表明しました。

これを受けて、私たちは、「国に尽力をおねがいしよう」と上京し、大臣に直接、要請してきました。大臣は「みなさんの声を聞かせていただいて、柔軟な対応というのも必要ではないかと思う」のべて、あまり時間をかけずに対応すると約束してくれました。

私たちは、仮設住居に4年3カ月いました。そのあいだに、焼身自殺が2回もありました。私たち高齢者は、あとわずかしか、生きる時間がありません。県や市がかたくなな態度に終始するなら、いっそ閉じこもって死んでしまおうかという方もおられます。そういうことがないように、人間が復興できるよう、国とともに、ひきつづき県、市への働きかけを強めていきたいと思います。東日本被災者との連帯を大切にします。

(2012年8月26日付「兵庫民報」掲載)

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