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2011年10月23日日曜日

県議会決算特別委員会:日本共産党が施策の見直し迫る

災害から県民の命守れ

杉本ちさと議員
9月県議会で決算特別委員会が開かれています。日本共産党からは杉本ちさと議員が委員として質問に立ち、東日本大震災を教訓に、災害から県民の命と暮らしを守るために、県政のあり方や施策を根本から見直すことを県に迫っています。論戦の一部を紹介します。

津波対策、防災計画の見直しを

杉本ちさと議員は、津波被害の教訓から、今後の東海・東南海・南海地震などへ備えるための対策を求めました。

国の中央防災会議の専門部会報告案が、「従来の想定手法の限界」にふれていることからも、被害が想定よりも大きくなる可能性を視野に入れて対策を考えるべきだと指摘。防潮堤などの海岸保全施設等に頼るこれまでの対策だけでなく、「どのような災害であっても、行政機能、病院等の最低限必要十分な機能を維持」(同報告案)できるような防災計画への見直しを求めました。

サーベイメータによる地上1mでの計測
県は、「最大クラスの津波にも減災の考え方で対策をすすめ、社会福祉施設・病院等について国の報告の趣旨をふまえ適切に対応する」と答弁。

それに対し、杉本議員は、県立こども病院や淡路病院の沿岸部への移転計画について県が「防潮堤などが津波高さの想定よりも高いから大丈夫」としていることを批判。東日本大震災では「津波想定外」地域で死者・不明者が多かったことや、津波工学の専門家が「計算が少し違えば2〜3m程度は変わる。『防潮堤をのりこえないから大丈夫』では安心できない」との指摘していることからも、計画は見直されるべきだと主張しました。

44%の避難所が危険箇所に

杉本議員の質問で、浸水想定区域、土砂災害危険個所等のハザードの中に位置している危険な避難所が、県下全体の3650カ所のうち、1623カ所(約44%)にものぼることが明らかになりました。「浸水時に避難所まで歩行等が危険となる避難所がある市町」も35市町(85%)を数えます。(表)

杉本議員が改善を求めたのに対し、県は、「今後、想定エリアの検討結果をうけて、避難所や他の施設の安全性を確認していく」と答弁しました。

台風12、15号被災者の支援を

測定用雨水収集装置
(左は喜田結議員)
杉本議員は、「避難した翌日家に帰ると、床上30㌢で畳も布団もなにもかも泥だらけ」など、台風12号で被災した姫路市の被災者の声を紹介し、わずかな見舞金と融資しか行わない県の冷たい姿勢を批判しました。

被害判定で「半壊」になれば災害救助法の「応急修理」(最高52万円まで)が受けられることや、2004年には県が、床上浸水の被災者に25万円、国基準にとどかない全半壊の被災者に国基準と同等の独自支援を行ったことを指摘。「公的支援の明らかな後退」と批判しましたが、県は、被災者生活再建支援法の改正や、県の住宅共済が家財も対象になったことを理由に、以前のような県独自支援はしないと表明しました。

杉本議員は、「結局、床上浸水が多いので、支援金を出せばお金がかかるというのが本音。『県行革』の弊害がここにもあらわれている」と強く批判しました。

県内避難者の「東電への賠償請求」支援を

杉本議員は、福島からの避難者の受け入れが多い兵庫県として、膨大な書類を読むだけでも大変な賠償手続きについて、弁護士会などとも協力し相談にのるなど、避難者への丁寧な支援を求めました。

食品・環境の放射能検査強化を

核種分析装置
杉本議員は、放射性セシウムに汚染された牛肉など、国が決めた暫定基準値を上回る食品が流通したことが県民に不安を与えていると指摘。県内産の農産物等だけでなく流通している食品についてもできるだけ多くを県として検査すること、そのための機器や体制の充実を求めました。

県は、現行の検査に加えて、県内の健康福祉事務所8カ所に簡易測定器(ベクレルモニター)を配置するなど、相談に応じて必要な場合は検査を行うと表明。

また、杉本議員は、県立健康科学研究センターで行っている環境放射能検査について、福島第一原発事故前は年1回・月1回だった検査が、毎日行われているのに加え、サーベイメータによる地上1㍍での計測(毎日)、核種分析装置(ゲルマニウム半導体検出器)による食品等の検査など人手がかかる検査が増えているのに人員は増やされていない問題を指摘。職員を削減する「行革」を批判し、充実を求めました。

がれき処理は国の責任で

杉本議員は、国が、従来なら厳重に保管が求められていた放射性廃棄物を8千ベクレルまでなら一般廃棄物として処理できるよう基準を緩和し、地方自治体に処理させようとしている問題をとりあげました。

県内市町で焼却し、神戸市沖などに埋め立てる県の計画で安全が保たれるのかと追及。住民合意がなく安全が確保できない状態で受け入れを進めるのでなく、国の責任で処理をするよう求めるべきだと迫りました。


危険な避難所
避難所の総数 浸水想定区域、土砂災害危険箇所などのハザードの中に位置している避難所数 浸水時に避難所まで歩行などが危険となる避難所の有無(●あり、○なし)
神戸市33541
尼崎市8479
西宮市13970
芦屋市372
伊丹市13963
宝塚市8323
川西市7518
三田市470
猪名川町247
明石市10724
加古川市6430
高砂市4639
稲美町1616
播磨町122
西脇市8414
三木市489
小野市284
加西市361
加東市400
多可町2818
姫路市251157
市川町159
福崎町5622
神河町5615
相生市3915
赤穂市13197
宍粟市7340
たつの市11687
太子町236
上郡町3417
佐用町105
豊岡市245176
養父市229174
朝来市226101
香美町20463
新温泉町10051
篠山市7325
丹波市8561
洲本市10434
南あわじ市448
淡路市640
県内合計3650162341市町中35市町●


(2011年10月23日付「兵庫民報」掲載)

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