借上住宅からの追い出しやめよ
 |
質問する味口議員 |
神戸市定例市議会最終本会議が七月五日に開かれ、日本共産党議員団を代表して味口としゆき議員が議案外質問に立ち、矢田立郎市長らの政治姿勢をただしました。
エネルギー問題
自然エネルギーの活用策が、日本各地でも広がっています。味口議員は、原発事故の現実を直視し、関電の株主として関電に原発からの脱退を求めるよう迫るとともに、太陽光、小水力、地熱、波力など、自然エネルギーの普及・促進、低エネルギー社会への移行を総合的に検討するため、市民を加えた検討委員会を設置すべきだと求めました。
矢田市長は、原発について「中長期的には、原発に依存しない電力供給が必要」と、世論を意識した答弁をしました。従来のマスコミ報道からは、一歩前進とはいえます。しかし、同時に「速やかにというのは実現性がない」とも語っており、「中長期的」がどれくらいなのかについて言明を避けています。
被災者支援と災害対策
東日本大震災から四カ月近くたちますが、被災者は今も厳しい生活を強いられています。また、原発事故もいつ収束するか、めどもたっていないのが現状です。
味口議員は、福島県いわき市で聞いた被災者の声を紹介しながら、日常から福祉や医療を大切にした市政を進めることこそが、災害につよい自治体、地域をつくると指摘。中央市民病院が阪神・淡路大震災の時、機能が発揮できなかったにもかかわらず、さらに海に近い地域に移転したことも含め、災害時の拠点となる医療機関が、海岸近くに集中していると指摘。海岸から離れている西市民病院や西神戸医療センターなどの機能強化を求めました。
阪神・淡路大震災の被災者が生活している民間借上災害公営住宅入居者に対して、神戸市は今も「二十年の期間」を口実に、退去を求める姿勢を変えていません。
味口議員は、灘区内にあるすべての借上住宅を訪問して聞いた、「ここから出ていけというのは、死ねと言われるのと同じ事や」との八十二歳の入居者の訴えや、「神戸市は、牛や馬でも放りだすようなやり方をする」「入居する時は、二十年なんて、説明もなかった」などの声を紹介しながら、「市長として第一にすべきことは、住み慣れた住宅でのコミュニティを壊さないことではないのか」と批判。退去させるという方針の撤回を求めました。
中学校給食
中学校給食について味口議員は、未実施の川崎市でもことし三月議会で「政令指定都市では本市のほかに横浜市、堺市、神戸市だけとなる」と早期実現を求める決議を全 会一致で採択したことや県内でも明石市、加古川市、上郡町などで検討が始まっていることをあげ、神戸市での完全給食実施をと、市長に詰め寄りました。
(2011年7月14日付「兵庫民報」掲載)