Web版の発行はしばらく休止します

「兵庫民報」編集部は2012年11月から専任1人で続けてきましたが、その1人も2020年末で退職し、2021年1月からは嘱託となりました。編集業務の整理のため、「兵庫民報Web版」はしばらく休止いたします。それにともないTwitterへの転送も休止します。 紙版の通常号のご購読をお願いします。

2011年3月27日日曜日

志位和夫委員長が4月2日、元町で街頭演説

日時:4月2日(土)午前11:40
会場:神戸・元町 大丸前(街頭演説)
弁士:志位和夫委員長ほか
主催:日本共産党兵庫県委員会

新町みちよ県議と星原さちよ県議のブログがはじまりました

ブログ「新町みちよ県政だより」がはじまりました。


県議会報告や地元・明石での活動・政策などを紹介します。

URLは、http://sinmatimitiyo.blogspot.com/



ブログ「星原さちよの県会だより」がはじまりました。

県議会報告や地元・加古川での活動・政策などを紹介します。



くらし・安全 いちばんに

大震災被災者支援と選挙勝利へ全力

日本共産党は、東日本大震災の被災者支援と、予定どおり行われるいっせい地方選挙(県議選・神戸市議選四月一日告示‐十日投票/一般市議選四月十七日告示‐二十四日投票/町議十九日告示‐二十四日投票)での勝利へ向けての取り組みとを一体として全力をあげています。


写真:13日、六甲道駅前で東日本大震災救援募金の訴えをする灘区の味口としゆき神戸市議候補(中)と福田こうじ県議候補(その右)

(2011年3月27日付「兵庫民報」掲載)

避難者受け入れや減反中止を―兵庫県へ要請

日本共産党兵庫県議団と県委員会東日本大震災救援本部(堀内照文本部長)は十八日、県知事に対して「被災者救援および災害対策についての要請」を行いました。

ねりき恵子県議団長は、「県も奮闘していることは報告を受けて知っていますが、気が付いた事、街頭などで寄せられた声に基づいて、県の力を発揮して欲しい項目を挙げました」とし、「被災地の家族と連絡が取れないとか、学生生活がどうなるかなど泣きながらも募金をしてくれる人が少なくありません。県に相談したら対応してくれるといえる窓口を設置し、広く知らせて下さい。また、学費減免を早く決定し、安心させてあげて欲しい」「建築資材などの値上がり、中古のトラックが百万円近く値上がりしたという話を聞きました。こうした混乱も防止するべき」「有数の米どころが被災したのですから、減反をやめて食糧確保を。今なら種籾が間に合う」と主旨を説明し、「今後も情報提供や提言などを行い、被災者救援に協力したい」としました。

対応した木村光利防災監は、「阪神・淡路大震災の経験をいかし、恩返ししたい」「私たちが気付かなかった事も多く含まれており、貴重な提言として承りたい」と答えました。

要請項目

一刻も早い被災者救助・救援のために
  • 1 阪神・淡路大震災や台風による洪水被害での経験をいかし、県の総力をあげて被災者の救助・救援最優先の支援活動を行うこと。そのために職員派遣はもとより、被災地が必要とするあらゆる措置を講じること。
  • 2 現在、事業所からの大口物資提供について、自社で被災地まで届けることとしていますが、被災地および近隣地域は交通規制もあり、できるだけ県としてとりまとめ、一括して被災地に送る措置をとり、企業に対して積極的に支援を呼びかけること。
  • 3 県として、兵庫県出身者の安否確認(受験生含む)を早急に行うと共に、被災地からの来県者の心配や不安、悩みを解決する相談窓口を設置すること。また、本県に避難を希望される被災者については、速やかに受入れ、公営住宅の提供等便宜を図ること。
  • 4 被災地出身の学生は授業料等を減免するなど、最大限の配慮を行うこと。
今後の支援のために
  • 5 政府に対し米の生産調整を中止するよう要求し、種籾確保をはじめ、兵庫県が率先して実行すること。
  • 6 物資不足に便乗した値上げなどをやめさせ、健全な市場を確保するよう政府に要請し、県としても手立てを講じること。
今後の災害対策にむけて
  • 7 原子力産業推進を見直すこと。
  • 8 この間推進してきた土木事務所をはじめとする県機関の統廃合、病院統廃合等を見直すこと。



写真:兵庫県へ申し入れるねりき恵子県議と党県委員会東日本大震災救援本部の金田峰生事務局長

(2011年3月27日付「兵庫民報」掲載)

神戸市議団 市に被災者支援要請

影響受けた神戸市内中小企業の支援も


日本共産党神戸市議団は二十二日、東日本大震災被災者の支援を求め矢田立郎市長に要望書を提出しました。要望項目は次のとおりです。

  • 1 支援物資の受け入れ窓口を各区役所に設け、被災地に届ける対策を講じること。
  • 2 避難所運営を支援する職員の派遣数を増やし、避難所での生活支援を強化すること。
  • 3 医療関係者の派遣を増やすとともに、医療が必要な被災者を、市民病院群が率先して受け入れること。
  • 4 被災者を受け入れるための市営住宅を大幅に増やすこと。
  • 5 震災による影響を受けている、神戸の中小企業にたいする支援策を検討すること。
  • 6 今後、神戸市の防災計画の見直しを検討すること。


(2011年3月27日付「兵庫民報」掲載)

原発推進の立場改め三菱に商船建造継続求めよ―神戸市へ要請

日本共産党神戸市議団、県議団、兵庫県委員会、兵庫長田北地区委員会は連名で三月二十二日、矢田立郎神戸市長に、「東日本大震災をふまえ、原子力産業応援の姿勢をあらためるよう求める」要請を行ないました。

昨年、三菱重工神戸造船所は、商船建造部門を他の造船所に統合し、神戸では原子力発電関係と潜水艦建造に特化することを表明していました。

日本共産党は、地域経済に大きな責任をもつ企業として商船建造撤退を中止するよう三菱重工に働きかけることを神戸市長に要請しました。しかし、市長らはこの間の議会で「企業の経営判断によるものだ」と答弁するなど中止を求める姿勢を示しませんでした。原子力発電製造についても、三菱重工の主張そのままに「成長産業である」と期待する態度をとってきました。

今回の要請では、東日本大震災による東京電力福島第一発電所事故により、この間の神戸市の姿勢が誤りだったことは明らかだと指摘し、次の二点を要請しました。

  • 1 東日本大震災を受けて、国に原子力発電・産業応援の態度の転換をもとめ、自らも反省し改めること。
  • 2 三菱重工神戸造船所の商船建造部門の撤退を行なわないよう強く要請すること。


(2011年3月27日付「兵庫民報」掲載)

かえるネット兵庫が大震災救援募金

被災地への共感と募金次々

「十六年前の震災では、全国の支援に励まされた。今度は、私たちが被災地のみんなを励ましたい」と民青同盟兵庫県委員会、日本共産党と一緒に日本をかえるネットワーク兵庫は、東日本大震災の翌日から連日、募金活動をおこなっています。

三月十四日は神戸大学の入学手続きの日。阪急六甲駅前で募金の呼びかけをしました。「どちらがとりくんでいるのですか?」と声をかけてきた青年に、「日本共産党と民青同盟です」と答えると、「ありがとうございます。私は山形出身なので」と募金に応じてくれました。メンバーが「みなさん、ご無事でしたか?」と聞くと、「家族は大丈夫だったけど、宮城の友だちと連絡がとれていません」と複雑な表情で話していました。

また、寄金してくれた新入生は「地震のときに横浜にいて、すごくゆれてこわかった」と話しました。大学では建築を学びたいというその新入生は、「地震に強い街づくりを考えたい」と語りました。

十九日には、JR元町駅前で、十人で寄金を訴えました。この日は、メンバーの知り合いで加古川に住む二十歳の学生が「被災して苦しむ方の力になりたい」と参加。懸命に寄金をよびかけました。応じる人の中には、「東北に知り合いがいるけど、家が半壊でたいへんそう」と言う人もいました。

二十一日には、公立高校の合格発表にあわせて、JR灘駅前で対話と募金活動をおこないました。「合格しました」という受験生は、募金箱をみて、十円硬貨を握りしめ、「東北の方は、本当にたいへんそう。もっとしたいんだけど、これ以上、募金すると電車賃がなくなる」といいます。「いまは、現地には行けないけど、この被災地神戸からもできることをしようと募金活動をしているよ。一緒にできることからはじめるボランティア登録をしているけれど、よかったらどうかな?」とよびかけると、「ぼくも何か力になりたい」と登録してくれました。

民青同盟北阪神地区委員会は、宝塚と伊丹で募金宣伝をおこなっています。

かえるネット兵庫や民青同盟がこれまでに集めた寄金は三十万円を超えています。今後は募金とあわせて、神戸・兵庫でできることからとりくむ「ボランティア登録」もよびかけ、条件がととのえば現地への派遣も検討しています。

写真:元町駅前での募金(13日)

(2011年3月27日付「兵庫民報」掲載)

「駒どり昼食会」幕閉じる

独居高齢者に食事提供し20年

最後の給食サービスになった3月10日
「家庭の延長のように食事ができたら」―神戸市長田区南部の高齢者を対象に20年間、季節感あふれる、心づくしの食事を提供してきた「駒どり昼食会」(加島みち代会長)が3月10日、幕を閉じました。参加者からもボランティアからも名残りを惜しむ声があがっていました。

長田区駒ケ林4丁目の民家1階を借り「駒どり昼食会」が始まったのは91年1月10日でした。「長田に特別養護老人ホーム建設をすすめる会」が運動の一環として、当初は毎週木曜日実施でした。

「寂しくなる」と話す
広サツキさん(左)、
浦井つや子さん
毎回約30人分を、地域のボランティア15人ほどが前日から準備し調理。本人負担は250円でした。神戸市の補助が決まるまで、後援会員が家賃や光熱費などの経費を支えました。

その後、駒ケ林1丁目の古い民家を購入し移転。00年4月には社会福祉法人駒どりの家として宅老所を週5日開いています。

「駒どり昼食会」の名付け親は会長の加島さん(85)。月曜に献立を決め、火曜に買い物、水曜に下ごしらえをつづけてきました。

しかし市の助成金削減で05年から月3回、06年から月2回に、自己負担を300円に値上げしました。ことしからは月1回でした。

昼食会設立当時の事務局長だった大橋豊さん(前列右端)、
駒どり昼食会会長の加島みち代さん(その左)、
ボランティアのみなさん
中止決断の要因は、加島さんら主要メンバーの高齢化でした。

開設時からボランティアで参加した広サツキさん(93)は「いっぺんもえらいと思ったことはない。20年ほんとに楽しかった。寂しくなる」と言います。

「ここに来るのが楽しみでした」と話す浦井つや子さん(97)。加古川の家を17年間、朝6時に出てきた苅田かよ子さん(71)はこの日、自作のマドレーヌを献立に加えました。「教えられることが多かった。みんなができることをやり、補い合ったからこそつづけてこられた」と言いました。

駒どりの家代表の福井初美さん(59)ら職員4人も木曜休日を返上し、昼食会をボランティアとして支えてきました。

加島さんは「100食作ったこともありました。前日6升のお米を2時間かけて洗いました。休んだのは目を手術したときの1回だけ。もうちょっとつづけたかったけど、もうむり」と笑いました。

(2011年3月27日付「兵庫民報」掲載)

宝塚での山下参院議員の訴えから

被災者支援に全力あげる
日本共産党を伸ばしてください


山下よしき参院議員が、三月十六日に宝塚ホテルで開かれた日本共産党大演説会で行った演説から東日本大震災に関連する部分を紹介します(文責編集部


東日本大震災は、地震と津波に原発事故も加わり、経験したことのない複合災害という様相を見せています。

被災者にお見舞いと哀悼の意を表します。

現局面で一番大事なことは、行方不明者の捜索と救助、避難者の救援だと思います。

この任務の第一線にあたるべきは政府です。日本共産党はあらゆる協力を惜しまないと震災当日から表明しています。

同時に、不十分な対応がすでに現れていると言わなければなりません。

特に、原子力発電所の事故については、炉心溶融という非常に重要な事態が進行しているにもかかわらず政府の対応は後手後手です。多大な人々の命と健康に影響を及ぼしかねない事態が進行しているのに、当初、総理、官房長官は状況を把握できていませんでした。これは問題だと、率直に志位委員長から政府に問題を提起しました。

あらゆる原子力関係の科学者の知恵と力を結集し、事態の把握と、危険の除去、安全対策をはかるべきことも申し入れました。

いま、私たち国民みんなが力を合わせてこの問題を乗り切っていく必要があります。

阪神・淡路大震災の時に全国からボランティアに来ていただきましたが、私たちの党としても、現地の状況に応じたボランティアを募集して派遣をすること、そして救援募金はすでに取り組んでいますが、このように国民みんなが力を合わせて支援を強めたいと思います。ぜひご協力をお願いします。

もう一つ、今回の震災に関連して提案したことがあります。それは、これだけ未曽有の大災害なのだから、目前にせまっているいっせい地方選挙について、全国的規模で選挙の延期をするべきではないかと提案しました。

しかし、自民党は、選挙の延期は被災地だけにすればいい。公明党も、すでに準備を進めているから被災地だけ延期すればいい。いくつかの小さな党は、そのとおりだ、いま選挙をやっている場合ではないと賛同を得ることができました。しかし、民主党も、しかたがないということで、被災地だけの延期が昨日決まりました。

残念ながら被災地以外では延期しないと決まった以上、私たちは、被災地支援にも全力を尽くし、同時にいっせい地方選挙にも全力を尽くします。

被災者の支援をどの党よりも真剣に考えて提案している日本共産党がいっせい地方選挙で伸びてこそ、支援も本当に中身のあるものになると頑張っています。どうぞ、よろしくお願します。


(2011年3月27日付「兵庫民報」掲載)

民医連が医療班を派遣:東日本大震災

東日本大震災で、兵庫民医連は対策本部をおき、医療支援チーム派遣にとりくんでいます。

神戸健康共和会の第1次支援班3人は3月13日、新幹線とマイクロバスを乗り継ぎ、宮城県入り。第2班は医薬品などを積み、ワゴン車で出発しました。

その後も5人編成1週間交替の支援班を毎週送り出しています。

現地では宮城民医連長町病院(仙台市)の医療活動を助け、小学校など避難所で発熱や疲労、精神不安、寒さを訴える人たちの支援にあたっています。

藤末衛理事長は、宮城県につづき岩手県にも入り、全日本民医連会長として、東京を拠点に対策本部の指揮をとっています。

健康共和会では義援金とともに、被災地へ届ける寄せ書きを呼びかけています。集まった義援金は3月19日現在約180万円です。

「阪神・淡路大震災の経験を生かし、早く、しかも長期的な支援を心ひとつにとりくもう」と呼びかけています。

写真:被災地へむけ出発する神戸健康共和会第2次支援物資輸送隊の5人=3月15日

(2011年3月27日付「兵庫民報」掲載)

神戸市議会:予算編成のあり方改めよ―段野議員が総括質疑


借上住宅で退去迫りながら神戸空港には市民の税金


日本共産党の段野太一議員は三月八日、神戸市予算特別委員会総括質疑の中で、神戸市の予算編成のあり方を市民本位に改めるよう迫りました。

二〇一一年度予算で、神戸空港の管理収支の赤字の穴埋めに三億八千万円、ターミナル会社支援に一億四千万円、スカイマークの格納庫用地整備のためとして土地代など十五億八千万円、合計二十一億円を新都市整備事業会計から支援することにしています。

一方、新都市整備事業会計では、新都市保有のしあわせの森用地を七十億円で、新クリーンセンター用地を百十五億円で一般会計に売却します。

段野議員は、土地を買い取るこれらの事業はいずれも不要不急であり、一般会計の資金を、新都市整備事業会計をトンネルにし、神戸空港やスカイマーク社に還流しているにすぎないと指摘。

また、国の交付税措置は一般会計での使途が特定されませんが、空港整備にかかる起債の交付税措置はそっくりそのまま神戸空港に支出。

その一方で、保育所、中学校給食、借上住宅などについては、それぞれの交付税措置を一般会計に繰り入れ、財政難を理由に、保育所は民営化を推進、中学校給食は「実施困難」とし、借上住宅からは入居者退去を迫っています。

段野議員は「空港優先、市民の福祉や暮らし後回し」という姿勢を改め、貴重な財源を空港に配分するのではなく、市民の住宅の確保や保育所や中学校給食施策など市民の福祉や暮らしにまわすべきだと強く主張しました。

(2011年3月27日付「兵庫民報」掲載)

非核「神戸方式」決議36周年記念のつどい

新国際署名運動もスタート

神戸市議会で「核兵器積載艦艇の神戸港入港拒否に関する決議」の全会一致採択から36周年をむかえた3月18日、市役所前宣伝や昼休みパレード、記念のつどいが神戸市内でおこなわれました。

神戸市役所花時計前を出発する
昼休みパレード
昼休みパレードは約50人が花時計前を出発。「核兵器の持ち込みを許すな!」「兵庫県は非核宣言をおこなえ!」の唱和を響かせながら、三宮センター街を行進しました。

記念のつどいは約200人が参加しました。集会には、海外14の国・団体から連帯メッセージと、15の震災見舞いメッセージが寄せられました。

主催者を代表し荒井学神戸港湾共闘議長は港湾法改悪で神戸港の運営が民営化される危険性を指摘しました。

梶本修史県原水協事務局長が基調報告をおこない、全国の民間港への米軍艦艇寄港が激増している事実と、神戸港入港を求めて執拗に非核「神戸方式」攻撃をつづけるアメリカの姿勢を、資料も示し説明しました。

「非核『神戸方式』を全世界に拡げよう」
と語る緒方靖夫さん
緒方靖夫日本共産党副委員長が「核兵器のない世界をめざし」と題して記念講演。非核「神戸方式」の国際的意義として00年国連ミレニアムサミットで紹介推奨され、ニュージーランドの非核法につながったと述べ「自信をもち機会あるごとに海外へ広げよう」と強調しました。

つづいて「核兵器全面禁止のアピール」新署名運動を、兵庫で大きくとりくもうと提起されました。

(2011年3月27日付「兵庫民報」掲載)

「心のかけはし」:障害ある青年へ絵手紙10年

「足ながおばさん」これからも——永井喜代子さん =伊丹市=

本に収録するため、いったん送り返してもらった絵手紙や巻紙を前にする永井喜代子さん

重度の障害があり、家に閉じこもりがちな青年が、自分あてに届く便りを毎日待っている。でも、きょうもこなかった―。そう綴る父親の詩を新聞で読んだ女性が、絵手紙を青年に送りました。「はじめまして。絵手紙1年生です。私でよければ友だちになってください」。両手をひろげるピエロの絵を描きました。それから10年、送った絵手紙は約500枚。青年との交流が本になりました。


三牧英範さん=06年4月、家族とのドライブ先で
福岡県小郡市に住む三牧英範さん(37)の父亨さんの詩「便りを待つ」は00年4月8日、しんぶん赤旗読者の文芸欄に載りました。

目にした永井喜代子さん(80)=伊丹市平松=は、胸が締めつけられました。当時芦屋市平田町に住み、新婦人で絵手紙を習い始めたばかりでした。「そうだ、絵手紙を送ろう」、編集部に教えてもらった住所と名前あてに投函。迷惑ではないか不安でしたが、英範さんは「やった!僕に手紙がきた」と大喜び。1字1字力を込めた返信がきました。

それからはほぼ5日おきに送っています。題材は季節の風物や社会の出来事。大きなカニやタケノコは2枚つなげて描き、どんな絵になるか楽しんでもらえるよう、2日に分けて投函します。

風邪をひいた英範さんが、ドラえもんのファンと知ると、近所の子どもから本を借りて練習。「かぜはなおったかな?」とドラえもんが心配する絵を描きました。

出会った記念日と英範さんの誕生日は、長い巻紙など工夫を凝らします。旅先から、病気入院中のベッドからも送りました。

英範さんも思いを詩にし、投稿するようになりました。メーデーでプラカードを持ち先頭を歩いた体験、毎年参加する平和行進などを書きました。永井さんは、その詩にも絵手紙で応えました。

青春期が戦中だった永井さんは48年、住友海上火災に入社。全損保労組の組合員として女性差別、組合攻撃とたたかってきました。

自らの傘寿祝いに出版を思いたち「30枚ほど選び送って」と伝えると「みんな宝物で、選べません」とホルダーに整理された絵手紙全部が届きました。

「読み返すと、その時代や社会をうつしていると改めて気づきました。これからも『足ながおばさん』として送りつづけます」と永井さんは語ります。


「心のかけはし―絵てがみ10年の筆あと」清風堂書店発行、A5判112ページ、定価1365円、送料1冊160円。申し込み☎072・786・1349(永井)


(2011年3月27日付「兵庫民報」掲載)

ヒロシマ、ナガサキ、福島―原爆症裁判傍聴記

三月十六、十八の両日、大阪地裁で開かれた原爆症裁判。原告、弁護団、支援者の一致した思いは「福島の“今”に直結する裁判」「放射能の恐ろしさを国民に知らせるような判決を」ということでした。

「原告の病気は被爆に起因しない」と言いたい国側代理人は今回も、外部被曝だけの放射線量と発病の因果関係についての資料に依存。「脱毛、下痢、出血などがあったというのなら何グレイ以上の放射能を浴びた、と言うのですか」と証人医師に質問して、「内部被曝を無視した資料は、じっさいの被曝を考えるときには役に立たない」と一蹴されました。

「原爆で飛散した放射性微粒子が被爆者の臓器に取り込まれ、α線を出し続けて病気を起こす。福島では、最悪の核物質・プルトニウムが周囲に飛び散っているかもしれない。このことの重大性を、政府もマスメディアも報じない」と証人が陳述しました。

福島原発で「ただちに健康に影響することはない」などと言う「学者」のなかには、原爆症裁判で、国側証人として遠距離被曝や内部被曝を否定してきた人物もいます。

被災地の方々、危険を冒して原発冷却作業に従事する方々のご安全を祈りつつ、傍聴した裁判でした。
S生

(2011年3月27日付「兵庫民報」掲載)

一コマまんが

八百長はあかん


間 康成

(2011年3月27日付「兵庫民報」掲載)

観感楽学

阪神・淡路大震災を経験した我々でも想像に絶する東日本大震災の現状▼重度障害者である茨城のOさん。本人と直接連絡とれず。五日目、赤旗集金担当者の方から「弟さんがOさんを車に乗せて出かけるのを近所の人が見た」との情報。十八日に無事を確認▼同様に青森から岩手から宮城から、障害者の生活と権利を守る全国連絡協議会を通じてメールが入ってくる。できることは何か?何をすべきか。何もできないもどかしさ▼「なくそう!子どもの貧困全国ネットワーク」メーリングリストには「らく相談室」の池添さんの「こんな時ではありますが、こどもたちにはどうぞ遊びと笑いを大切にして下さい。大人の笑顔をみせてあげてほしい」とのメッセージ。ホッとし同時に大いに励まされる▼二十日には神戸元町で兵障協の呼びかけで障害者・関係者が盲導犬を連れ、車いすに乗り義援金募金。そこには少し色あせているが十六年前に使った募金箱がそのまま活躍していた▼いっせい地方選挙をやるような情勢ではないけれど実施が決まった以上、今の政治を根本から正し「国民の命・くらし・健康第一の国、自治体づくり」をめざして全力をあげなければ。(N)

(2011年3月27日付「兵庫民報」掲載)