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2011年1月23日日曜日

阪神・淡路大震災16年にあたって―党県委員会が声明

阪神・淡路大震災から十六年にあたって、日本共産党兵庫県委員会が一月十七日、声明を発表しました。(見出しは編集部)











住民の生存権まもる政治へ

阪神・淡路大震災から十六年がたちました。大震災で亡くなられた方がた、そのご家族のみなさんに、あらためて心から哀悼の意を表します。

借り上げ公営住宅:転居のおしつけ許さず

あれから十六年、いま、被災者の居住権、生存権をおびやかす大問題になっているのが、兵庫県や神戸市などが都市再生機構(UR)や民間から借り上げている復興住宅(六千七百戸)の「入居期限」問題です。日本共産党が年末・年始に緊急に神戸市内でとりくんだ入居者アンケートでも回答者(一月十二日現在、五百四十四人)の86%は、「引き続き、今の住宅に住みたい」とのぞんでいます。そして、「八十歳にもなっての引越しは、つらいです」「移転の予告に、毎日のように悩んでいます」「先が短いのに。住み慣れたこの場所で身を埋めたいです。助けてください」など、悲鳴のような訴えが、数多く寄せられています。震災後の血の通わない行政のあり方をほうふつとさせます。

日本共産党は、震災以来、「空港より住宅を」などのスローガンをかかげて、冷たい行政をただし、被災者の生活と営業の再建に力をつくしてきました。こんどの借り上げ住宅の問題でも、入居者が安心して住み続けられるよう、国会、県議会、市議会が連携して、事態の打開に力をつくしています。不安をつのらせる入居者への相談活動にも各地でとりくんでいます。こうしたなか、宝塚市が「借上げ期間の延長等」の方針を、兵庫県が「棟ごとの買い取り」の検討を表明しています。私たちは、転居のおしつけをゆるさず、安心して住み続けられるよう、ひき続き全力をつくします。

生活・営業再建阻むのは

災害援護資金は、国が自治体からの返済期間の三年延長を決めましたが、いまも被災者一万一千世帯が総額二百億円の返済をよぎなくされています。住宅再建ローン、中小業者の営業再建融資の返済などが、高齢化した被災者に重くのしかかっており、苦闘が続いています。住宅金融公庫の代位弁済は二千四百六十五件、再建した自宅を手放さざるをえなかった被災者も少なくありません。中小業者が借りた「災害復旧資金」(四万七千件)は、経営破綻を意味する代位弁済が14・6%にのぼります。四万人が暮らす災害復興公営住宅は、六十五歳以上の一人暮らしの入居者が43・5%となり、孤独死は、昨年二〇一〇年の一年間に五十一人のぼりました。被災地の区画整理事業は、今年度内に完了する見通しですが、再開発とともに多くの住民が戻れなかった神戸市長田区では、人口が震災前の78%と減少したままです。

被災者が生存権をおびやかされてきたのは、国や自治体が個人補償を否定し、被災者の生活と営業の再建よりも、神戸空港や新都市づくり、巨大再開発など大型開発を優先してきたからです。国や自治体の復興事業費の六割、約十兆円が「多核・ネットワーク型都市圏の形成」に注ぎこまれました。「住みなれた元のまちに」という被災者の願いに背をむけ、地域のコミュニティを壊してきました。

力あわせ引き続き前進を

日本共産党は、震災直後から被災者への個人補償・公的支援をもとめ、力を合わせて運動してきました。一九九八年に成立した被災者生活再建支援法は、二回の改定で、住宅本体の再建など最高三百万円が支給される制度になりました。被災者の悲願が実った大きな一歩でしたが、阪神・淡路には適用されませんでした。日本共産党は、被災者の救援と暮らしの再建に全力をあげてきた政党として、阪神・淡路大震災被災者の生存権をまもり、切実な要求実現を前進させるため、ひき続き全力をつくします。

災害援護資金や住宅ローン、営業再建のための融資などの返済問題では、返済期間の延長や返済免除の拡大をはじめ、支援法をふまえた特例的な措置をもとめます。災害復興公営住宅の入居者の見守りやコミュニティづくり、生活支援の抜本的な拡充をもとめます。神戸市による家賃減免削減を中止させ、家賃低減に力をつくします。住民本位のまちづくりに力を合わせて奮闘します。震災で障害を負った人たちの実態調査と本格的な支援と対応をもとめます。

学校や住宅などの耐震化、津波や高潮対策、急傾斜地や活断層対策など防災対策の拡充・促進をもとめて奮闘します。また、二〇〇九年の台風9号などの被災者の生活、生業再建への支援、河川の氾濫や風倒木などへの防災対策をもとめます。

被災者生活再建支援法はことし、法改定の時期を迎えました。店舗や個人事業所などの生業も支援対象とし、半壊や一部損壊にも適用すること、支給金額をひきあげること、適用要件の緩和など、さらに実効ある支援制度とするために、諸団体と力を合わせてその実現に全力をつくします。

問われる「この国のあり方」

自然災害の被害をうけた住民の生存権をまもり、被災者が元の暮らしをとりもどすことができる支援を国や自治体にもとめることは、「この国のあり方」を問うたたかいでもあります。住民本位の震災復興をもとめるたたかいは、より良い明日をめざす大義のあるたたかいです。

ことし四月には、いっせい地方選挙がたたかわれます。日本共産党は、被災者のみなさんの切実な要求実現に力をつくすとともに、生存権をまもる「住民が主人公」の政治の実現に全力をあげる決意です。


写真:早朝追悼集会で黙とうする被災者ネットの安田秋成代表(右から2人め)ら(中央は日本共産党の山下よしき参院議員と大前まさひろ中央区市議候補(その左))
(2011年1月23日付「兵庫民報」掲載)

阪神・淡路大震災16年メモリアル集会


阪神・淡路大震災救援・復興県民会議は、阪神・淡路大震災十六年メモリアル集会を、一月十六日、神戸市勤労会館で開き、百六十五人が参加しました。

集会で「被災者支援制度の現状と課題」と題して記念講演した室崎益輝関西学院大学教授は、被災者の自立あるいは人権という視点から暮らしの総体を対象に、包括的に実施することが求められると指摘し、阪神・淡路大震災以降の支援制度の進展と課題について明らかにしました。

各被災地の現状については、兵庫県西北部水害について鍋島裕文佐用町議が、相談活動から見た大震災被災者の現状をひょうご福祉ネットワークの前島豊氏が、借り上げ公営住宅について森本真神戸市議が、それぞれ報告。森本氏は、アンケートや国会議員団と連携しての国交省ヒアリングなどを元に各議会で日本共産党議員団が論戦、継続入居へ宝塚市や兵庫県で大きな変化が起きている中、神戸市が依然冷たい姿勢を続けていると批判し、被災者の生活を守る市政に変えるため頑張る決意を述べました。


阪神・淡路大震災16年メモリアル集会「私たちの要求」

阪神・淡路大震災16年メモリアル集会では、兵庫県、神戸市に対し、被災者の暮らしの実態に率直に目を向け、国に特例救済措置を求めるとともに、当面次の十項目の施策を推進するよう求める「私たちの要求」を参加者で確認しました。

災害援護資金は、援護ではなく被災者の生活再建の足をひっぱっている現実を直視し、残されている債務返済の免除を国に求めること。災害援護資金の返済義務は借受人本人のみとし、連帯保証人の返済義務は免除すること。

震災に関わる中小企業融資や住宅ローンなど各種融資返済は、生活保護基準以下の借受人の返済免除を国に求めること。

災害復興公営住宅(借り上げ住宅を含む)入居者をはじめ、被災高齢者のケアを抜本的に拡充するために生活援助員(LSA)、高齢者生活援助員(SCS)の大幅増員を図り、見守り、相談活動を抜本的に強化すること。

復興借り上げ住宅の二十年契約による転居は強制せず、入居者の意向を最大限尊重し、希望する人には引き続き入居を認めること。

借り上げ住宅から転居する被災者には、引っ越し代は全額公費で負担し、引っ越しボランティアを組織し、高齢入居者負担を軽減すること。

公営住宅家賃滞納者への出訴・強制執行は避け、相談活動を強化し、「居住者の権利」を保障する施策を行なうこと。

大震災による障害者(精神・知的を含む)、解体時のアスベスト被曝者など実態を正確に調査し、関係者に不安のないよう健診・治療・リハビリ体制の内容の整備、拡充すること。

すべての被災者の生活再建を支援するために、「被災者生活再建支援法」に準じた特例救済措置を国に求めること。

阪神・淡路大震災発生から十六年、被災者の現状を把握するために、被災者の暮らしの実態調査を行なうこと。

ことし見直しが予定されている「被災者生活再建支援法」を拡充するために、すべての被災者への適用、支援金額の当面五百万円への引き上げ、半壊・一部損壊・生業用施設への提供などを国に求めること。


写真:大震災16年メモリアル集会(正面は記念講演する室崎教授)
(2011年1月23日付「兵庫民報」掲載)

居住者もオーナーも継続を希望:借り上げ公営住宅

日本共産党の神戸市議団と県議団は一月十三日、借り上げ災害公営住宅の期間満了後の対応に関するアンケートの結果を発表しました。

神戸市内の市営・県営の借り上げ災害公営住宅約六千戸の入居者と、民間オーナーのうち氏名・会社名のわかる六十四人を対象にしたもの(回答数・回収率は表参照)。

入居者アンケートでは、▼高齢単身者もしくは高齢夫妻が多い▼借り上げ期間満了後に退去することを市から「聞いていなかった」人が半数を超えている▼九割近くが「引き続き住みたい」と希望している―ことがあらためて明らかになりました。

オーナーへのアンケートでは、▼八割が市から協力依頼で建設した▼24%のオーナーが建設時、「終了後も希望があれば契約を継続する」と市から説明を受けていた▼期間満了後返還してほしいとするオーナーはなく、ほとんどが継続を望んでいる―との回答でした。




入居者へのアンケートから(544通・回収率9%)

回答者の年齢
60代
70代
80歳以上
その他
23%
38%
17%
22%
世帯人数
ひとり暮らし
2人
3人
その他
60%
27%
6%
6%
期間満了後退去するということを
聞いていない
聞いた
わからない
無回答
51%
20%
21%
8%
期間満了後の希望
引き続き今の住宅に住み続けたい
他の市営(県営)住宅に転居してもかまわない
民間の住宅に転居してもかまわない
その他
86%
10%
0.4%
4%


オーナーへのアンケートから(25通・回収率39%)

建設する際、神戸市からの協力依頼は
協力依頼があったので建設した
特別に協力依頼されていない
わからない
80%
12%
8%
期限満了後の希望は
借り上げを継続してほしい
返還してほしい
その他
92%
0%
8%




この結果をもとに、神戸市議団は市長に対し、継続入居ができるよう買い取りや契約の継続(新規契約も含む)等の対策を講じることなどを求める要望書を一月十三日に提出しました。

(2011年1月23日付「兵庫民報」掲載)

一コマまんが

この旗でいいんだな


段重喜


(2011年1月23日付「兵庫民報」掲載)

不屈の人々:治安維持法による弾圧犠牲者(1)

第一回普選と三・一五大弾圧

治安維持法による弾圧の最初は、一九二六(大正十五)年の「京都学連事件」で、弾圧犠牲者には兵庫県関係者も九名いましたが、本格的適用は二八(昭和三)年の三・一五事件でした。男子普通選挙法による初めての総選挙中に、公然と姿を現した日本共産党に弾圧が襲いかかります。

一九二〇年代の情勢

日本共産党は一九二二年密かに結成されると、直ちに神戸にオルグを送り海員刷新会の組織に着手し、二六年には労働組合神戸地方評議会の中核に日本共産党神戸市細胞を結成しています。

日本は二七年、中国山東省に出兵し中国革命に干渉戦争をしかけます。

国内では金融恐慌による首切り・賃下げ・合理化などの攻撃に対して労働者が立ち上がり各地で激しい争議が起きます。県下各地でも激しい小作争議も起きています。日本農民組合の創立大会は二二年、神戸で開かれ、それにあわせ長尾有を委員長に六千人の日農兵庫県連を結成します。

普通選挙の実施

二七年九月の普選による初県議選において、淡路三原郡区で立候補した労働農民党の長尾有が当選したことは、権力側にとって大きな衝撃でした。

二八年二月の普選による第一回総選挙を前に、日本共産党は、主な工場と海員の中に細胞を確立し、神戸地方委員会を結成しました。

総選挙には、兵庫二区から日農の顧問弁護士・近内金光が労農党から立候補。選挙では労農党候補の陣営に対し官憲の激しい弾圧・干渉が行なわれましたが、近内金光候補は四千九百七票を獲得しました。

この総選挙戦終盤の二月十八日、日本共産党名入りのビラ約千枚が神戸の工場地帯に張り出され、これによって日本共産党が初めて国民にその存在を示すのです。

神戸での検挙

共産党の動向を探っていた官憲は三月十五日、払暁を期して全国一斉検挙を行ないます。全国の検挙者千六百人。

神戸では神戸地検予審判事・検事指揮のもと、警察官百八十人が神戸市内の十数カ所を一斉捜索し、七十人を検挙。

検挙はその後も続き逮捕者は二百人を越えますが、うち起訴され裁判にかけられた者は三十五人です。

裁判は統一公判として進められ、三十五人は脅迫にも屈せず最後まで法廷闘争を闘いぬき、最後の法廷で全員が「日本共産党万歳」を三唱します。

二審で県議長尾有は懲役四年、衆議院候補者近内金光は懲役六年の有罪判決を受けます。

(『治安維持法と現代』誌十五号、佐野陽三氏記述から)


(2011年1月23日付「兵庫民報」掲載)

三木市のつどいに70人超

日本共産党三木市委員会と同後援会は一月八日、新春のつどいを窟屋公民館で開きました。三木市党で七十人を超える集会はこの間なかった集まりとなりました。

大まゆ均市議と板東しょうご市政対策委員長が羽織袴姿で登場。両予定候補の息の合った太鼓からつどいが始まりました。

続いて板東氏の同級生の太鼓唄奏者「七海」さんの演奏が披露されました。

党県委員会から金田峰生国会議員団兵庫県事務所次長が挨拶。その後、板東氏の生い立ちスライドショーと大まゆ氏の議会の質問風景が流れ、両氏からの決意表明が述べられました。板東氏は「若者がふるさと三木に帰れる町にしなくてはならない」と訴えました。大まゆ氏は十二月議会の報告を交えて、他会派と日本共産党との違いを分かりやす訴えました。

参加者から「久しぶりに、元気がもらえた」「絶対二議席を守らなあかん」と感想がでるなど元気な集会になりました。


写真:必勝へ決意込め太鼓を打ち合う大まゆ(右)、板東(左)両氏
(2011年1月23日付「兵庫民報」掲載)

ひなたぽっころりん(460)



(2011年1月23日付「兵庫民報」掲載)

被災のありのまま 俳句に:

赤旗「読者の文芸」俳句選者 砂方邑子さん

「俳句との出会いは幸運でした」と話す砂方さん
俳人の砂方邑子さん(さかたむらこ、70歳、本名・坂田邦子)=神戸市東灘区=は、しんぶん赤旗「読者の文芸」俳句選者の1人です。関西から、そして女性から、初の選者として、毎月送られてくる作品と真摯に向きあっています。大震災では、心がボロボロになった砂方さんを、俳句が支えてくれたと言います。思いを聞きました。


大震災で、深江南町のマンションは倒壊を免れましたが、周りは全壊。原始野に放り込まれたようでした。頭の中が真っ白で、感情のわきおこらない、パニック状態がつづきました。生きているのが不思議でした。

建物は無事でも、電気・ガス・水道は出ません。電気は月末、水が1カ月後、ガスは4月になってから復旧しました。

被災した義母や息子と親戚が我が家に避難してきました。かまどを手づくりし、たった1つの飯ごうで米を炊き、家族9人が食べました。3日目、救援物資のおにぎりを分けて食べたとき、嬉しくて初めて涙が出ました。

数日後、悪路のなか北区の友人がおにぎりを届けてくれました。「生きてるか!」「生きてます!」、職場上司が電話で励ましてくれました。配達されず留まっていた郵便物のなかにあった、大阪の俳句仲間からの手紙には「紙がなければ送ります。ペンがなければ送ります」と書いてありました。大勢の人に助けてもらいました。

先の見通しが立たない状態でしたが、俳句を再び作り始めました。被災のありのままを575にしました。それが「赤い寒月」(別項)です。


心の闇 吐き出す作業

私にとって俳句は、心の闇を吐き出す作業です。20数年前、新婦人の仲間に誘われ、俳句の世界に入りました。それまでも短歌や俳句を読むのは好きでしたが、自分で作るなんて、青天の霹靂(へきれき)でした。

社会保険事務所で定年まで働きました。職場や日常のなかで感じたことを、17文字にしてきました。句が次つぎ頭に浮かび、私のなかから吹き出してくるようでした。

いま赤旗編集部から毎回約300作品が送られてきます。どんな句に出会えるか、いつも開封を楽しみにしています。あくまで独断と偏見で15句を選んでいます。理屈ではなく、私の胸にビビッとくる句が好きです。

有季、定型、切れ、プラス個性を心がけ、これからも私は俳句とともに生きます。



赤い寒月

砂方 邑子
煮凝りの亀裂十七日未明
寒の闇毬はわたしかもしれぬ
高階のかたむいている寒卵
さざんかも黒猫も無事わたくしも
深閑と人のあふれる寒の街
生き埋めの母が火鉢といる隙間
春寒や瓦礫の下のああポスト
棺桶を組む音寒の月赤し
風花や凶器となりし梁・柱
蛇口から何ンにも出ない梅の花



(2011年1月23日付「兵庫民報」掲載)

三菱神戸造船所商船建造存続求め創作曲発表


神戸に造船を残そう連絡会の新春の集いが1月14日、神戸市長田区の神戸平和と労働会館でひらかれ、約40人が参加しました。

三菱重工が、100年以上の歴史をもつ神戸造船所での商船建造を中止し、長崎と下関の造船所に統合させる計画を発表してから半年が経過しました。

昨年10月、労働者や下請け業者、住民らが結成した同連絡会は、シンポジウムを開催、国県市への要請もつづけてきました。

集いでは、神戸造船所を残してほしいとの熱い気持ちを込めた創作曲「みなとのむこうは造船所」が披露されました。作詞は神戸造船所に45年勤務した藤田摩利子さん(66)、作曲はトーフレンズの千葉直義さん(62)です。

「震災で流した神戸の涙/また1つ頬から落ちています/もう船はつくらない/そんなのは嫌/まちとくらしがこわれます/みなとに残そう造船所/みなと神戸の心をつなげ」

藤田さんは「この歌で神戸と切り離せない造船所のロマンを知らせたい」と話します。

写真:「みなとのむこうは造船所」を歌う参加者たち
(2011年1月23日付「兵庫民報」掲載)

いのちの重み込め 一行詩「絆」作品展

「お隣の物音丸聞こえ プライバシーはないけど 孤独じゃなかった」(男性68歳)、「ルミナリエ見ると思い出すの 燃えさかる千歳の街がものすごく明るかったことを」(女性76歳)、「つながってますか 青空の下 この場所で」(女子高校生)、「毎日おなじでも あなたの笑顔が 今日も僕のエネルギー」(男子高校生)

日本機関紙協会兵庫県本部が、「絆」をテーマに募集した一行詩の作品展を1月15日から3日間、神戸元町の海文堂書店ギャラリーでひらきました。

40字以内という制限のなか、80歳代から高校生まで、幅広い年齢から寄せられた作品121編が展示されました。

会場に飾られた、神戸市立摩耶兵庫高校華道部の生徒たちの生け花と書家大林義典さんの書「絆」が作品群を引き立てていました。

同会副理事長の畦布哲志さんは「当初、大震災16年を意識し募集したところ、高校生からも多くの作品が届きました。震災の記憶がなくても、どの詩も16年の延長線上にあり、いのちの重みを再確認させてくれる作品です」と語っていました。

全応募作品をまとめた冊子(800円)も発行しています。☎078・232・3715


写真:一行詩と「絆」の書、高校生の生け花が展示されました
(2011年1月23日付「兵庫民報」掲載)