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2012年4月15日日曜日

憲法が輝く県政へ(1):高校学区拡大

高校学区拡大の押し付けやめよ



福住宏之(県立西宮南高校教諭・前高教組書記長)


2012年1月6日、県教委は普通科高校の通学区を現行16学区から5学区に統合・拡大する「基本方針」を決定したと発表した。学区検討委員会が11月28日に報告を出してからわずか4十日足らずでの発表に違和感を覚える。

「学区拡大」方針に対しては、県下41自治体中14の議会から反対・慎重の意見書が出ている。また、昨年のパブリックコメントに2,362人・4,180件の意見表明があり、その多くが不安・懸念・反対の意思表示であった。にもかかわらず、それらに対して何ら答えず、「学校選択肢の確保」をほとんど唯1の理由として「基本方針」だけを先に決めた。

県教委は、教育関係者や保護者らから具体的な制度設計に向けて意見を聞く会合を5月にも開く方針というが、自らの対策案を示さずに意見を聞くような会合を開催する必要はない。

「5学区」を前提にした意見交換は「アリバイ作り」にしかならず、意見を聞くというならば「基本方針」は白紙に戻すべきである。何の策も持たず「基本方針」を発表して、「学区拡大」を「既成事実」のごとく県民に押し付けるやり方は犯罪的行為である。

これに対して、神戸大学など県内の大学教授らが反対の「見解」を発表した。

受験競争の激化や学校統廃合を招く「学区拡大」を「(県教委は)無理強いするのではなく、教育に対する県民の期待と要望をより深く汲み取る姿勢をもつべきである」と述べられている。

また、「競争が学力を伸ばす」という考え方が世界的には時代遅れであり、「競争の教育」がむしろ子どもの「学力低下」を引き起こしていると指摘している。

まったくその通りであると思う。

「学区拡大」の押し付けを許さない運動として、「見解」をまとめた「アピール」に対する賛同署名が始まっている。県下の各自治体を訪問して懇談し、首長や議長の賛同署名が集まれば事態は変わる。

1年余に迫った県知事選挙でも争点とし、最終的には県議会に請願を出して決着を図るという息の長い運動が必要であると思う。

(2012年4月15日付「兵庫民報」掲載)