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2011年11月20日日曜日

福崎町長選迫る

着実にすすむ明るい町づくり
しまだ正義氏でさらに前へ

デイサービスセンターを訪問した、しまだ正義町長(左)

福崎町長選は11月29日告示・12月4日投票で行われます。「明るい福崎町をつくる会」の現職、しまだ正義氏(76)と、前神崎郡町村会事務局長で新人の松岡茂利氏(57)=ともに無所属=との一騎打ちとなる見込みです。

こども医療費無料化は近隣市町の見本に

しまだ町長は4期16年。バブル崩壊後、新自由主義路線で「貧困と格差」が庶民生活を直撃してきた時期に、福祉と教育、子育て支援で町民のくらしを守る「住民が主人公の町政」の先頭に立って奮闘してきました。

2001年、神崎郡内でいち早く町独自の公費負担で拡充した、こども医療費の無料化制度(現在、中学3年生まで通院・入院とも無料)は、「お金の心配なくお医者さんに連れて行ける」「子育てするなら福崎町」と、喜ばれています。今年になって「福崎のように」と制度を拡充した近隣の自治体が相次いでいます。

一人ひとりに行き届いた教育を実施するため、町単独の予算もつけて小中学校教員を増員し、少人数教育を実施しています。05年開館の町立図書館の運営は県の「人間サイズのまちづくり賞」を受賞。昨年には貸し出し冊数で全国8位となりました。

下水道・道路整備など着実に前進

また、「三位一体改革」の地方政治切り捨て攻撃の下で、大規模な公共下水道事業、行き詰まっていた道路事業をすすめ、福崎のまちづくりを着実に前進させてきました。

前町政以来の、もちむぎの館、商工会の不正経理をただし、公正・明朗な町政を実現し町民の信頼を回復したことも大きな成果です。人事・予算編成・入札にしっかりと町長としての主体性をもち、どんな誘惑にもまけず公正・明朗を貫いてきました。

「公正・明朗」「住民が主人公」後退させず

今回の町長選挙に向け、しまだ正義氏と「明るい福崎町をつくる会」は、「福崎町いきいきプラン2011」(案)を発表。幼稚園・保育所の統合型施設である児童園の施設整備、福崎駅周辺整備など「命、くらし、人権を大切に、活力にあふれ、安心・安全で住みよいまちづくりをすすめる」政策を掲げ、ひきつづき町政を担う決意を訴えています。

松岡陣営は大規模な宣伝活動を行わず、町職員OBを中心にした支援者の訪問活動、各区区長への働きかけなどの組織戦、口コミに終始。静かな雰囲気のもとで、組織戦が深く進行して、激しい争奪戦となっています。

「明るい福崎町をつくる会」は、しまだ町長誕生以来つくりあげてきた公正・明朗、住民こそ主人公の町政を絶対に後退させず、発展させるため、あらゆる支援を福崎町へとよびかけています。

(2011年11月20日付「兵庫民報」掲載)

芦屋にも中学校給食を

中学校給食の実現にむけてつどい開く

“全国に誇れる小学校給食だからこそ、中学校にも給食を”と芦屋でも中学校給食の実施をもとめる運動が進んでいます。今年8月、「中学校給食を実現する会」が発足。12月議会提出にむけ、街頭や幼稚園前で署名にとりくみ、11月13日には「中学生の食育を考えるつどい part 1」を開きました。

つどいでは、学校給食栄養職員で豊かで安全な学校給食を目指す大阪連絡会事務局次長の石川友美さんが「食育と中学生の成長〜中学校給食の役割を考える」として講演しました(写真右)。

石川さんは「学校給食の意義は、食べることを学び、食べるものを学ぶ体験型の教育であり、教育を受ける権利として保障していくべき。中学生の食の現状からも役割は大きい」と強調しました。

また、「芦屋の小学校では全8校に栄養教諭や栄養職員を配置し、独自献立の自校直営方式を守り続けていることは素晴らしい。中学校給食導入には財政負担や設置スペースなどの課題もあるが、子どもを中心に教職員・保護者・地域が議論し合意づくりをしていくことが大切」と述べました。

チラシをみて参加したという管理栄養士を目指している2人の女子学生は「勉強になりました」「中学ではデリバリーで冷たかった。温かい給食がほしかった」と話し、若いお母さんからは「学校給食が家庭に食育を還元していくという話はよかった」などの意見が出されました。

今回のつどいは、保育所や学童保育保護者会OBや現役保護者、芦屋母連、新婦人の会芦屋支部、日本共産党芦屋市会議員団などからなる世話人会で準備しました。
森しずか・芦屋市議

(2011年11月20日付「兵庫民報」掲載)

民青同盟が県代表者会議

学ぶことと大きな同盟づくりへ確信

民青同盟兵庫県委員会が11月13日、第52回県代表者会議を開催しました。

はじめに日本共産党兵庫県委員会の堀内照文氏が「3.11後の青年の変化と青年をめぐる情勢」について講演。続いて力重智之県委員長が報告を行いました。

「青年は今の社会の中で“なんとかしたい”と、自分たちの願いの先を探しています。その思いに寄り添い、1緒に実現する展望をつかみ、変えていけるのが日本共産党綱領と科学的社会主義を学ぶことを基本的性格にした民青同盟です。今日の代表者会議では、全国大会決議案を深める立場で、この間の活動をよく振り返り、出会ってきた青年の声や実態、自分やまわりの青年の変化や成長、そして大きな民青同盟をつくっていきたい思いなどを交流しよう」と呼び掛けました。

討論では「政治的・思想的には意見が合わないと思っていた新同盟員がなぜ班会に楽しく来るのだろうと考え、民青の基本的性格である“日本共産党綱領と科学的社会主義を学ぶ”ことが魅力になっているな、と改めて思った」など、学びへの確信と大きな民青同盟をつくることへの確信を深める討論となりました。

11月18日~20日の民青同盟全国大会の代議員を選出しました。

(2011年11月20日付「兵庫民報」掲載)

公立高校の学区再編を考える:識者・関係者に聞く①

教育の機会均等をくずす
土屋基規(神戸大学名誉教授)

兵庫県の公立高校の学区を、現行の16学区から5学区に再編する計画が進んでいますが、その前提となる基本的な問題について、指摘しておこうと思います。

高校通学区は、なぜ設けるのか

公立小・中学校が市町村にそれぞれ2校以上ある場合、その学校を設置する教育委員会が、就学予定者の就学・通学区域を指定することは、よく知られたことです。公立高校の就学・通学区域を県教育委員会が定めるのは、これと並んで高校教育の普及と教育の機会均等を具体的に図るために、制度的調整を行ことによります。

教育の機会均等という原則は、憲法26条に定める国民の教育を受ける権利に基づいて、教育機会の無差別・平等の保障をもとめ、人種や性別、経済的地位など社会的要因による教育上の差別を禁止したもので、新旧の教育基本法にも規定されている教育原則です。

公立高校の通学区は、戦後、1948年に新制高校が発足したときは、①総合制、②男女共学、③小学区制、という3原則に基づき、高等学校の教育を「中学校卒業者で進学を希望するすべてのものにひろく開放されるべき学校」として、進路選択や地域の状況、性別により進学希望の生徒、父母を差別することなく教育を受ける権利を保障することを目指していました。

規制緩和による通学区の弾力化

しかし、1960年代以降の「高校教育の多様化」により原則がくずされ、1990年代には文部科学省通知による「通学区域の弾力化」で、市町村教育委員会による就学校の指定が緩和され、学校選択制が導入されました。公立高校の通学区については、高校進学率の上昇を背景にした選抜方法の多様化や特色ある高校改革、規制緩和の一層の推進を背景として、2001年の法改正により、公立高校の通学区域の設定はそれを設置する教育委員会が行うことになり、全県1学区を含む公立高校の学区再編が進みました。

生徒・父母の学校選択の自由の拡大と特色ある高校改革、ということがその際の主な理由とされるわけですが、大多数の生徒・父母は実際に学校選択できず、学力と経済的能力にすぐれたものだけに選択の自由が拡大され、同一学区の特定の高校への進学競争を激しくさせ、学校間格差を生み出します。

こうした実態は、早い時期に全県1学区に再編成した福島県や、最近の滋賀県の学区再編の事例など、先行する公立高校の学区再編の事例からも明らかです。

通学区域の拡大による交通費負担など地域格差を生み、通学途上での生徒指導上の問題の発生も指摘されています。

広域にわたる通学区の再編は、高校教育の普及と教育の機会均等を1層すすめるものではありません。


(2011年11月20日付「兵庫民報」掲載)

借上げ住宅:「人の命とお金と どちらが大切ですか」

入居者もオーナーも声あげる
日本共産党神戸市議 大かわら鈴子

神戸市灘区の西灘小学校での「借上げ住宅のつどい」
(挨拶するのは味口としゆき市議)=11日

「市当局は、この現状を知っておるんでしょうか。よそへ移転すれば、これまでの生活は破壊されます。もう一度、一から始めよと言うのでしょうか。転居は、命と暮らしにかかわる重大な問題です。市は、15億円の負担を削除しようとして、所有者との契約を打ち切り、住民追い出しを実施しようとしていますが、人の命とお金と、どちらが大切かと問うものです」

「震災時、高齢者は弱者と言われました。弱者は震災で死に、避難所で死に、仮設で死に、復興住宅でも死にました。4回の危機を乗り越えてきた弱者に、5回目の危機が迫っております。議員の皆様に良識と人道的判断をお願い申し上げます」―

これは、今年3月2日の予算議会で借上げ住宅入居者である安田秋成さんが陳述した言葉です。

この陳述の数日後、3月11日の東日本大震災が起こりました。

17年前の阪神・淡路大震災の最大の教訓は、「救われた命を守ること」。そのためにも、生活の基盤となる住宅と住み慣れた地域のコミュニティーを守っていくことです。阪神淡路以降の中越地震や東日本大震災では、「阪神・淡路のように孤独死は絶対にださない」と懸命の取り組みが行われています。

しかし、阪神・淡路の激震地・神戸市や兵庫県は、住宅を失い、終の棲家としてやっと入居できた借上げ公営住宅(今年3月末で神戸市営3千8百戸、県営2千百戸)から被災者高齢者や障害者を追い出そうとしているのです。この政策には命や地域コミュニティーを守る観点は全くなく、マネージメント計画による公営住宅の削減(神戸市7千戸)と経費の削減だけです。震災の教訓にまったく逆行しています。

日本共産党神戸市議団は、入居者とオーナーにアンケートを行い、「9割が住み続けたい」「オーナーも継続を希望」という実態と被災者の切実な思いを議会論戦でぶつけてきました。入居者との懇談会も各地で行っています。

入居者自らも立ち上がり、手書きで切実な実態を思いを込めて書いた「市長への手紙」は百通を越えています。また、オーナーの方々も連絡会を結成し、神戸市との交渉や入居者との連携などを進めています。

議会与党も「継続を国に働きかけること」「転居困難な高齢者等に配慮を」などと言わざるをえなくなっています。

市長は借上げ住宅問題について、自ら答弁しなくなりました。できなくなったといえます。

被災者のための災害公営住宅を神戸市や兵庫県が自ら建設できなかった事態のもと、URや民間の協力を得て建設された借上げ住宅です。入居者を追い出す理由はまったくありません。

「人の命とお金と、どちらが大切ですか?」

命と暮らしを守るために、私たちはがんばります。

(2011年11月20日付「兵庫民報」掲載)

救援ボランティアレポート(第10回)福島県いわき市

仮設住宅入居1カ月、心身も家計も限界
県常任委員 浜本信義

入居の女性と対話する浜本氏(中央)ら兵庫のボランティア

はく息が白くなるほど冷え込む日々が続く11月6日、みたび、福島県いわき市へ向かいました。翌7日、工業団地内にある大熊町からの避難者が住む仮設住宅を「町民アンケート」と要望書を渡しながら訪問。多くの町民は福島第1原発から1.5kmから8km圏内から会津地域のホテルでの一時避難を経て入居して1カ月たらずです。

「仮設の床は冷える。冬が心配」

入居者は「何も持たず避難した。冬用の寝具がいる」「防寒に二重サッシや二重ドアを取り付けてほしい」「介護用ベッドがあり、狭くて押入れに足を入れて寝ている」「仮設の床は冷える。冬が心配」「大熊町の自宅に“帰りたいし、しかし帰れない”。複雑な思いに胸が張り裂けそう」「住み続けられる福島県、いわき市にするには雇用確保が一番。ほとんど仕事がない」など、心身と家計への大きな負担、将来への不安など悲痛な思いが次々出されました。

「線量を計って」

8日、団地内を宣伝しながら“無料線量測定”を百カ所以上で行った郷ケ丘地域に、結果を知らせる「線量マップ」ビラ2千6百枚を配布しました。ビラを見た住民から「2丁目をもっとていねいに測って欲しい」など次々と党事務所に電話が入ったり、車で追いかけてきて「うちにも来てください」と要望する夫妻もありました。

線量測定した住民の方は、「きめ細かく線量測定して安心を与えてくれる」「原発問題に強い共産党を応援します」と話してくれました。

また、庭掃除をしている人などにビラの内容で語りかけると「うちも測って欲しい」となり、「原発問題など頑張っているのは日本共産党だけ。今度の県議選では何としても県会に返り咲いて、住民の思いを議会に届けてほしい」など、対話が弾みました。

放射能の除染と賠償を全面的に

震災・原発事故からすでに8カ月が経って、放射能問題は、日に日に切実さを増しています。この地で安心して暮らし続けるには、なによりも放射能の徹底した測定と除染が急務です。同時に、補償・賠償は距離ではなく放射能汚染のあるなしで決め、あらゆる被害の全面賠償をすることです。原発被害の全面賠償、「原発ゼロ」へ、スクラム組んで頑張る思いを強くしました。

(2011年11月20日付「兵庫民報」掲載)

兵庫県生活と健康を守る会第45回大会

生活保護法改悪に反対

裁判勝利めざし決意を述べる兵庫生存権訴訟の原告団
来年8月結成50周年をむかえる兵庫県生活と健康を守る会の第45回大会が11月13日、たちばな職員研修センターでひらかれました。

大会は「憲法25条をいかし、貧困をなくす大運動を広げよう」をスローガンに、熱心な討論と意見交流がおこなわれました。

夜久明事務局長が、活動経過と運動方針を提案。東日本大震災被災者救援募金を女性部や各地域でとりくみ、総額約84万円を届けたと報告しました。「私の要求」運動では総数888件、月平均74件の相談が寄せられました。

国が老齢加算廃止の根拠にした調査データの文書提出命令が最高裁で審理中の、兵庫生存権裁判について、最高裁あて要請署名を加速させようと提起。また受給制限を設ける生活保護法の改悪案や、借上げ住宅期限問題では、いち早く情報をつかみ運動にしようと呼びかけました。

各地域組織代表が発言しました。「ことし7月に結成。毎月会員が増えている。年内30人突破をめざしている」(加古川)、「通院移送費支給を求め提訴。北海道での不正受給事件が発端になった一律却下は不当。ぜひ支援してほしい」(姫路)、「阪神大震災のとき、全国の仲間から支援をもらった。いまこそ恩返しにと募金と物資を集め5月、福島へ届けた」(兵庫区)などです。

新役員は次の通りです(敬称略)。会長=古沢憲一(新)、副会長=岸本三郎・浜本喜代子、事務局長=夜久明(以上留任)。

また半世紀にわたり会長を務めた野村信生さんが、相談役に選ばれました。

(2011年11月20日付「兵庫民報」掲載)

第4回教育フォーラム 講演と活動交流

子どもの貧困克服へ運動

講演する世取山洋介さん
教育フォーラム「お金の心配をしないで学校に行きたい」(同実行委員会主催)が11月12日、神戸市勤労会館でひらかれ、約80人が参加しました。

子どもたちに深刻な影響をおよぼしている格差と貧困問題の克服をテーマに、第1回フォーラムを08年にひらき、ことしで4回目です。

開会挨拶で兵庫県私立学校教職員組合の藤永啓委員長は、生徒の滞納授業料をやむにやまれず教師が払う実例を紹介。「根本を解決しないと、個人の良心的とりくみには限界がある。日本の政治を変える必要がある」と述べました。

新潟大学准教授でDCI(子どもの権利のための国連NGO)日本支部事務局長の世取山洋介さんが「なぜ起こる『子どもの貧困』、どう甦らせる『子どもの笑顔』」と題して講演しました。子どもの貧困が、新自由主義へ移行する過程の摩擦としてうまれ、教育を経済に従属させたらどうなるかを示しており、複合的な性格をもっていると紹介。「子どもの権利条約をもとに、私たち国民が新自由主義とは違う価値観をつくらなければならない」と強調しました。

つづいて各分野から報告。署名3万筆を集め、検討委員会設置を実現した神戸の中学校給食を実現する会、大阪寝屋川の学校経費公費負担実現の運動、ゆきとどいた教育へ私学助成増額を求める署名運動を報告しました。

(2011年11月20日付「兵庫民報」掲載)

レッドパージ全国連絡センターがアピール

兵庫訴訟控訴審勝利めざし

レッドパージ反対全国連絡センター第6回総会が11月8日、共産党中央委員会でひらかれ、兵庫訴訟原告の川崎義啓さん(94)、安原清治郎さん(90)、大橋豊さん(81)の3人が揃って出席。12月20日から始まる大阪高裁控訴審へのぞむ決意を述べ支援を訴えました。

参加者総意でアピール「真実に背き、憲法を無視した神戸地裁1審判決に抗議し、大阪高裁での勝訴を勝ちとろう」を発表しました。

大橋さんは「裁判支援の輪が大きく広がり励まされている。控訴審では家族を含めた被害実態を明らかにしたい」と語っています。また裁判を支える募金も呼びかけています。

(2011年11月20日付「兵庫民報」掲載)

核兵器のない世界へ:日本原水協国連要請団レポート(上)

各国代表を訪問し要請
垣本 聖

ニュージーランド政府代表(右)に
非核「神戸方式」紹介文書を手渡す
垣本聖さん(中央)
原水爆禁止日本協議会の国連要請団(高草木博団長、16人)に兵庫県原水協代表として参加し、10月2日から10日間、アメリカ・ニューヨークの国連本部へ行ってきました。

私たち要請団の活動内容は、軍縮と安全保障問題を話し合う国連第1委員会の傍聴と、同委員会に「核兵器全面禁止のアピール署名」を届けること、各国政府代表部を訪問し核兵器禁止条約の交渉開始を要請すること、そしてアメリカの反核平和団体や活動家との交流です。

まず国連第1委員会の傍聴で印象的だったのは、開会のとき、軍縮問題担当上級代表のセルジオ・ドゥアルテさんが、挨拶で「ジャパニーズゲンスイキョウ」と私たちの署名運動を紹介してくれたことです。

「核軍縮への活動がバラエティにとんでおり、市民運動や民主主義のもとで広がっている」と述べました。

また「安全な環境や安全な世界になってからやるのではなく、国みずからが核兵器をなくすと決めてとりくむことが必要です」とも語りました。冒頭から熱い演説内容でした。

各国代表部訪問では私たち代表団の要請文を渡し、核兵器廃絶とともに、原発ではなくそれにかわる新しいエネルギー政策もすすめていることを伝えました。主にキューバ、ロシア、ニュージーランド、エジプトなどの国を訪問しました。

キューバ、ニュージーランド、エジプトは核軍縮に対し「それぞれの国で核兵器をなくすことが優先課題」という考えです。特にキューバは「人類存続のためには核兵器のない世界が必要だ。期限を切った解決が、いままさに求められている」と語っていました。

ニュージーランドも「みなさんの要請内容は、私たちがとっている政策にそっている。核軍縮をすすめていくのにNPT(核不拡散条約)は最高のもの」と話していました。

これらの国は、私たちの要請と一致する点が多く、世界で核廃絶への流れが起きていることを実感しました。
つづく

(2011年11月20日付「兵庫民報」掲載)

アスベスト被害からいのちと健康を守る尼崎の会が総会と相談会

「アスベスト被害からいのちと健康を守る尼崎の会」は11月5日、尼崎労働福祉会館で第7回総会を開き、115名が参加しました。

総会の第1部では、立命館大学の森裕之教授が「日本のアスベスト問題とクボタ裁判の意義」と題して講演。国が、簡易水道を拡大し、その中でアスベストを使った水道管の使用を進めたこと。クボタを含む3社でアスベストを使った水道管の生産をまかなったこと。建築基準法等の改訂で建材にアスベストが多用されるようになったこと、ヨーロッパやアメリカで規制が始まっても日本は規制を怠ってきたことなど、具体的な事実に基づいて、国とクボタの責任を明らかにしました。

第2部では、あいさつに立った船越正信会長が「クボタが認めただけでも424人が中皮腫や肺がんにかかり、320人が死亡」「そのうち周辺住民が247人」であることを指摘し、クボタの旧神前工場の周辺への大きな影響について述べ、「引きつづきアスベスト裁判の傍聴参加を」と呼びかけました。

このほか裁判の経過と今後の取組みが報告され、新役員体制が決まりました。


13日には「アスベスト被害法律・労災・医療相談会」を開催。3組の方が相談に訪れました。

内容はすべて健康相談。クボタ旧神埼工場の南700mあたりでずっと暮らしている方は、夫が悪性中皮腫で余命6カ月、妻も妹もプラーク(胸膜肥厚)が見つかっており、家族みんなが発症と死の恐怖に直面するなど、クボタが周辺に飛散したアスベストによる深刻な健康被害があらためて浮き彫りとなっています。(瀬戸恵子・尼崎医療生協)

(「兵庫民報Web版」のみ掲載)

寺井美津子モダンダンスリサイタル

それぞれ踏み出す一歩 踊りに
藤田佳代舞踊研究所 12月3日・神戸朝日ホール

「一歩また一歩」を踊る寺井美津子さん(右手前)たちダンサー

藤田佳代舞踊研究所の寺井美津子さんがモダンダンスリサイタルを12月3日、神戸朝日ホールでひらきます。99年、05年につづく3回目です。

寺井さんは4作を振り付けました。「歌わない鳥」は、環境破壊を告発したレイチェル・カーソン著「沈黙の春」に触発されてつくりました。「はないちもんめなんて大きらい」は、子どもの遊びのなかにある残酷な面を描きます。

「埋み火」は表面に見えなくても、ひとたび風が起これば燃えあがる隠れた火を踊りにしました。親指ピアノ奏者、近藤ヒロミさんが自作を生演奏します。

「一歩また一歩」は、とにかく、いまいるところから一歩踏みだそう。小さくても、横でもいい、という思いを込めました。探る、よろける、転がるなど、さまざまな一歩の群舞です。創作したのは東日本大震災前でした。

「もう、震災と無関係に踊れません。でも声高に頑張ろうと呼びかけるのではなく、亀の歩みかもしれませんがもっと日常的な、それぞれの一歩を重ねてほしい、そう願い踊ります」と話す寺井さん。ヴァイオリニスト佐藤泉さんがバッハ「無伴奏パルティータ3番」演奏で共演します。

研究所の若手や子どもたちと一緒に、藤田佳代さん作舞「今日のこの空ほしいひと さいしょはグー」も踊ります。


寺井美津子モダンダンスリサイタルⅢ/12月3日(土)17時30分/「はないちもんめなんて大きらい」「埋み火」「一歩また一歩」ほか/演奏:佐藤泉(ヴァイオリン)、近藤ヒロミ(親指ピアノ)/神戸朝日ホール/3,000(当日3,500)円/☎078・822・2066

(2011年11月20日付「兵庫民報」掲載)

ひなたぽっころりん(480)



(2011年11月20日付「兵庫民報」掲載)

党勢拡大大運動のとりくみを交流

日本共産党兵庫県委員会は11月13日、神戸市内で「党創立90周年をめざす党員拡大を中心とした党勢拡大大運動」の全県の交流会議を開催し、約230人が参加しました。「大運動」を全支部の運動へ発展させようと、活動経験が生き生きと交流されました。

討論では、13人が発言しました。

  • 「職場支部の後継者づくりで、『今なら間に合う』との立場で対象者を出し合い、対象者をさそって『集い』を2回開いた」
  • 「青年支部から地域支部に転籍してきた若い党員の結びつきで、青年を党に迎えることができた」
  • 「『楽しい仲間つくり』をテーマに、支部委員会の充実、支部ニュースの発行、何でも話せる場をつくるなど、支部の活動改善をはかっている。また、対象者と日常気軽に党を語り合える場も立ち上げた」
  • 「行政区で『成長・発展目標』と政治目標を繰り返し論議し、党規約にもとづく原則的な支部活動の確立をすすめて全支部、全党員の取り組みに広げようと頑張っている」
  • 「いっせい地方選で自力不足を実感していたが、『大運動』の提起をうけて、『なぜ党員拡大か』、『党らしい支部づくりと一体で』と議論を進めてきた。党員拡大を個人まかせにせず全員で取り組むこと、気軽に真剣に入党を訴えることなどを決め、足を踏み出している」
  • 「記念講演ダイジェストDVDを使った『出前集い』で党員を迎えた」
  • 「『大運動』に取り組んで情勢の変化を実感した」

——など、苦労しながらも楽しく「大運動」に取り組んでいる経験が生き生きと語られました。

最後に岡正信県委員長が「11月、TPP反対のたたかいをはじめとした国民的闘争に大きく打って出るとともに、『大運動』で前進、飛躍をかちとり、4中総を迎えよう」と呼びかけました。

参加者から——

  • 「素晴らしい発言ばかり。委員長のまとめも現局面での党の果たすべき役割と綱領実現、民主連合政府への決意が伝わった。どう伝えていくか、実践するかが問われた交流会で意義深いものでした。新たなエネルギーをもらいました」
  • 「楽しい発言であったが、そこにいたるまでには日々の大変な苦労があったのだと想像します。活動は未来社会をみすえたものであるから、本来夢とロマンに満ちているものであるから、楽しくてたまらないものであるはず。発言を聞いてその原点にハッと気付かされた。とても有意義なものだった」
  • 「党を大きくしたい。その手立てを考えている。発言と県委員長の行動提起にこたえたい」
  • 「なかなか一歩を踏み出せない状況であるが、行動を起こし、皆で成長して『大運動』を成功させたい」

——などの感想がよせられました。

(「兵庫民報Web版」のみ掲載)

観感楽学

『原爆症認定支援新聞』が発刊百号を迎えた。「原爆症」は原爆による健康障害の総称で「原子爆弾症」の略称。国(厚労省)は、被害と責任を小さく見せたいために、被爆者22万(兵庫県約4千3百人)のうちわずか1%程度しか認定しない。そのため、却下処分の取り消しを求める集団訴訟が起こされた▼兵庫県でも2003年5月、大阪、京都とともに大阪地裁に提訴。同年9月、原爆症訴訟支援ネット・兵庫が結成され、その機関紙として始まった(07年2月)。百号分がまとめられた冊子には、裁判傍聴はもちろん、被爆者相談会、原爆症認定申請などで語られる被爆者の怒り、無念さ、苦しさが、被爆者や弁護団の写真とともに掲載されている▼高齢で重病の被爆者の苦しみを見捨てる国の責任がきびしく告発されている。同時に、被爆体験を語り継ぐ青年、若手の弁護団の活躍などが紹介された新聞は、インターネットで全国に発信され希望と勇気を広げてもいる▼編集人の大西正介さんは、「支援ネットの会員になって新聞を手にとってほしい。被爆者に一日も早い春を手渡したい」と呼びかける。支援ネットは☎078・341・2818(K)

(2011年11月20日付「兵庫民報」掲載)