テアトル・エコー公演:神戸演劇鑑賞会12月例会
サーカス団の物語です。サーカス団員が演奏しながら客席に入ってくる趣向です。舞台に上がり、やがて登場人物が動き始めます。
かつて興隆を極めた天才クラウン、フレディの率いるサーカス団ですが、時代の変化に勝てず、客は減るばかり。いまでは運営資金にも困窮しています。
頼みの綱はベルグ男爵夫人。フレディは夫人のところへ金策に走ります。しかし、そこで彼が見たのは殺害された夫人の姿でした。あわて驚くフレディ。
ある考えがひらめきます。この事件を利用し、サーカス団をもう一度立て直そうと。自らが犯人になり、世間を騒がせば注目をあびるだろうと。しかし、事はそう簡単に運びません。
二転三転する犯人捜し。推理をすすめるなかで、複雑な人間関係が展開します。
フランスのヒッチコックと呼ばれているロベール・トマの巧みな作劇と深い人間洞察。合わせてサスペンスも味わえる舞台です。笑って一年を締め括ってはいかがでしょうか。
(小谷博子)
神戸演劇鑑賞会
テアトル・エコー公演「フレディ」ロベール・トマ作、上原一子・小川こういち演出、安原義人・川本克彦ほか/12月11日(日)15時、12日(月)18時30分、13日(火)13時30分/神戸文化中ホール/会員制(会費2カ月前納)、入会金1,000円、月会費3,500円、大学生2,000円、高校生以下1,000円/☎078・222・8651
姫路市民劇場
テアトル・エコー公演「フレディ」/12月9日(金)18時30分、10日(土)13時30分/姫路市民会館/会員制、入会金1,200円、会費月(前納制)2,400円、中高生1,200円/☎079・285・0205
(2011年12月4日付「兵庫民報」掲載)