学習会続け原発阻止した経験も学ぶ
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渡辺町議(こちら向き)の説明で高浜を見学する参加者 |
十一月六日、兵庫県の学生たちが福井県で原発フィールドワークを行いました。
はじめに、福井県大飯原発のPR館を見学。立派な模型があり、原発の発電のしくみを映像とともに詳しく紹介していました。
次に高浜町議の渡辺孝氏の同行で高浜原発を見学。中には入れませんが外からでも冷却水の出入りの様子が確認できます。温排水の付近には漁船がたくさんとまっており、いかだを浮かべて釣りをしていました。
渡辺氏は「本当はあそこは近づいたらあかんところなんやけど、関電もおおめに見てるんや。現地の住民の反発をおさえこむためや」と話します。
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中嶌住職(中央)から話をきく参加者 |
最後に、七〇年代からずっと原発の反対運動をしてきた、小浜市の明通寺住職の中嶌哲演氏に話をききました。
中嶌氏は「原発の立地の動きがでてきたときから辺境の地に建てることになっていた。このことからも“危ないから都会にはつくらない”という意味が読み取れる。私たちは反対署名を住民の過半数集めて小浜には原発はつくらせなかった。となりの高浜町でも町長選挙で原発慎重派がもうすこしで勝つところまでいったけど、推進派が住民票を六百人も大量に移すということをやった結果推進派の町長が誕生したという経過がある。福井県民は黙って原発を受け入れたのではない」と話しました。
学生からの「反対運動は自然発生的におこったんですか?」との質問に中嶌氏は、「三つのオブザーバー団体と六つの団体で“小浜市民の会”を結成して反対運動を展開。中でも大きな力になったのは青年三十人が集まっていた“原電研究会”という勉強会で、毎週二回集まり各新聞社の原発に関する記事などで学習していました」と説明。
「今日は若い学生のみなさんにお話しできてよかった。原発問題をのりこえるためには自然科学の領域ももちろん大事ですが、社会科学や人文科学といった分野の知識も大事だと思います。ぜひこれからも学んでいってください」と学生を激励しました。
原発フィールドワークで初めて民青のとりくみに参加した学生は「これまで原発はニュースでみているだけで自分の問題ではなかったけど、何も知らないまま重大な問題がすすめられるのが怖いなと思ったので参加しました。これからもいろいろ考えていきたいです」と感想を話しています。
(2011年11月13日付「兵庫民報」掲載)
*明通寺の中嶌哲演住職のお名前を間違えていました。おわびして訂正いたします。(2011年12月6日記)