東日本大震災6カ月:雇用促進住宅の被災者を訪問
日本共産党兵庫県副委員長 森勇治
「いつ、もどれるのか」
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「原発ゼロ」署名を訴えるボランティア |
日本共産党兵庫県委員会の第六次救援ボランティアは、台風12号の日本列島への接近・通過のなか、二十五歳から七十五歳までの男女十人が九月二日から五日まで、福島県いわき市内の共同センターを中心に、被災者が入居する雇用促進住宅の訪問・相談活動などをおこないました。
ボランティア十人は、暴風雨のなか二日朝、神戸からマイクロバス一台で名神・東名・常磐道など高速道路を北上。高波で水しぶきをあげる海岸線、視界がほとんどなくなるような豪雨にであいながらも、二人のベテラン運転手の安全運転で十一時間後の午後七時に到着しました。
ミーティングと夕食のあと、汗を流しに訪れた銭湯では、経営者の男性が「どちらからボランティアに」と質問。「神戸です」と答えると、深々とおじぎをして、「そんな遠くから。いただいた支援に、どう恩返しができるのか、いつも考えています」と話していたのが印象的でした。
翌日、飛び込みのように訪ねた、いわき市の下白神雇用促進住宅では、訪問にあたってあいさつにうかがった自治会長が「よくきてくださいました」と大歓迎。自治会としても個別に相談にのっている入居者もあることを紹介し、「よろしくお願いします」と依頼を受けました。
「放射能が心配」
四組に分かれて訪問しました。
「漁師をしていたが、仕事がなくなり、毎日不安」「いつ、もとの町にもどれるのか、早く見通しを示してほしい」「子どもがいるので放射能汚染が心配。細かく調査をして知らせてほしい」
――不安や要望などが堰を切ったようにだされました。
「原発ゼロ」の署名をしてもらうとともに、力をあわせて国や県にも働きかけていきましょう、と対話しました。
「クーラーも網戸もない」
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第6次ボランティア参加者 |
同住宅はエレベータのない四階建てで六棟、百六十戸です。
「七人家族で住んでいる。もう一部屋あれば」「足が不自由だから一階に移してほしい」「駐車場がなくて困っている。空き地もあるので駐車場を確保してほしい」「まだクーラーがつかない。網戸もなくて困っている」
――など住環境の改善を求める要望が数多くだされました。地元の市議さんらとも連携をして一つひとつの要望の解決へ力を合わせていきましょうと話しあいました。
「罹災証明がどうなっているのかわからない」「被災後、すでに家主が解体している。借家でも支援金はでるのか」
――と支援制度についても質問が寄せられました。支援制度の「てびき」も示し、借家であっても必ず罹災証明をもらっておくことを説明しました。
どういう支援制度があり、だれに適用されるのかなど、十分な説明が被災者一人ひとりにゆきとどく行政のていねいな対応が求めらることを痛感しました。
「共産党に感謝」
「避難所のときにもきてくれたのは共産党だった」「共産党には感謝している」と期待の声も多くだされました。
党のボランティアの姿を見て、いわき双葉地区委員会が以前に配布していた「被災者アンケート」にびっしり書き込んだ用紙をもって届けてくれる人もあり、みずから被災しながらがんばる地元党組織と党員の奮闘ぶりと、党の救援・復旧活動への期待の強さを感じさせられました。
(2011年9月11日付「兵庫民報」掲載)