被害の大きさと深刻さ実感
日本共産党兵庫県常任委員 平松順子
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四倉地域の仮設住宅でのバザー |
11月28日〜30日、東日本大震災女性救援バザー実行委員会が企画した「東北ボランティアと観光を兼ねたバスツアー」に事務局として参加しました。
11月最初にチラシ「福島の子どもたちにクリスマスプレゼント・お年玉を」「厳寒に向かう被災地に防寒着・布団・毛布を」と呼びかけたところ、たくさんの物資と子どもたちへのプレゼントが集まりました。観光バスにその一部(今回積みきれなかったものも、年内に届ける予定です)を積んで神戸を出発したのが28日の午前8時、いわき市のホテルに到着したのは夜9時過ぎでした。
翌十9日はいよいよボランティア活動。バザーを四倉地域の仮設住宅で行いました。私たちの訪問を知らせるチラシが、あらかじめ現地の支援センターから配布されていて、たくさんの方が列をつくって並んでおられたのには驚きました。
党福島県常任委員と新婦人の方たちも支援センターにあった物資を運び込んで合流しました。
9時半から始めたバザーですが、1時間で物資はなくなりました。特にお米と布団・毛布は希望が多く、今回手に入れられなかった方の住所と名前を現地の党町議が聞き取り、後で必ず届けることを約束しました。
今回訪問した仮設住宅は十月末に完成したばかり。広野町から避難の3百世帯が、放射線量が高くてほとんど何も持ち出せないまま入居されていました。厳しい冬に向かうのに、毛布・布団はまだまだ足りず、お米が欲しいという方も多かったのが特徴でした。
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四倉保育所で子どもたちへプレゼントを手渡す |
バザーを終えて、いわき市立四倉保育所を訪問しました。震災前は100人以上いた子どもたちが現在60数人に減っています。この保育所では兵庫県党からのボランティアが以前に除染作業に携わりました。所長さんが「子どもたちが外で遊べるようになったのはそのおかげ」と大変歓迎してくださりました。
私たちは、子どもたちのいる「お遊戯室」に案内され、プレゼントのお礼にと急きょ、子どもたちが踊りや歌を披露してくれました。「激励に行った私たちがむしろはげまされました」と参加者一同大感激でした。「ありがとう、げんきでね」「長生きしてね」との子どもたちの声に送られて保育所をでたのが12時ころでした。
その日は「こけし」で有名な「土湯温泉」に泊まりましたが、3軒に1軒の旅館に「破産宣告」の貼り紙がはられていました。風評被害による温泉街への被害を目の当たりにすることになりました。
翌日、訪れた久之浜は津波被害の跡が生なましく、多くの方が亡くなられたことを聞きました。帰路立ち寄ったJAあいづ「まんまーじゃ」では商品の全ての「線量」を測定しているそうです。
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今回のツアーで、被災地の被害の大きさ、深刻さ、苦しみはまだまだ続くこと、にもかかわらず政府の復興対策・東電の補償の不十分さを実感。被災者の方たちの明るさに、むしろ私たちが勇気をもらい、息の長い救援活動をしなければとあらためて感じました。
(2011年12月11日付「兵庫民報」掲載)