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「兵庫民報」編集部は2012年11月から専任1人で続けてきましたが、その1人も2020年末で退職し、2021年1月からは嘱託となりました。編集業務の整理のため、「兵庫民報Web版」はしばらく休止いたします。それにともないTwitterへの転送も休止します。 紙版の通常号のご購読をお願いします。

2012年4月29日日曜日

神鉄粟生線:住民が存続へ取り組み

赤字を理由に存廃の岐路にたされている神戸電鉄粟生線を守ろうと「粟生線の未来を考える市民の会」「公共交通・神鉄粟生線/沿線住民の足を守る会」が相次いで結成されました。

粟生線の未来を考える市民の会

活性化につながる企画考え


「粟生線の未来を考える市民の会」の結成総会が4月14日、小野陶遊館アルテで開かれ、36人が集まりました。市民の会は昨年11月に準備会を立ち上げ、会員が100名を超えたところで「準備会」の文字をはずし発足。その後、月2回程度の世話人会を開き、活性化につながる企画などを考えてきました。現在会員は166名で300名の会員を目指しています。

結成総会会場へは、あらかじめ申し合わせた粟生行き列車の1両目に参加者のほとんどが乗り合わせ、わいわい語らいながら粟生駅に向かいました。このように市民の会の企画は粟生線を利用することを前提にしています。

総会ではNPO法人公共の交通ラクダ(RACDA)の岡将男理事長が「粟生電車の未来は日本の未来だよ」と題して記念講演。『脱原発の市民戦略』という著書もある岡氏は、「公共交通を使うことが脱原発への近道だ」と指摘。ドイツで行われている脱原発の流れの中で、省エネルギー社会の実現に、公共交通が必要不可欠になっていることも紹介しました。

その後、ワークショップとして、「粟生線が廃線になった時の最悪のシナリオ」「粟生線が存続して町が活性化していく最高のシナリオ」「活性化のための自分が出来る勇気ある行動」という項目で参加者全員で、ディスカッションを行いました。

総会終了後の交流会は再び粟生線に乗って三木市まで戻り、花見弁当を食べながら。時間いっぱいまで交流・討論を行いました。
(板東しょうご・三木市議)



公共交通・神鉄粟生線/沿線住民の足を守る会

「住民が主役」の活動で


神戸市西区で「公共交通・神鉄粟生線/沿線住民の足を守る会」が結成され、総会を4月21日、桜が丘ジョイフル集会室で行い、48人が集まりました。

この会を準備した呼びかけ人代表の村主重太郎さんが挨拶、三木市、北区の住民の会から連帯の挨拶、ふるさと線を守る東日本連絡会からも挨拶があり、呼びかけ人で準備した、経過報告、会則、役員、当面の行動方針が提案され、質疑・討論の後承認されました。

経過報告では、粟生線“廃線”危機の経過や、1936年開業の粟生線敷設に用地を無償提供して住民が協力したこと、自治体や神鉄、学者、住民代表でつくられている「活性化協議会」が、自治体主導で運営され限界が見えること、神鉄が駅トイレ撤去や志染・粟生間のダイヤを1時間1~2本に削減しようとしている姿勢を批判、粟生線を守る活動を「住民が主役」でおこない、便利で利用しやすい公共交通を望む声にこたえようと訴えられました。

当面の行動計画では、神鉄や兵庫県、神戸市に住民の要望を伝え、要望が強い「敬老・福祉パス」の神鉄への適用、利用促進のための駅前整備や、駅までの足として福祉バス、コミュニティバス運行の検討を求めること、他の住民の会との連係・交流、専門家との連係などを決めました。

参加者からは「敬老パスを神鉄でも使えるように要望を強めてほしい」「海上アクセスに158億円も投入するなら、毎日利用する神鉄にもっと支援をすべきだ」「神鉄の姿勢に疑問を感じる」「バス輸送では代替できない」など活発な意見が相次ぎました。
(松本勝雄)

(2012年5月6日付「兵庫民報」掲載)

衆議院兵庫9区―予定候補発表

日本共産党兵庫県委員会と東播地区委員会は4月19日、衆院兵庫9区の予定候補を発表しました。

◎衆議院兵庫9区


新町みちよ(65)=新=1965年明石南高校卒業後、国際電信電話㈱入社。99年県議会議員当選、3期、党県議団政調会長など歴任。現在、党兵庫9区国政対策委員長、東播地区副委員長。







(2012年5月6日付「兵庫民報」掲載)

「経済懇談会」:運輸会社社長も参加考える

消費税増税されたら会社がなりたたない


兵庫長田北地区委員会は、「消費税増税ストップ!社会保障充実、財政危機打開へ」の提言をもとに、小池晃政策委員長がお話しする「経済懇談会」(題字横広告参照)の案内とともに「提言」を持っての訪問・対話を4月16日~22日、集中的に取り組みました。

21日は、千本勇三地区常任委員、前田みさ子地区委員と浜本信義県常任委員が兵庫区内の食品、運送、流通関係の十四社を訪問しました。

神戸市中央卸売市場本場のビルに入っている運送会社では社長自ら応対。党側から「提言」の中身を紹介すると、「消費税が増税されたら会社が成り立たなくなる」「運送関係者は消費税、燃料代の高騰など支払いのために汲々としている。そのために人件費の削減につながり、正規雇用でなくやむなく派遣に置き換えなくてはならなくなる」「ますます景気が回復どころか悪化していく。その上にTPP参加すればもっと雇用破壊がすすみ、日本経済が深刻になる」と実態や思いを率直に語りました。

さらに、「共産党にがんばってほしい。5月8日の『経済懇談会』は考えてみます」と応えました。

(2012年5月6日付「兵庫民報」掲載)

がんばります!衆院小選挙区候補:9区

希望もてる社会へ

兵庫9区 新町みちよ予定候補


神戸大空襲で焼け出され、疎開していた母の実家(家島町真浦)で、1947年3月、私は生まれました。父は国鉄労働者だったので間もなく、西明石の国鉄官舎に入り、花園小学校、望海中学校、明石南高校で学びました。

小学校5年生の時、器楽クラブに入部し、中学校もマリンバを、高校ではフルートに熱中しました。

高校卒業後、国際電信電話株式会社(現KDDI)大阪支社に入社、同社は当時、日本電信電話公社から別れた国際通信の独占企業でした。

労働組合は社会党一党支持のいわゆる「御用組合」。新入社員は試用員期間に、「民青に入るな」「民青と口をきくな」と訓練され、近づけば尾行がつきます。そんななか初めて、「社会がどうなっているのか?」「政治とは?」など反面教師的に考えさせられました。日本共産党の人たちとの出会いがあったからです。

1970年、「日本共産党は正しい、と分かったのに入党しないのは卑怯だ」と入党しました。結婚後も働き続けながら5人の子育てをし、ゼロ歳から入れる保育所づくりや学童保育の運動、新日本婦人の会の子どもと教育を考える活動などにかかわってきました。

そして、子育てに少しだけ余裕ができたころ、県議会議員立候補のお話がありました。「なんで私に」と思いましたが、入党の初心に返って「前を向いて生きよう」と決意。91年、95年、3度目の99年に、明石で初めての日本共産党県議会議席を得ることができました。以降3期12年間、みなさんに支えられ、がんばることができました。

今回、衆院小選挙区への立候補は、国民の怒りを受けとめ、未来への展望をひらく役目と考えています。比例近畿ブロックでの4議席獲得で、堀内照文さんを必ず国会へ送るため、その一翼を担うとともに、悪政や逆流に対峙し、希望のもてる政治を語りに語り、その実現へ、淡路と明石を結び力いっぱいがんばる決意です。

(2012年5月6日付「兵庫民報」掲載)

日本共産党近畿ブロック後援会連絡会結成

近畿はひとつ、兵庫から衆院議員を


日本共産党後援会近畿ブロック連絡会が4月22日、大阪市内で結成総会を開きました。同総会での兵庫県後援会の森原健1会長の発言を紹介します。(文責編集部)

兵庫県の党と後援会は、衆院近畿ブロックで現有3議席を4議席に増やし、兵庫の堀内照文候補を国会に送ろうと、得票目標を従来の35万票から40万票に引き上げその実現をめざしています。

1970年代の第1の躍進の時期には、兵庫1区で、うらい洋、兵庫2区で木下元二の2人の衆院議員と、安武ひろ子参院議員を誕生させました。1区の「うらい洋後援会」では、毎年、船を借りきり、千名規模の瀬戸内クルージングを行い、単位後援会同士の交流を深め、選挙戦に大きく貢献しました。今日、発足した後援会近畿ブロック連絡会でも色々なアイデアを出して交流しましょう。

90年代の第2の躍進の時期には、藤木洋子衆院議員と大沢たつみ参院議員を国会に送りました。衆院比例で33万票・得票率13〜14%を獲得、参院選では定数2の兵庫選挙区で58万票を獲得し、勝利しました。

残念ながら、2000年代には、22〜23万票・得票率8%前後に後退しましたが、今回は、最高時の回復をめざします。現在、党支部の約6割に対応する後援会がありますが、これを限りなく百%に接近させます。職場と階層別の後援会を活性化に努めます。会員数は現在16万人ですが、6月10日の「兵庫県赤旗まつり」までに、得票目標に見合う会員の獲得をめざします。

今、兵庫県内の多くの後援会で「後援会ニュース」発行が活発に行われています。交流の中で、内容も立派になってきました。選挙の時、電話などの対話で、後援会ニュースを読んでいる人と、読んでいない人では、反応が全く異なるとの報告が各地から寄せられています。「赤旗まつり」では「後援会ニュースコンクール」を行い、交流をいっそう深める計画です。

「近畿は一つ。兵庫から衆院議員を」めざして奮闘する決意です。

(2012年5月6日付「兵庫民報」掲載)

新入生:『資本論』、学費に高い関心

民青同盟と党が新歓企画を宣伝


民青同盟兵庫県委員会は、学生新歓企画「3.11後の日本と大学の学問」と題した講演会を開催(講演は石川康宏神戸女学院大学教授)。その成功へむけ、民青県委員会と党県委員会は、全同盟員と青年学生党員、つながりのあるすべての学生を対象に参加をひろげようと奮闘しました。

神戸大学では、企画に向けて連日宣伝。対話になった発達科学部の1年生は、「石川先生の書いた『若者よマルクスを読もう』を読んだ。『資本論』など古典などにもふれてみたい。自分が読んだ本の著者ということで興味がある。ぜひ行きたい」と話しています。

兵庫区・長田区・北区では、青年支部と民青地区委員会が中心になって5月20日に「学費問題のつどい」(中央区の海外移住と文化の交流センターで14時開会)を開きます。4月21日は、神戸常磐大学前で、この企画とあわせて28日の「石川講演会」を知らせる宣伝(写真右)にとりくんだところ、対話になった学生のほとんどが奨学金を借りていました。

神戸市看護大学の新入生Tさんは、「石川先生の話はいつか聞いてみたいと思っていた。『資本論』の第1巻を読んだけど、難しいところだらけ。その勉強のヒントにもなると思う。震災復興の問題とマルクスの学問がどう関連があるのか興味がある。あらためてマルクスを深めたいです」と話しています。

(2012年5月6日付「兵庫民報」掲載)

篠山市議選:前田えり子氏再選

篠山市議選(定数18、立候補21人)は4月22日、投開票が行われ、日本共産党の前田えり子氏(61)=現=が、1,085票(得票率4.72%)、9位で当選し、再選を果たしました。

有権者減と投票率低下もあり、得票数は前回の90%、2010年参院選比例票の95%に留まりましたが、前田氏は、水道料金の引き下げや同和行政の完全終結などを訴え、支持を広げました。

(2012年5月6日付「兵庫民報」掲載)

中央区革新懇が「橋下市政」緊急シンポ

“橋下市長の狙いはどこに”


中央区革新懇は、橋下徹大阪市長・「維新の会」の本質をとらえ、危険な動き食い止める世論をつくろうと、緊急シンポジウムを4月21日、あすてっぷ神戸で開催。会場いっぱいの47名が参加しました。

はじめに、服部信一郎大阪革新懇事務局長が現地報告(写真)。憲法・人権を守ることができるかどうか政治史にのこる局面にあると強調しました。

既成政党と官僚、公務員組合、文化、インテリ、新聞記者(庶民から特権階層とみえるもの)への攻撃が「喝采」を受けているが、現実には、新自由主義者、ナショナリストがブレーンとして取り巻き、大阪府知事4年間の実績は、暮らし、雇用、地域経済の後退をつくり出したと指摘。

今、府民、市民の反撃が始まっており、2条例に反対する地域連絡会結成は22カ所、36万人の署名が寄せられていると報告し、政治の転換の大義は私たちにあると訴えました。

次に、中神戸法律事務所の萩田満弁護士が、橋下市長の思想統制―現代の自治体ポピュリズムについて豊富な資料を基に講演しました。

橋下ポピュリズムの三つの柱として①公務員・教職員たたき②住民の熱狂的支持③「白紙委任」論の活用―をあげました。また、橋下市政の特徴は、㋐内にあっては思想統制㋑外に対しては排外主義㋒新自由主義(競争モデル)だと分析。

その上で、今後のたたかいの展望として、ⓐこの間の運動の成果に確信を持つことⓑ些細な政策論争ではなく大局で勝負することⓒ憲法理念の実現を本当の対決点と位置づけること―と強調しました。

最後に、大前雅裕氏から5月3日の「憲法9条守れ」の連続百回宣伝行動の参加と「全国革新懇ニュース」購読が呼びかけられました。
(漁島国弘・中央区革新懇)

(2012年5月6日付「兵庫民報」掲載)

きょうされんまつり 神戸長田

障害あっても地域でともに


体にどんな障害があっても、地域でともに暮らし、学んでいこうと、活動をつづけている、きょうされん(全国共同作業所連絡会)兵庫支部の「きょうされんまつり」が4月21日、青空の広がる神戸市長田区鉄人広場でひらかれました。結成34年、3年後の全国大会兵庫開催にむけた初の手づくり企画です。参加者は1千人を超えました。

作業所ごとのテントでは、焼きそばやイカ焼き、カレー販売に列ができ、ステージでは地元長田の沖縄舞踊団や空手グループらが熟練を披露しました。

実行委員長の中村好孝さんと事務局の松原健二さんは「政府の障害者施策は自民党時代に逆戻りで約束破り。地域の協力で実現したこのまつりのように、たくさんの要求を集めて政治を変えていきたい」と語っていました。

まつりの広場中央では演奏を楽しみながら、交流の輪が広がりました

(2012年5月6日付「兵庫民報」掲載)

兵庫県女性9条の会6周年のつどい

JAL原告が支援訴え


兵庫県女性9条の会6周年のつどいが4月21日、あすてっぷ神戸でひらかれました。

同会は丹波焼作家の石田陶春さんら27人が呼びかけ人になって発足。つどいには約60人が参加しました。

オープニングは、呼びかけ人の山本春美さんと堀口冨士子さんがハーモニカとオカリナで「花」などを演奏しました。

不当解雇と闘う日本航空客室乗務員の原告団のひとり、西岡ひとみさんが支援を訴えました。パイロットと客室乗務員の165人が解雇撤回を求めている訴訟は、東京地裁で3月29日と30日「解雇有効」の不当判決が出ました。原告団は控訴しています。

西岡さんは、国内に98カ所も空港をつくり赤字でも飛行機を飛ばしてきた、国の歪んだ航空政策が経営難の背景にあると説明。ベテランを大量解雇したため、トラブルが続出している現状を述べ「安全軽視の体質はひどくなるばかり。安全で安心なJALに戻って働きたい」と支援を呼びかけました。

新婦人須磨支部のコーラスグループが、JAL争議団の闘いから生まれた「あの空へ帰ろう」を歌いました。

東神戸診療所の郷地秀夫所長が「被爆者医療から見た原発事故」のテーマで記念講演をしました。

不当解雇撤回裁判の支援を訴える西岡ひとみさん

(2012年5月6日付「兵庫民報」掲載)

エコパークあぼし事故損害賠償裁判

裁判長が疑問点を提示


姫路市ゴミ処理施設エコパークあぼし建設現場爆発事故で負傷した下請け作業員らが、発注した姫路市と元請けの神崎組に損害賠償を求めている裁判の第4回弁論が4月18日、神戸地裁姫路支部民事合議部(浅井隆彦裁判長)でひらかれました。

原告は、負傷した10人のうち症状固定した5人で、近く2人が加わる予定です。

同事故被害者支援の会など約20人がラウンドテーブルでの審理を傍聴しました。

移動で今回から担当になった浅井裁判長が疑問点を出すかたちで進行。神崎組が姫路市に文書40余の提出を求めている点や、地下ピット内のメタンガス充満について姫路市と神崎組で認識が一致しているのか、被告双方にただしました。また市現場監視員の職務権限の責任追及について原告側に尋ねました。

次回は7月23日です。

(2012年5月6日付「兵庫民報」掲載)

神戸須磨・共産党神の谷支部がつどい

市政のムダ遣い実態説明


神戸市須磨区の日本共産党神の谷支部が4月18日、「しんぶん赤旗」読者宅を借り、つどいをひらきました。近隣住民ら14人が参加しました。

山本じゅんじ市議が神戸市政のムダ遣いの実態と、それに対する共産党の対案を説明。参加者から「とんでもない実態だ」と驚きの声があがりました。

「舞子ビラはなくなるのか」「先進医療センターづくりの何が悪いのか」などの質問も出され、山本市議が1つひとつ答えました。

最後に支部の党員が「市政、県政、国政の場で共産党議員がもっと増えなければ、日本は変わりません」と協力を呼びかけました。

「初めて共産党の行事に参加した」「共産党が身近になった」という2人から党にカンパが寄せられました。

「福祉の充実にこそ税金を使うべき」と説明する山本議員

(2012年5月6日付「兵庫民報」掲載)

地域経済・中小企業学習会

守るべきは暮らしと雇用


「地域全体の経済力引き上げを」と指摘する岡田教授

地域経済の発展を担う、中小企業の振興策を考える学習会が4月21日、神戸市勤労会館でひらかれました。

兵庫労連、兵商連、兵庫自治研、兵庫公務共闘の4団体が実行委員会を構成。約150人が参加しました。

自治体問題研究所理事長の岡田知弘京都大学教授が「地域経済再生の道を探る」と題し講演。大企業誘致や、立派な空港、道路、港ができても、地域経済全体の底上げに結びついていない現状を示し「地域住民の暮らしを活性化し、雇用を守ることが重要。それは東日本の被災地でも実証されている」と強調。

またTPP(環太平洋連携協定)参加は「いまでもひどい経済状況をもっと悪化させる」と述べました。

小寺倫明兵庫県立大学准教授は、地域循環型の経営基盤確立へ、大学と兵商連が09年5月発足した兵庫県中小商工業研究所の活動を報告。「学びの場、自ら切り拓く場になっている」と紹介しました。

(2012年5月6日付「兵庫民報」掲載)

観感楽学

5月の緑と風はさわやかですが、自然はいったん狂うと怖いもの。地震と津波はその最たるものでしょう▼昨年末に政府の「南海トラフの巨大地震モデル検討会」が、巨大地震の規模・津波高の想定を2倍程度に引き上げる「中間取りまとめ」を発表(その後、ことし3月末に「第1次報告」を発表)▼「中間とりまとめ」を受け、「中央防災会議」も「防災基本計画」を修正。「地方防災計画」もこれにならって修正され、5分程度で避難できる街づくりや防災広報・教育に取り組むことになっています▼兵庫県は3月下旬に「津波被害警戒区域図」を発表しましたが、それは暫定的に津波高をこれまでの想定の2倍程度引き上げ津波高と同じ標高線を示したものです▼これによれば神戸市中央区なら津波高3.2~4m、到達時間は90~110分となります。地域はほぼJR高架線から下と考えてよいでしょう▼地震対策・避難準備は国・県・市にしっかりやってもらうのは当然ですが、個人の備えも必要です。どこへ逃げるかも考えておくことです▼「災害は忘れたころに来る」と言われたものですが、昨今は忘れないうちに来ています。台風・洪水も来ます。(TS)

(2012年5月6日付「兵庫民報」掲載)

2012年4月22日日曜日

KOBEムダ遣いウオッチング

神戸・市民要求を実現する会


4月14日、神戸・市民要求を実現する会は、神戸市政のムダ遣いウォッチングツアーを開催し、40人が参加しました。神戸市政の実態を市民とともに学ぶ・神戸市政連続講座のフィールドワークとして開催されたもの。神戸空港ターミナルと海上アクセス、ポートアイランド(第2期)にある医療産業都市関連の実験施設や県立こども病院移転候補地を見学。日本共産党の森本真、山本じゅんじ両神戸市会議員が同行しました。(文:前田明)

A:中央部の緑地が県立こども病院移転予定地、その左のガラス張り円筒形の建物が破綻した財団のビル

神戸空港:土地売却は予定の5%


B:神戸空港
一行は、ポートライナーに乗り神戸空港島に向かいました。空港の駅前広場でツアーの説明パンフレットをうけとってオリエンテーション。山本市議が「午前中の雨とうってかわって快晴、神戸のムダ遣いの施設が見渡せる絶好の日和です。ぜひしっかり見てください」とあいさつ。

「ストップ!神戸空港」の会の北岡浩さんの案内で神戸空港のターミナルビルの屋上に登ると、2500m滑走路と、空港島の様子が一望できました。屋上では飛行機の離発着を見学する客がけっこういました。

屋上からみえる空港島の様子は、まだ工事中の箇所もちらほら。売却されたのは予定のわずか5%で、それも3~5割引きのバーゲン価格。売却収入は約2000億円の借金の利子にもならず、新たな借金で返済する自転車操業状態です。

スカイマーク社の飛行機の出発が遅れたらしく、わずか20分の間に4機つづけて飛行機の離陸を見学できました(写真B)。

北岡さんの説明では、神戸空港の利用客は昨年度で需要予測の6割程度。着陸料収入だけでは管理経費がまかなえず、兵庫県の補助金や市の一般会計からの支援、さらに昨年から特別会計の支援もはじめました。「着陸料収入で運営」「独立採算で市民に負担をかけない」といっていた約束は完全に反故にされているとのこと。

海上アクセス:110人乗りにわずか5人


C:海上アクセスの高速艇
神戸空港の巡回バスで、海上アクセス社の高速船ターミナルに到着。巡回バスは普段はほとんど客が乗らないらしく、私たち見学者で満員となり、運転手がびっくりしていました。ターミナルも閑散としてました。

ちょうど、関西空港から高速船が到着。ツアー参加者で乗降客数をかぞえました1、2、…。110人乗りの船から降りてきたのはわずか5人!(写真C) さらに、乗った人は1人。

あまりにも拍子抜けの人数にツアー参加者の発言から「土曜日にもかかわらずこの利用者では赤字になって当然」「神戸市に土地もタダで貸してもらって、補助金までもらう殿様商売の外郭団体はすぐにやめるべきだ」と驚きと怒りの声があがりました。この会社がかかえている158億円もの負債を神戸市負担でチャラにする計画がすすめられていることを聞き「そんな金があるなら中学校給食につかって」の声も。

医療産業都市:市・外郭団体のテナントビル多く


D
空港島からポートライナーでポートアイランド(第2期)の医療センター前駅まで引き返すと、森本市議が出迎えてくれました(写真D)。駅に隣接するビルの展望ロビーから見る都市の様子は、駅の周辺には大きな建物もありますが、かなり大きな空き地が点在しています。

森本議員の説明では、震災後に売れ残ったポートアイランド(第2期)の土地を処分するため「復興プロジェクト」の一つとしてはじまったのが「医療産業都市」。神戸市は200社が新たに集積したといいますが、ほとんどが市がつくったテナントビルへの破格の家賃での入居。あのビルはどの会社のビルですかとの質問に「あれは神戸市の外郭団体」「そっちのビルの土地は神戸市が買ってます」との回答。

参加者からは「けっきょく、神戸市の土地を神戸市が買ってるだけじゃないか」との声が上がっていました。

駅にもどって動く歩道「ムービングウォーク」をつかって市民病院の入口まで見学しました。歩道の両側には桜が残っていて参加者も花見気分。

市民病院の向かい側には、昨年5月にオープンしたばかりですでに経営難で破綻した民間財団のテナントビル(写真上A左手前の円筒形建物)があり、その隣に同じ財団が計画している海外の医療ツーリズム目当ての病院は事業が進まず予定地には雑草が茂っています。

この財団は、土地を神戸市から無償で提供してもらい、22億円の建設費の3分の2を国から補助を受け、テナントの3分の1を国の外郭団体に入居させていたにもかかわらず破綻。

さらにこのテナントビルを神戸市の外郭団体に買い取ってもらう話も進んでいます。

参加者は「税金をどれだけつぎ込んだら気が済むのか、そこまで一つの自治体がやらなくてはいけないのか」と厳しい声があがりました。

こども病院:平和モニュメントをどけてまで


県立こども病院の移転予定地の公園(ポートアイランド中央緑地=写真上A中央部分)に到着。花見をしているお年寄りや、子ども連れで遊びに来ている若いお母さんたちが数人、春の日差しをたのしんでいました。

中央緑地は4.2haもある市内でも有数の公園で、敷地内には幾筋もの小川が流れ、川岸には季節の花々が咲いており、災害時には生活用水としてつかうことも計画されています。

県と神戸市は、この緑地の大半をこわして、こども病院を須磨区から移転する計画です。ある参加者は「この公園には、宝石翡翠の鳥といわれるカワセミを見によく来ていました。この公園をつぶすなんて」とため息をつきます。

緑地の中央には平和を願う市民の募金によって建設された「平和のモニュメント」が設置されています。市のホームページで、モニュメントの説明には「時代をこえて変わらないもの-それは平和です」とあります。

医師会や患者の家族など多くが反対している県立こども病院の移転計画は、ぜったいに許せません。

(2012年4月22日付「兵庫民報」掲載)

がんばります!衆院小選挙区候補:1区

誰もが幸せに暮らせるよう

兵庫1区 筒井哲二朗予定候補

消費税大増税ストップ! 4.12国民大集会にも参加(前列右から2人目)

皆さん、こんにちは。次におこなわれる総選挙で兵庫1区(東灘区・灘区・中央区)から立候補を予定している日本共産党兵庫1区国政対策委員長の筒井哲二朗です。

私は東灘区の魚崎に生まれ育ち、今41歳です。父は東灘区内の甲南本通商店街で和菓子屋を営んでおりました。また叔父の筒井もとじは、東灘区選出の県会議員として5期20年にわたって県民のくらしを守り発展させるために力を尽くしてきました。

私自身は学生時代、朝「しんぶん赤旗」日刊紙を配り、昼は大阪の郵便局で働き、夜に大阪市立大学法学部二部で学んでいました。

1998年から日本共産党神戸東地区委員会で「しんぶん赤旗」出張所長として約8年、配達・集金活動などを行う中で、国民の皆さんの暮らしの実態をつぶさに見聞きしてきました。その後2007年暮れから東灘区担当の常任委員として、党支部や後援会の皆さんとともに宣伝や訪問、選挙活動などに取り組んできました。それらの活動をつうじて、社会の中で立場の弱い人、貧しい人が幸せに暮らせるような社会をつくりたい。そのために今の国政を変えるために頑張りたいと考え、総選挙への立候補を決意しました。

政治を変えるためには、政権の担い手が変わるだけではダメで、政治の中身が変わらなければなりません。戦後の日本政治を長らく担ってきた自民党も、代わって政権についた民主党も、「アメリカいいなり」「財界・大企業中心」という二つのゆがんだ枠組みから逃れることは出来ませんでした。この“二つの害悪”を取り除き、国民が主人公の政治に切り替えてこそ、日本の未来は明るく希望あるものとなります。これを実現するためには、日本共産党が大きく躍進する以外にありません。

きたる総選挙で、比例代表選挙において650万票以上を獲得し、近畿ブロックで4議席を確保するとともに、兵庫1区でも勝利を目指して全力を尽くしたいと思います。皆さんの大きなご支持ご支援をよろしくお願い致します。



筒井氏の日々の活動、思い、見解、政策はインターネットで読めます。
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(2012年4月22日付「兵庫民報」掲載)

消費税増税反対:生鮮食品団体

署名や議員陳情も


生鮮食料品団体が消費税増税に反対するとりくみを強化しています。

神戸市兵庫区にある「食品市場新聞社」が発行する「食品市場新聞」は、4月10日付の1面で「生鮮食品団体協議会、消費増税への対応強化」「署名運動や地元議員への陳情」という記事を掲載しています。

それによると、青果、水産、食肉など5団体で組織する「生鮮食品団体協議会」は、各団体会員からの署名運動や、地元の国会議員に陳情書を提出し、対応策を強化していると、伝えています。

同新聞は、「全国水産物卸組合連合会では、会員だけではなく、中央市場と地方市場すべての水産仲卸組合に署名を呼びかけており、5月20日までに集約する」「全国青果卸売協同組合では…今後は従業員、その家族からも署名を集める予定」などと報道しています。

(2012年4月22日付「兵庫民報」掲載)

東日本大震災がれき処理で県議団が申し入れ

広域処理は住民の納得を得て


日本共産党県議団は4月12日、東日本大震災による災害がれき(災害廃棄物)の広域処理に関して、井戸敏三知事に申し入れました(写真)。

県議団は、政府の責任を厳しく指摘するとともに、住民の納得を得て、被災地以外の自治体でがれき処理を行う広域処理が必要と考え、当面、次の6点をすすめるよう、県に強く求めています。

1、県民向けの説明会を、早急に開くこと。市町にたいして、押しつけを行わず、市町自身が住民の納得をえて自主的にとりくむことを原則とすること。
2、受け入れる廃棄物は、通常の廃棄物と同程度の放射能レベル以下のものとなるようにすること。放射線は「低ければ低いほどよい」原則にたって、市町が独自基準を設けることを妨げないこと。
3、処理に関して、あらゆる段階で情報の公開を原則として、国の責任も明確にすること。
4、焼却灰の埋め立てについては、排水処理や、処分場としての安全性が確保されない限り、行わないこと。
5、行政だけでなく、有識者や住民も参加できる監視・チェックの体制をつくること。
6、セメントリサイクル事業については、災害がれきを含んだ焼却灰を使用しないこと。

(2012年4月22日付「兵庫民報」掲載)

NPT準備委員会要請団:兵庫から橋本銀河さん

核兵器廃絶の声届けにウィーンへ


兵庫県原水協は、4月30日からオーストリアのウィーンで始まる核兵器不拡散条約(NPT)再検討会議第1回準備委員会に、日本原水協要請団の兵庫県代表として橋本銀河さん(26)を派遣します。

橋本さんは神戸医療生協に勤務し8年。民医連青年ジャンボリー実行委員、「原発・核兵器ゼロ」をめざす兵庫の青年組織「ゼロこねっと」メンバーで、民主青年同盟兵庫長田北地区委員長です。

生まれは長崎県諫早市。小中学校とも修学旅行は広島行き。夏休みの登校日は原爆投下の8月6日と9日。平和への関心は子どものころから身近でした。

神戸で働きだしてからも核兵器廃絶署名、国民平和大行進、原水爆禁止世界大会に参加しています。

日本原水協の代表団は22人。出発までに集めた「核兵器全面禁止アピール」署名を準備委員会に提出します。現地では、各国政府代表に核兵器廃絶への具体的とりくみを要請。国連国際センターとウィーン大学で原爆展をひらく計画です。

橋本さんは「平和を願う声の積み重ねとして、たくさんの署名を届けてきたい」と話しています。

【派遣募金振込先】銀行=みずほ銀行神戸支店(普通)1002789兵庫県原水協大川義篤、郵便=01190・5・9005 原水爆禁止兵庫県協議会

(2012年4月22日付「兵庫民報」掲載)

兵庫労連・県春闘共闘がイブニングパレード

増税反対、賃上げ実現へ全力


パレードには堀内照文日本共産党衆院比例候補(左端)も参加

「すべての労働者の賃上げ」を要求の柱に12春闘をたたかう、兵庫労連と国民春闘兵庫県共闘委員会が4月13日、イブニングパレードを実施しました。

小雨のなか、神戸市役所花時計前で出発集会をひらきました。

北川伸一兵庫労連事務局長は、野田政権が自民党を巻きこみ、消費税大増税をすすめようとしていると厳しく批判。「悪政を絶対許さない。賃上げ要求実現へ春闘を全力でたたかう」と挨拶しました。

約70人が「賃下げやめろ」「消費税増税するな」「ワーキングプアなくせ」をリズムよく唱和しながら、三宮をパレードしました。

(2012年4月22日付「兵庫民報」掲載)

尼崎で「社会保障と税の一体改革」学習会

中止求める署名行動提起


「社会保障と税の一体改革」学習会が4月12日、尼崎市労働福祉会館でひらかれ、75人が参加しました。

尼崎社会保障推進協議会と尼崎医療生協の共催です。

講師の二宮厚美神戸大学名誉教授は「野田政権は社会保障をおとりに消費税を増税する作戦」と指摘。消費税を社会保障目的税化すると、憲法25条で保障された権利である、社会保障の応能負担原則が崩れ、共助・連帯の相互扶助へ変質すると強調。保育や福祉の市場化がさらにすすむと述べました。

尼崎社保協の堤匠事務局長が一体改革中止を求める署名行動を提起しました。参加者も発言。「東京の消費税ストップ!国民集会へ尼崎民商から代表2人が参加」「介護施設の現場は、保険料の引き上げとサービス切り下げで大変な状況になっている」と報告しました。

(2012年4月22日付「兵庫民報」掲載)

県弁護士9条の会総会 福島から訴え

民意に反する原発維持


兵庫県弁護士9条の会の第7回総会が4月14日、あすてっぷ神戸でひらかれました。福島県九条の会事務局長で、福島大学名誉教授の真木實彦さんの記念講演「憲法9条と原発問題」がおこなわれ、市民を含む約60人が参加しました。

開会挨拶で会代表の中尾英夫弁護士は「迷走しているのは、北朝鮮のミサイルではなく日本の政治。9条を守り、しっかりとしたシンをもつ国にしていこう」と述べました。

労働経済学が専門の真木教授は、福島に大手ゼネコンが乗り込んでいる状況や、県民の気持ちに反し原発維持へ進む政府の姿勢を批判。「国民が恒久的に悲惨な生活を強いられている。議論をつくす熟議民主主義が必要」と強調しました。

(2012年4月22日付「兵庫民報」掲載)

兵庫生存権裁判:医者の意見書提出へ

加算廃止が生活に影響


生活保護の老齢加算廃止は、憲法違反と訴える兵庫生存権裁判の進行協議が4月13日、神戸地裁でおこなわれました。報告集会があすてっぷ神戸でひらかれ、裁判を支援する会ほか約20人が参加しました。

松山秀樹弁護士と今西雄介弁護士が報告。老齢加算廃止が原告らの生活に及ぼしている具体的影響について、医者に意見書を依頼すると説明。「審理をつくすため腰をすえてとりくむ。やれることをすべてやる。公正判決を求める署名1万筆を集め、裁判所へ届けよう」と述べました。

(2012年4月22日付「兵庫民報」掲載)

県AALA50周年 神田米造さん講演

世界に学び日本を変える

「日本はこのままではアジアで孤立する」と語る神田さん

兵庫県アジア・アフリカ・ラテンアメリカ連帯委員会(貫名初子会長)の結成50周年記念学習講演会が4月15日、県中央労働センターでひらかれ、約70人が参加しました。

貫名会長は「半世紀を振り返ると、紆余曲折あったが、1度も挫折することなく兵庫県AALAの歴史を築いてきた。みなさんの協力があったからこそ」と挨拶しました。

日本共産党中央委員会国際局次長の神田米造さんが「世界の新しい動きと日本AALAの役割」と題して講演。

神田さんは「激動する世界を知ることは、日本の立ち位置、日本のとるべき道筋を知ることにつながる」と冒頭で強調。アメリカの「裏庭」ではなくなり、各国が自立し、紛争を解決、お互いを理解しようとしている中南米諸国や、平和的解決で地域の安定した経済発展を進め、北朝鮮問題もその延長で考えていく、ベトナムやシンガポールなどのアセアン諸国の連携を紹介しました。

そのうえで「世界は法則的に動いている。その法則をとらえ、日本の政治を変えていこう」と呼びかけました。

(2012年4月22日付「兵庫民報」掲載)

一コマまんが

怒り心頭



間 康成

(2012年4月22日付「兵庫民報」掲載)

観感楽学

兵庫県は県立こども病院をポートアイランドに移転すると発表した▼心臓病など先天性の難治性疾患を持ち、「こども病院」で高度な専門的治療を受けている子どもたちは成人しても継続した治療が必要だが、県内には適した病院がない▼全国心臓病の子どもを守る会兵庫県支部は2004年に「難治性疾患で治療中の子どもが、成人しても継続して医療の受けられる体制充実を」の請願を県議会に出し、全会一致で採択された。その後も「成育医療センターの拡充」を求めているが、県は「県立塚口病院に設置した」というだけで、今に至るもこども病院に多くの成人患者が入院・通院している状況だ▼そういうなかでのポーアイ移転。敷地面積は現在よりも少なく、県全域からのアクセス問題、津波・液状化など大災害への不安、バイオハザードについての恐れも払拭されていない▼県医師会、神戸市医師会、患者団体等から移転への疑問や反対意見が相次ぎ、佐用町からは移転計画見直しの意見書も出されている▼全国心臓病のこどもを守る会前支部長の木村宏美さんは「基幹病院は一極集中でない方がいいのです。ぜひ考え直してほしい」と訴えている。 (N)

(2012年4月22日付「兵庫民報」掲載)

2012年4月20日金曜日

公開時刻を朝6時に変えます

Web版をご愛読いただきありがとうございます。

これまで、毎日曜日の深夜0時から1時にかけて記事を公開、同時にtwitterやfacebookへも転送してきましたが、より多くのみなさんの目にとまるよう、公開時刻を朝に変更します。当面は午前6時から公開しますので、日曜、朝ご飯前、お出かけ前にご覧いただければ幸いです。


大飯原発 再稼働反対! 緊急パレード(21日13時・東遊園地)

ゼロこねっとが呼びかけ宣伝

NPT再検討会議に向けた準備委員会に参加予定の橋本さんも訴え(左)
兵庫民医連ジャンボリー実行委員会、兵商連青年部協議会、民青同盟兵庫県委員会などでつくる「ゼロこねっと」は4月15日、元町大丸前で、「大飯原発再稼働許さない」宣伝行動をおこないました。

兵庫民医連ジャンボリー実行委員会の橋本銀河さんらがハンドマイクで訴えながら、4月21日におこなう大飯原発再稼働許さない緊急パレード(午後1時東遊園地集合・2時出発)のチラシを配布し協力をよびかけると、次々とチラシをうけとり署名やメッセージに応じてくれました。

「ほんとうに安全だとの保証はあるんですか?」「再稼働ってお金のことばかり考えているんじゃないか!」など、原発再稼働への不安や怒りなどが寄せられました。

メンバーは、引き続き予定している原発パレードへの参加を広げるために、大学門前などでの宣伝を行うことにしています。

また、この日の夜は、4月30日からウイーンでおこなわれる2015年のNPT再検討会議に向けた準備委員会に参加する予定の橋本銀河さんの壮行会を「ゼロこねっと」と兵庫県原水協として行い、激励と核兵器ゼロ、原発ゼロへ決意を固めあいました。


(2012年4月22日付「兵庫民報」掲載)

2012年4月15日日曜日

社会保障充実、経済危機打開―嶋田福崎町長と語り合う

住民と企業に信頼され展望ひらく




日本共産党の堀内照文衆院比例予定候補と金田峰生参院兵庫選挙区予定候補は4月4日、福崎町の嶋田正義町長を訪ね、日本共産党の「社会保障充実、財政危機打開の提言」などについて懇談しました。(文責編集部)

*福祉充実がまちに明るい展望ひらく


堀内 この間、私たちは「提言」をもって、各地の市町長や商工会を訪問しているのですが、「今の経済情勢で増税すべきでない」という方がほとんどです。「経済をよくしようと思ったら、内需をどう拡大するのか、が鍵だ」ということは誰も否定されません。

嶋田正義・福崎町長
嶋田 時宜にかなった「提言」だと思います。

堀内 「提言」が出て最初に訪問したのが、相生市の谷口芳紀市長でした。去年の春から子ども医療費を無料化されています。

嶋田 少子化を何とか止めたいのだが、「福崎町が中3まで無料化して喜ばれている。あなたのところでできるなら、うちでも」と実行されたそうです。

堀内 無料化が始まると、その月から母子手帳の発行が過去10年の最高件数となり、赤ちゃんが増える兆しが見えて来たといいます。

嶋田 よかった。

堀内 学校給食の無料化財源は市財政の0.5%。政治の姿勢いかんで財源は確保できるし、明るい展望を開けるんだということに、私たちも非常に大きな勇気をもらいました。

*独自施策へのペナルティはやめてほしい


堀内照文・衆院比例予定候補
金田 福崎町はこうした取り組みを先進的に進められてきていますが、いろいろ困難もあったのではないでしょうか?

嶋田 堀内さん、金田さんにぜひお願いしたいのですが、国会に出て、市町の独自施策へのペナルティは無くしてほしいですね。

国は、「無料にすればみんなが病院へ行き、医療費がかさむ」といって補助金を減額します。医療費を無料化して、なぜ福崎町が1,250万円もペナルティをかけられるのか。これは辛い。

多くの市町が中3までの無料化に踏み切り、その力で「ペナルティ撤回を」との声をどんどんあげて国の姿勢を改めさせなくてはなりません。

堀内 早期発見・早期治療で医療費はかえって抑制されるはずなのに逆ですね。

自治体関係者の皆さんから、国の制度が、「三位一体改革」を筆頭に、自治体財政を締め上げる、本来あったものがなくなったり、政権交代で制度が変わる中、ずいぶん翻弄されてきたという話を各地で聞きました。

嶋田 国民がもっともっと怒らなくてはいけないと思います。日本人は忍耐強いと褒められたりしていますが、今は怒りを燃やして行動に立ち上がる時だと思います。

金田 公約を平気で投げ捨てる、社会保障の財源だと消費税を増税しようとしている、被災者・国民が一生懸命に立ち上がろうとしているのに、それを打ち砕くような増税を押し付けようとする今の国の政治手法をどう見ておられますか?

嶋田 まったくけしからん話です。公約に掲げたことを実行せず、ことごとく破棄し、自民党が言っていた方向に逆戻りして、ものによってはそれ以上のことですから。

*住民の暮らしと安全支える公務員


金田峰生・参院兵庫選挙区予定候補
嶋田 町政運営で大事なことは二つです。一つは情報の公開。もう一つは職員の資質向上です。

良いことも悪いことも隠さずに公表するということが町政を進めていく上で大事です。職員の資質を高めるのは、町長の仕事でもありますが、議員の皆さんの仕事でもあります。議員さんが的確な質問をしてくださることが町職員の資質を高めます。

金田 今年の職員採用は何人ですか?

嶋田 正規職員は7人採用しました。退職者の補充はきちんとして、世代間で不均衡が出ないようにしています。今年の国家公務員のような採用減はしたくありません。町の場合、すべての職員が直接、住民の仕事をお手伝いしていますから。

堀内 人づくりが町政の要になっていますね。

昨年の台風12号で奈良に土砂ダムができたとき、震災による土砂ダムへの対処を経験した新潟県内の国交省出先機関の職員が奈良へ応援に駆けつけました。蓄積をもつ出先機関を廃止していいのかと思います。

兵庫県でも佐用町の水害では、国交省姫路事務所では副所長なども現地のことをよく分かっていました。地名をいうだけで、状況や対処策を次々と答えてくれました。

逆に、地元の方が合併で広域になったのに職員も減らされ、いざという時にすぐ対応ができなかったのは本当に大変だと思いました。

公務員削減は、町民の安心・安全を削るのだということを実感として思い知らされました。

嶋田 福崎では税金申告のお手伝いもしています。今、農家も昔の青色申告並みの収支計算をします。それを自分でしなければならないとなると申告できない人もいるでしょう。医療費など控除できるものまで、控除せずに申告する人もいます。そうならないよう職員はていねいに指導しています。

自治体職員になろうと思っている人は、本来、住民サービス・公共サービスに貢献したいと思っているのです。採用試験の面接でなぜ公務員をめざすのかと話を聞けば、公平な目で見て住民サービスに貢献したいと、皆言います。皆その気で入って来た訳ですから、住民の皆さんと接して、温かく親切にしたいという気持ちがほんとうの姿なんです。

福崎町の町民税(現年度分)納税率は99.1%。住民の皆さんもよく見ておられて、親切にしてくれるならと納税に努めていただいているのだと思います。

堀内 町政への信頼感がなければ納税しようという気になりません。

嶋田 一方で、今年の統計はまだですが、納税者の所得は260万円からここ6年で30万円も落ちています。

*堅実な企業が福崎町へ進出・出店


金田 法人税の方はどうなんでしょうか?

嶋田 工業団地には色んな業種があって、いっせいに落ちてしまうということはありません。進出企業に対し、税制面で優遇はしませんが、そこの労働者が生活しやすいような町づくりで応援したいと答弁しています。

金田 堅実な事業体が来ているようですね。

嶋田 おかげさまで、そういう会社の方が町の事業に色々な面で支援をしてくれるのです。例えば「歩こう大会」の途中で配る飴や秋祭り・夏祭りの景品など、けっこう住民にサービスしています。ニット製造の会社が行う年1回のバーゲンもすっかり町の風物詩になり、国道に自動車が並ぶほどにぎわいます。

「赤旗」でも紹介していましたが、海外進出は、優遇措置ではなく需要があるかどうかで決めるというのが7割という統計もあります。国内でもそうでしょう。福崎へ進出している企業も事前に市場調査をしているはずです。

金田 「提言」は、民主的な経済改革が一つの柱ですが、住民の生活も保障・サポートし、信頼してもらえるような良い政治をすれば、税収も上がる。あとは景気の問題。福崎町政は「提言」の先取りですね。

*日本共産党の頑張りが試される時


懇談には2人の福崎町議も参加。
(右から)嶋田町長、堀内氏、石野光市町議、小林博町議、金田氏


堀内 戦後の自民党政治が行き詰まり、政権交代したが、民主党もていたらく。「政治を変えてほしい」というエネルギーの行き場がない閉塞感を利用している動きを軽視はできませんが、同時に、橋下徹氏の流れで政治が変るのかと言えばけっしてそうではない。大企業・アメリカ優遇という根本を正していく日本共産党がいかに頑張るかが試されています。

嶋田 今、共産党が一番頼りになる時だと思います。同時にやはり、頼りにされるというのは頼りになる行動があってこそです。それが無ければ共産党の良さも知られないままということになりかねません。

今、「提言」をいかに国民の中に持ち込んでいくかが重要です。精力的に幹部の皆さんが全国的に講演しているのはうれしいことです。

堀内 兵庫県でも5月8日に小池晃政策委員長が出席して「経済懇談会」を開きます。

嶋田 国民に対しては平易な言葉でゆっくり説明することが大切です。書き言葉との違いに気をつけて話し言葉を磨くことも大事ではないでしょうか。

堀内金田 私たちも「提言」への共感を広げ、政治を前向きに変えるため、全力をあげます。


(2012年4月15日付「兵庫民報」掲載)

経済懇談会を案内

垂水でおおすぎ氏ら商店49軒

党県委が松田書記長ら30団体


日本共産党神戸西地区委員会は5日、おおすぎ鉄夫委員長・衆院3区予定候補と赤田かつのり神戸市議が経済提言と経済懇談会(5月8日)案内の資料をもって、垂水区の垂水商店街を訪問。49軒と対話しました。

おおすぎ氏は、「消費税増税なしに社会保障も経済も財政もたてなおす日本共産党の提言です。お読みいただき、ご意見もお聞かせください」「消費税増税反対の一点で力をあわせてがんばりましょう」と呼びかけました。商店主からは、「価格に転嫁できないから、消費税が増税されたらたいへん」「共産党にがんばってもらわないと政治はよくならない」と激励の声も寄せられました。

日本共産党兵庫県委員会は6日、松田隆彦書記長ら勤務員が3月にひきつづき、経済提言をもち経済懇談会の案内に神戸市中央区内に事務所をおく県段階の業界団体や労組など約30団体を訪問しました。

食品関係のある団体では、「消費税増税はもちろん困ります。同時に、TPP参加は会員の倒産を招き、私たちの業界は大打撃を受けます。社会の基盤を壊滅させかねません」と話していました。「消費税増税もTPPも力をあわせてストップさせましょう」と話がはずみました。

(2012年4月15日付「兵庫民報」掲載)

憲法が輝く県政へ(1):高校学区拡大

高校学区拡大の押し付けやめよ



福住宏之(県立西宮南高校教諭・前高教組書記長)


2012年1月6日、県教委は普通科高校の通学区を現行16学区から5学区に統合・拡大する「基本方針」を決定したと発表した。学区検討委員会が11月28日に報告を出してからわずか4十日足らずでの発表に違和感を覚える。

「学区拡大」方針に対しては、県下41自治体中14の議会から反対・慎重の意見書が出ている。また、昨年のパブリックコメントに2,362人・4,180件の意見表明があり、その多くが不安・懸念・反対の意思表示であった。にもかかわらず、それらに対して何ら答えず、「学校選択肢の確保」をほとんど唯1の理由として「基本方針」だけを先に決めた。

県教委は、教育関係者や保護者らから具体的な制度設計に向けて意見を聞く会合を5月にも開く方針というが、自らの対策案を示さずに意見を聞くような会合を開催する必要はない。

「5学区」を前提にした意見交換は「アリバイ作り」にしかならず、意見を聞くというならば「基本方針」は白紙に戻すべきである。何の策も持たず「基本方針」を発表して、「学区拡大」を「既成事実」のごとく県民に押し付けるやり方は犯罪的行為である。

これに対して、神戸大学など県内の大学教授らが反対の「見解」を発表した。

受験競争の激化や学校統廃合を招く「学区拡大」を「(県教委は)無理強いするのではなく、教育に対する県民の期待と要望をより深く汲み取る姿勢をもつべきである」と述べられている。

また、「競争が学力を伸ばす」という考え方が世界的には時代遅れであり、「競争の教育」がむしろ子どもの「学力低下」を引き起こしていると指摘している。

まったくその通りであると思う。

「学区拡大」の押し付けを許さない運動として、「見解」をまとめた「アピール」に対する賛同署名が始まっている。県下の各自治体を訪問して懇談し、首長や議長の賛同署名が集まれば事態は変わる。

1年余に迫った県知事選挙でも争点とし、最終的には県議会に請願を出して決着を図るという息の長い運動が必要であると思う。

(2012年4月15日付「兵庫民報」掲載)

川重が請負、派遣業者に最大20%の単価引き下げ要求

川崎重工の船舶海洋カンパニーは、請負・派遣業者に対して、業績悪化を理由に最大で、4月から10%、10月から20%の単価引き下げに協力を求める要請を、ことし2月に行っています。

対象となる労働者は、神戸・坂出の地域を合わせると千人規模にもなります。労働者からは「今でも生活が苦しいのに4月から5%、半年後に10%カットとはあまりにも厳し過ぎる。とても生活ができない」(派遣)、「給料を下げられたら生活ができないので3月で辞める」(請負)など、雇用不安や生活不安の声があがっています。

単価引き下げは、この不景気のさなか、断れば仕事を失いかねない下請事業者の弱い立場につけ込み、カンパニーの業績悪化を請負・派遣業者に犠牲転嫁して乗り切ろうとするものです。

川重全体では、2011年度見通しの経常利益が520億円(前年度比29億円増)、内部留保も3,482億円とため込み、株主には昨年より2円も多い5円(約84億円)の配当を予定しています。

日本共産党川崎重工委員会は、この不当な単価引き下げ要請を告発するビラを、船舶海洋カンパニーの所在する神戸工場で配布しました。労働者から、「私たち派遣社員のことを、ここまで考えてくれている人たちがいたと思うと本当に嬉しかった」という声も寄せられています。党委員会は、引き続き単価引き下げの撤回をめざし奮闘する決意です。


(2012年4月15日付「兵庫民報」掲載)

新入生歓迎の宣伝と2つの講演会

神戸大学の入学式会場前での宣伝

4月6日、神戸大学入学式が、神戸ポートアイランドホールで行われ、日本共産党東灘・灘・中央地区委員会と党兵庫県委員会、民青同盟兵庫県委員会が宣伝。松田隆彦党県書記長が新入生に訴えました。

カラー「兵庫民報」号外は次々と学生に受け取られ800部を1時間で配り終えました。同日、阪急六甲駅前でのアンケート対話宣伝では「子どもの貧困が気になる。どう解決できるか児童福祉を学んで深めたい」など学生生活への期待の声も寄せられました。

4月5日には兵庫県立大学の入学式が三宮の神戸国際会館で行われ、日本共産党東播地区委員会と党兵庫県委員会、民青同盟兵庫県委員会が宣伝しました。

衆院兵庫10区の井沢たかのり予定候補と参院兵庫選挙区の金田峰生予定候補が新入生に歓迎の挨拶をおくりました。西川あゆみ明石市議もかけつけカラー「兵庫民報」号外をいっきに500枚配布しました。

新入生を歓迎するために全県企画として以下のとりくみが行われます。

▼「3.11後の日本と大学の学問―マルクスの目で現代を見て、社会を変える」(民青同盟県委員会主催)4月28日(土)13時30分から神戸市勤労会館403.404号室、講演は石川康宏神戸女学院大学教授

▼「就活って何?就職難なぜ?―豊かな学生生活を送るために」(連続学問講座実行委員会主催)5月19日(土)13時30分から兵庫勤労市民センター講習室、講演は森岡孝二関西大学教授

この二つの企画を成功させようと党と民青をあげた宣伝行動など取り組みが広がっています。

(2012年4月15日付「兵庫民報」掲載)

尼崎アスベスト訴訟:激痛に苦しみぬいた父

クボタ旧神崎工場の周辺住民が、工場から大量に飛散した石綿粉塵が原因で死亡。遺族がクボタと国に、謝罪と損害賠償を求めている尼崎アスベスト訴訟環境曝露型が3月21日、結審しました。原告のひとり山内康民さん(64)に、いまの思いを聞きました。

原告 山内 康民さん

山内孝次郎さん
最後の写真
=94年12
私の父、孝次郎はクボタ旧神崎工場真南のヤンマーで定年まで働きました。鉄を削るミーリングの仕事で、石綿は扱っていません。

95年春から頻繁に咳をし始めました。肺結核を疑い、開業医のすすめで、市立病院で検査を受け、4カ月入院しました。

退院後も体調は悪くなる一方でした。11月に再入院したとき、悪性胸膜中皮腫と言われました。食欲が落ち、目に見えて弱ってきました。七転八倒の痛みがつづきました。我慢強い父が、苦しみに耐え、顔を歪め、体を海老のように反らせていました。

最後の正月を家族いっしょにと年末、渋る父を説得し、一時帰宅しましたが「こんな苦しかったら死んだ方がましや」と痛みにのたうち回りながら、96年1月8日、死亡しました。80歳でした。

信仰深い父に、神も仏もない最期でした。臨終間際、妹が「もう頑張らんでええで」とかけた言葉が忘れられません。

裁判を通し、被告のクボタと国に要求しているのは、まず加害責任を認めよ。補償(賠償)はそれからです。そして被害を繰り返さないこと。

やっと結審をむかえて、いよいよ8月7日の判決を待つばかりになりました。ただし、これで終わりだという気分はまったくありません。最高裁まで裁判をつづける決意です。

途中くじけそうになったこともありますが、弁護団や支援の会はじめ、みなさんの助けに感謝しています。

クボタと国の責任を問い裁判を闘う山内康民さん(左端)=3月21日


(2012年4月15日付「兵庫民報」掲載)

兵庫県農民連が新事務所に移転

農業と食の安全守る砦に


兵庫県農民運動連合会(永井脩会長)の新しい事務所と倉庫が、神戸市西区岩岡町岩岡に完成しました。23年間いた西区玉津町から3月末、移転しました。

借地約350㎡。倉庫、事務所とも木造2階建て。倉庫1階の床面積は約243㎡。奥半分が米の保管倉庫です。15度の定温で米の品質を守ります。

農民連はこれまで自前の米倉庫がなく、業者に保管を依頼していました。89年結成以来の念願が今回実現。米60kg入り2500袋を保管できる広さです。

産直で扱うのは米、野菜、果物、納豆、牛乳、ヨーグルト、醤油、卵など。上野信行事務局長は「兵庫の農業と食の安全を守る砦の役割を果たしたい」と話しています。

同会は新事務所維持への募金を呼びかけています。郵便振替01190・6・23454農民運動強化部

広びろとした倉庫、左扉奥が米の保管倉庫です

(2012年4月15日付「兵庫民報」掲載)

レッドパージ兵庫訴訟:「調査不必要」国が上申書

レッドパージ兵庫訴訟控訴審で、被告の国側代理人が大阪高裁に4月4日、上申書を提出しました。

原告側の要求で裁判所が採用した嘱託調査についての弁明です。レッドパージ犠牲者の名誉回復と国家賠償を求め衆参両院で計173件出された請願に対し政府担当機関と対応の開示が裁判の焦点です。

3月16日の第2回控訴審では、請願のすべてを「審議未了」の門前払いにし「本訴訟に関する事務を掌握していない」とする国の姿勢に原告側と傍聴者の怒りが沸き立ちました。

上申書は「原告が立法不作為を主張しているのだから、政府機関の検討状況いかんは必要ない」とし、日弁連が08年10月、総理大臣あてに出した人権救済勧告についても「嘱託先不明」で「これ以上の調査に応じる必要はない」と主張しています。

原告のひとり大橋豊さん(82)は「国が何の対応もしなかった不作為がいっそう明白になった。高裁の嘱託調査採用の意義は大きい。裁判で真実を明らかにしたい」と語ります。

(2012年4月15日付「兵庫民報」掲載)

世界の人びとと連帯し結成50年

兵庫県AALA連帯委員会元副理事長 西岡 幸利

ベトナムの救国闘争と沖縄

平和と友好の旅でキューバを訪れ、
現地の友好団体と交流する兵庫県AALA連帯委員会
=09年11月12日
1967年12月から翌1月にかけて、私は、日本アジア・アフリカ連帯委員会沖縄調査団、約30人の事務局長として、アメリカ軍に対する土地取り上げ反対闘争に燃えていた沖縄へ、パスポートを持って渡航しました。

その当時、アメリカによるベトナム侵略戦争が激化していました。強制土地収用に反対する沖縄のたたかいは、ベトナム人民の反米救国のたたかいと連帯していました。

具志川村昆布地区の強制土地収容反対のたたかいのなか、佐久川末子さんが作詞作曲した「一坪たりとも渡すまい」は最終章を「黒い殺人機が今日も/ベトナムの友を撃ちに行く/世界を結ぶこの空を/再び戦(いくさ)でけがすまい」と結んでいます。

私の沖縄での行動を追跡したアメリカ占領軍は、それ以降72年の返還まで、二度と私の沖縄渡航を許可しませんでした。

「『あなたの琉球列島行きは好ましくない』とアメリカ軍から通告があったので、申請書類をお返しします」と兵庫県の外務課が送り返してきました。

それでも私は申請を繰り返しました。書類に記載した渡航目的は「沖縄人民と日本AA連帯委員会との交流」でした。

84年には、日本AALA連帯委員会の一員として、中米ニカラグアを訪問しました。

当時の中米は、アメリカから「わが国の中庭」と呼ばれ、自主独立の立場をとるオルテガ政権は激しく抑圧されていました。そのため私たちは、首都マナグアに直接入ることができず、メキシコを経由しました。

行ってみて、ラテンアメリカ諸国の連帯の強さを知りました。多くのアメリカ人も、メキシコからリオグランデを渡り、シエラネバダ山脈に沿って走るハイウェーを利用し、ニカラグアに入り、コーヒー豆の収穫をボランティアで手伝っていました。キューバのカストロ国家評議会議長も来ていました。

AALA連帯委員会の一員として国際活動ができたことに、深く感謝しています。



兵庫県AALA連帯委員会は15日(日)14時から、50周年記念学習講演会を県中央労働センターでひらきます。講師は神田米造日本共産党中央委員会国際局次長です。

(2012年4月15日付「兵庫民報」掲載)

東園田九条の会 京大原子炉実験所を見学

あらためて原発ゼロへ

京都大学原子炉実験所
尼崎の東園田九条の会は「原子炉とはどんなものか見てみよう」と4月7日、大阪府熊取町にある京都大学原子炉実験所を見学しました。08年の立命館大学国際平和ミュージアム見学につづき2度目のツアーで、会員14人が参加しました。

広大な敷地に点てんと施設があり、参加者は研究用原子炉棟、放射性廃棄物処理棟などを見学しました。

原子炉棟に入るとき靴にビニールカバーをつけ、代表者には線量計が渡されました。二重扉で厳重に仕切られた円筒型の原子炉建屋に入ると、中央に熱出力5,000kWの研究用原子炉がありました。研究者から「これが制御棒、燃料棒」と実物を見せてもらい、仕組みの説明を聞きました。

実験所建屋内の研究用原子炉
この実験所は、熱エネルギーを発電に使う原子力発電所と違い、建屋中には核分裂で生じる中性子を使った癌治療設備もあり、各種材料分析などいろいろな研究がおこなわれています。

廃棄物処理棟には濃縮された廃棄物の入ったドラム缶が、ずらっと並んでいました。このドラム缶は業者が東海村に運び保管しますが、最終処分場は未定との説明でした。

「原発に比べて小さなこの研究用原子炉でも、廃棄物処理に有効な手段がないという。原発が稼働したら、どれだけの廃棄物がでるのか、考えると恐ろしい。再稼働を許してはならないと実感した」と参加者の1人は感想を語っていました。


(2012年4月15日付「兵庫民報」掲載)

ひなたぽっころりん(490)


(2012年4月15日付「兵庫民報」掲載)

観感楽学

「人間は愚かではない、と信じていたい。すなわち核兵器に別れを告げるはず、と」(作曲家・池辺晋一郎)、「戦争を起こすのも人間、それを許さず止めるのも人間…核廃絶に取組む兵庫県の皆様頑張って下さい」(経済同友会終身幹事・品川正治)など兵庫県での「核兵器全面禁止のアピール」署名運動に賛同する言葉が届いている▼兵庫県ゆかりの各界各分野からの賛同は70人を越えた。「核兵器の開発につながり、子孫に負債を残す原発の廃炉をも訴えたい」(河野太通・全日本仏教会前会長)、「神戸方式を心から支持します」(日野原重明・聖路加国際病院理事長)など。落語家で人間国宝の桂米朝さんからも「核兵器全面禁止に賛成」の言葉が届いている▼核兵器全面禁止の思いは立場を越えて広がり、日本共産党議員がいない神河町議会からも議長はじめ5人の議員の賛同署名が届いた。核兵器廃絶を掲げた平和市長会議に県内の73%の市町長が加入。市町長・議会議長の署名も広がりつつある▼熱い思いが詰まった署名を国連に提出する代表団に橋本銀河さん(26歳・民医連)が参加する。4月27日の出発までに兵庫県のたくさんの署名を託したい。 (K)

(2012年4月15日付「兵庫民報」掲載)

2012年4月8日日曜日

日本共産党と民青同盟が入学式宣伝

ボランティア、『資本論』…期待いっぱい


神戸市東灘区の甲南大学入学式へ向かう新入生に
お祝いを述べながら宣伝する筒井哲二朗衆院兵庫1区予定候補(左)ら

「ボランティアにはぜひ行きたい」「『資本論』を学びたい」―4月2日、甲南大学と園田学園女子大学で入学式宣伝がおこなわれ、新入生の期待に満ちた声がよせられています。

甲南大学の宣伝は東灘・灘・中央地区委員会と民青同盟がとりくみ、筒井哲二朗衆院兵庫1区予定候補も参加。党県委員会が作成したカラー版「兵庫民報」号外(写真下)750枚を配布し、消費税増税問題やボランティアについて対話もはずみました。「『資本論』を読んでみたい」と話す経済学部の新入生は「消費税増税は反対。90年代後半に5%に上げた時に日本の景気はいっきに悪くなったという失敗例がすでにある」と話します。「民青で資本論の学習会もやるよ」と話すと「ぜひいきたい」と連絡先を交換しました。

園田学園女子大でも、カラー版「兵庫民報」号外約300枚を配布。日本共産党尼崎地区委員会と民青同盟が宣伝にとりくみました。

民報号外を活用されたい支部は各地区委員会までお問い合わせください。


















(2012年4月8日付「兵庫民報」掲載)

日本共産党が神戸市予算組み替え提案

暮らし、経済支える自治体本来の編成へ

日本共産党神戸市会議員団は、市議会本会議に神戸市一般会計予算等の組み替え動議を提出しました。神戸市議団の動議の提出は2000年度以来、12回連続の提案です。今回の予算組み替えの特徴は、予算の使い道を大型開発優先から福祉拡充に組み替えるとともに、低迷する神戸の地域経済を内需主導の健全な発展の一歩となる経済施策を提案しています。(党神戸市会議員団事務局・前田明)

矢田神戸市政の10年間は、神戸空港など大型開発を最優先にすすめる一方、財政難を理由に福祉を切り捨ててきました。この10年で市民負担増は敬老パスの有料化や保育料の値上げなど276億円以上にのぼります。また、地域経済対策では、10年でポートアイランド等への誘致企業などに28億円の減税と補助金を投入する一方、既存中小企業への支援には背を向け、大震災被災業者への減税や民間賃貸工場家賃補助はうちきられました。

矢田市長が提案した2012年度予算案では、乳幼児医療費の2歳までの無料化や中学校給食を視野にいれた検討会の設置など「こども署名」や「中学校給食実施を求める署名」運動のひろがりを一定反映したものの、福祉切り捨て大型開発優先の姿勢や、誘致企業頼みの経済政策をつづけています。さらに、四つの外郭団体の赤字処理に対して、海上アクセス航路事業や住宅供給公社の過大な土地分譲事業など、赤字を増やした責任の所在を明らかにしないまま、今後十数年にわたって600億円以上の負債を市民におしつけようとしています。


日本共産党議員団は3月4日から開催された予算特別委員会で、予算案の問題点を厳しく指摘するとともに市長の提案する予算を組み替える動議を15日に提出しました。

柱1:福祉施策復活・拡充へ


議員団の組み替え提案の第一の柱は、削られた福祉施策を復活し、福祉・子育て・医療充実へ転換する提案です。

矢田市長が廃止した、重度障害児(者)福祉年金や生活保護世帯夏冬見舞金等を復活させるとともに、敬老パスは元の無料に復活させます。

また「安心子育て神戸」の実現のため、こども条例を制定し、中学卒業まで医療費を通院ふくめ無料にするとともに、小学校全学年で35人学級を実施。中学校給食を全校で実施するための調査を開始し、(2面に続く)(1面の続き)現在建設改築中の2校で年度内に実施する経費を計上。保育料の値下げや公立保育所建設費、奨学金・就学援助、妊婦・乳幼児、学童保育、児童虐待予防対策の予算増を提案しています。

また「安心医療・健康・介護の神戸」の実現のため、国民健康保険料を一人1万円の値下げ、介護保険料の減額や、介護福祉助成金などによる利用料減額を実施。応益負担による自立支援法よる利用負担を軽減するため、自立支援医療の無料化や障害者福祉を充実。予防検診等の健康づくり予算を大幅に増額するとともに、特別養護老人ホームの建設促進や敬老パスを市内4私鉄にも利用できる予算も提案しています。

柱2:内需主導で地域経済成長へ


組み替え提案の第二の柱は、雇用・所得を増やし、地域経済を内需主導で健全な成長の軌道に乗せる提案です。

中小企業を神戸経済振興の中心に据えるため、公契約条例と中小企業・地域振興条例を制定します。小規模事業者には、整備促進助成や無利子制度なみの融資への利子補給の実施、商店街小売市場には活性化助成を創設します。中学校調理室や空調設置、特養や保育所建設など地元発注の公共事業を増額するとともに、小規模事業所登録を制度化して、地元優先発注をすすめます。さらに住宅リフォーム助成や地域分散型自然エネルギー開発助成を創設し、自治体自らが仕事づくりにとりくみます。

また、人間らしく働き、暮らせる地域社会づくりのため、中小企業向け継続雇用正社員化奨励金を創設、各区に若年者就業支援相談員を配置し、雇用の安定につとめ、企業への啓発・指導の体制も強化します。

このほか、市内産自給率向上で農林水産業振興や、脱原発・低エネルギーと安心防災のまちづくり施策をすすめます。


以上の施策で必要な一般財源は約100億円。神戸空港や医療産業都市への過大な支援予算の削減や、年間3億円にのぼる特定の誘致企業への減税の廃止などで捻出します。

わずか2%の組み替えで


日本共産党議員団の組み替え提案を実施すれば、福祉・子育て・医療の充実と雇用安定にとりくむことで市民の家計所得が下支えされるとともに、中小企業への直接支援と内需型の仕事起こしを自治体自らとりくむことで地域に新しい仕事と雇用が生み出されます。

以上の提案は、市長の提案する一般会計予算7,344億円のわずか2%を組み替えることで実現でき、さらに市債の発行も予算案より20億円以上も削減するなど、福祉充実、地域振興、財政再建を一体的に進める自治体本来の予算編成のあり方を提起するものとなっています。

民主・自民・公明・みんな・たちあがれ日本などが反対


3月29日の神戸市議会において、日本共産党の組み替え動議は大かわら鈴子議員が提案説明をおこない、山本じゅんじ議員が賛成討論を行いました。動議は賛成少数で否決され、神戸市一般会計予算は、民主党、自民党、公明党、自民党神戸、みんなの党、たちあがれ日本の賛成で可決しました。



組み替えのポイント(予算額は重複あり)


福祉充実

削られた福祉施策を復活し、福祉・子育て・医療充実へ

◎矢田市長が削減した福祉施策復活:16億円
◎「安心子育て神戸」:48億円
  • 中学卒業までこどもの医療費無料化
  • 小学校全学校で35人学級
  • 中学校給食の実施
  • 保育所の建設と保育料の値下げ
  • 妊婦・乳幼児・児童虐待対策の強化

◎「安心医療・健康・介護の神戸」:81億円
  • 国保料一人1万円値下げ
  • 介護保険料値上げ抑制、利用料軽減
  • 自立支援医療無料など障害者支援充実
  • 敬老パスの無料化と路線拡充
  • 予防健診など健康づくりの充実
  • 特養ホームの建設推進強化


経済振興

雇用・所得を増やし、地域経済を内需主導で健全な成長の軌道に

◎中小企業を神戸経済振興の中心に:26億円
  • 住宅リフォーム助成
  • 地域分散型自然エネルギー開発助成
  • 整備促進助成と利子補給
  • 商店街・小売市場活性化助成
  • 小規模事業者登録制度

◎人間らしく働き暮らせる地域社会:2億円
  • 継続雇用正社員化奨励金
  • 若年者就業支援相談員の配置
  • 多重債務包括的支援
  • DV相談窓口24時間化

◎市内産自給率向上で農林水産業振興:2億円
◎脱原発・低エネルギーと防災のまち:3億円

財政再建

以上の施策で必要な一般財源:100億円
神戸空港や医療産業都市の事業、特定企業への減税の廃止などで捻出する
不要不急事業の中止で20億円の借金を抑制。福祉を進めながら財政健全化もすすめる

(2012年4月8日付「兵庫民報」掲載)

経済懇談会の案内に150団体を訪問

日本共産党兵庫県委員会は、小池晃政策委員長が出席して5月8日に兵庫県中央労働センターで開く「経済懇談会」を広く案内しようと、岡正信県委員長を先頭に勤務員らが3月22日、29日の2日間を中心に、神戸市中央区内に事務所をおく各種団体約150団体をいっせいに訪問しました。

訪問先は、労組や民主団体をはじめ、弁護士会、農協中央会、歯科医師会など広範な団体です。

民主団体では、「小池さんの話はなかなか聞けない」「だれでも行けるのですか」「チラシを100枚ほしい」「共産党がだした経済の提言は、納得できる。なぜこのようにやれないのかと思う」などと話がはずみました。

「会長は自民党の議員」という団体も「まもなく総会なので、申し入れがあったことは伝えます」と対応。「上部団体が自民党支持」という団体でも「個人として行くのはかまわないので、役員のテーブルにおいておきます」と資料を受け取ってくれました。


(2012年4月8日付「兵庫民報」掲載)

日本共産党障害者後援会が「つどい」開催

消費税増税なしでできる!―社会保障回復・充実へ展望


「消費税増税なしでできる! 社会保障充実、財政危機打開」をテーマに3月25日、日本共産党兵庫県障害者後援会主催の「つどい」が、党中央委員会政策委員会の秋山千尋さんを講師に開かれました。

秋山さんは、なぜ『提言』を出したのかについて―野田内閣は「社会保障と税の一体改革」の名で消費税増税を当然のことのように国民に押しつけようとしているが、民主党の中でも一致していません。国民の多くは「増税の前にむだを削るなど、やるべき事があるだろう」と考えており、「(増税は)将来はやむを得ない」と思っている人も今は「増税反対」の一致点で運動が大きく広がっています。各種のマスコミの世論調査ではどこも増税反対が過半数になっている。そういう中で日本共産党は、消費税を上げなくとも社会保障の財源は出てくると「提言」を出しました。この「提言」は党の自信作です―と紹介しました。

次に「提言」の中身について大枠と核心をつかむことが大切と、社会保障を充実させる税・財政の改革と経済の民主的改革の二つの柱については豊富なグラフなどを使い説明しました。

特に社会保障については―第一段階でこれまで痛めつけられた社会保障を2010年代末までに回復し、その後は第二段階として医療・介護費用や障害者施策の完全無料化などヨーロッパなみに社会保障を充実する。その財源は、ムダな公共投資の削減はもちろんだが、大金持ち・大企業など富裕層に対する様々な優遇税制の是正とともに、所得税の応能負担など国民みんなで考えて産み出すことができます。さらに、経済の民主的改革によって国民の生活は豊かになり、税収も増えてさらに財源は豊かになっていきます―と未来への展望も語りました。

最後に、「障害者自立支援法」を廃止して「総合福祉法」制定を求めた高橋ちづ子衆院議員の委員会質疑を紹介。「さらに国会論戦で党の風を吹かせていかなければなりません」と話をしめくくりました。

参加者から「初めて参加したがよかった」「メディアに教えてもらえないことばかりで勉強になりました」「消費税増税なしでできるということが具体的な話でわかった」などの感想が寄せられました。 (中村雅宥)

(2012年4月8日付「兵庫民報」掲載)

がんばります!衆院小選挙区候補:10区

教育にまともなルールを

兵庫10区 井沢たかのり予定候補

フィンランドの青少年議会議員のメンバーと(右が筆者)
もう、ずいぶん前から、学校と教育の危機が叫ばれ、子どもたちと先生方が大変な苦境に立たされています。「過度に競争主義的な教育環境」(国連子どもの権利委員会)のため、不登校やひきこもり、自殺、発達障害の異常な増加など、深刻な事態をひきおこしています。教員の過労死や病気休暇も増え、定年までとても勤まらない、ということもよく聞きます。

日本の教育に、まともなルールが確立していない、壊されてきた、ということです。自民党、公明党、そして民主党によって壊されてきたのです。そして、子どもたちと先生に、もっとひどいことをやろうとしているのが、維新の会です。

私は、県立神戸聾学校と神戸大学附属特別支援学校で、39年の間、障害児教育に携わってきました。憲法と1947年に制定された教育基本法の理念がこの間にも、どんどん後退させられました。小泉内閣が押し進めた「構造改革路線」のもとで、教育に競争原理と市場原理を持ち込む提案(遠山プラン)がされてから、加速的に教育危機は進行しました。とうとう2006年には教育基本法も安倍内閣によって改悪されてしまいました。

欧米ではあたりまえの教育ルールが日本には確立していません。最近、北欧の教育制度がよく紹介されています。私は2008年に、フィンランドとスウェーデンの教育事情を視察する機会を得ました。どちらも人口数百万人の「小さな国」ですが、日本とは比べものにならないほど、子どもたちと先生は大切にされています。「競争」がないのです。教育費が授業料はもちろん、給食費も無料です。人を大切にしていますから、障害者やお年寄りも手厚い支援がされています。医療費も窓口負担はありません。

日本でも、人に優しい政治を心から望み、消費税の増税ストップ、脱原発、TPPへの参加反対の大合唱で、悪政の暴走を一日も早く止め、日本の社会と教育、福祉にまともなルールを確立するため力を尽くしたいと思っています。

(2012年4月8日付「兵庫民報」掲載)