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2011年10月23日日曜日

次号は11月6日付です

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10月30日は第5日曜のため発行しません


(2011年10月23日付「兵庫民報」掲載)

県議会決算特別委員会:日本共産党が施策の見直し迫る

災害から県民の命守れ

杉本ちさと議員
9月県議会で決算特別委員会が開かれています。日本共産党からは杉本ちさと議員が委員として質問に立ち、東日本大震災を教訓に、災害から県民の命と暮らしを守るために、県政のあり方や施策を根本から見直すことを県に迫っています。論戦の一部を紹介します。

津波対策、防災計画の見直しを

杉本ちさと議員は、津波被害の教訓から、今後の東海・東南海・南海地震などへ備えるための対策を求めました。

国の中央防災会議の専門部会報告案が、「従来の想定手法の限界」にふれていることからも、被害が想定よりも大きくなる可能性を視野に入れて対策を考えるべきだと指摘。防潮堤などの海岸保全施設等に頼るこれまでの対策だけでなく、「どのような災害であっても、行政機能、病院等の最低限必要十分な機能を維持」(同報告案)できるような防災計画への見直しを求めました。

サーベイメータによる地上1mでの計測
県は、「最大クラスの津波にも減災の考え方で対策をすすめ、社会福祉施設・病院等について国の報告の趣旨をふまえ適切に対応する」と答弁。

それに対し、杉本議員は、県立こども病院や淡路病院の沿岸部への移転計画について県が「防潮堤などが津波高さの想定よりも高いから大丈夫」としていることを批判。東日本大震災では「津波想定外」地域で死者・不明者が多かったことや、津波工学の専門家が「計算が少し違えば2〜3m程度は変わる。『防潮堤をのりこえないから大丈夫』では安心できない」との指摘していることからも、計画は見直されるべきだと主張しました。

44%の避難所が危険箇所に

杉本議員の質問で、浸水想定区域、土砂災害危険個所等のハザードの中に位置している危険な避難所が、県下全体の3650カ所のうち、1623カ所(約44%)にものぼることが明らかになりました。「浸水時に避難所まで歩行等が危険となる避難所がある市町」も35市町(85%)を数えます。(表)

杉本議員が改善を求めたのに対し、県は、「今後、想定エリアの検討結果をうけて、避難所や他の施設の安全性を確認していく」と答弁しました。

台風12、15号被災者の支援を

測定用雨水収集装置
(左は喜田結議員)
杉本議員は、「避難した翌日家に帰ると、床上30㌢で畳も布団もなにもかも泥だらけ」など、台風12号で被災した姫路市の被災者の声を紹介し、わずかな見舞金と融資しか行わない県の冷たい姿勢を批判しました。

被害判定で「半壊」になれば災害救助法の「応急修理」(最高52万円まで)が受けられることや、2004年には県が、床上浸水の被災者に25万円、国基準にとどかない全半壊の被災者に国基準と同等の独自支援を行ったことを指摘。「公的支援の明らかな後退」と批判しましたが、県は、被災者生活再建支援法の改正や、県の住宅共済が家財も対象になったことを理由に、以前のような県独自支援はしないと表明しました。

杉本議員は、「結局、床上浸水が多いので、支援金を出せばお金がかかるというのが本音。『県行革』の弊害がここにもあらわれている」と強く批判しました。

県内避難者の「東電への賠償請求」支援を

杉本議員は、福島からの避難者の受け入れが多い兵庫県として、膨大な書類を読むだけでも大変な賠償手続きについて、弁護士会などとも協力し相談にのるなど、避難者への丁寧な支援を求めました。

食品・環境の放射能検査強化を

核種分析装置
杉本議員は、放射性セシウムに汚染された牛肉など、国が決めた暫定基準値を上回る食品が流通したことが県民に不安を与えていると指摘。県内産の農産物等だけでなく流通している食品についてもできるだけ多くを県として検査すること、そのための機器や体制の充実を求めました。

県は、現行の検査に加えて、県内の健康福祉事務所8カ所に簡易測定器(ベクレルモニター)を配置するなど、相談に応じて必要な場合は検査を行うと表明。

また、杉本議員は、県立健康科学研究センターで行っている環境放射能検査について、福島第一原発事故前は年1回・月1回だった検査が、毎日行われているのに加え、サーベイメータによる地上1㍍での計測(毎日)、核種分析装置(ゲルマニウム半導体検出器)による食品等の検査など人手がかかる検査が増えているのに人員は増やされていない問題を指摘。職員を削減する「行革」を批判し、充実を求めました。

がれき処理は国の責任で

杉本議員は、国が、従来なら厳重に保管が求められていた放射性廃棄物を8千ベクレルまでなら一般廃棄物として処理できるよう基準を緩和し、地方自治体に処理させようとしている問題をとりあげました。

県内市町で焼却し、神戸市沖などに埋め立てる県の計画で安全が保たれるのかと追及。住民合意がなく安全が確保できない状態で受け入れを進めるのでなく、国の責任で処理をするよう求めるべきだと迫りました。


危険な避難所
避難所の総数 浸水想定区域、土砂災害危険箇所などのハザードの中に位置している避難所数 浸水時に避難所まで歩行などが危険となる避難所の有無(●あり、○なし)
神戸市33541
尼崎市8479
西宮市13970
芦屋市372
伊丹市13963
宝塚市8323
川西市7518
三田市470
猪名川町247
明石市10724
加古川市6430
高砂市4639
稲美町1616
播磨町122
西脇市8414
三木市489
小野市284
加西市361
加東市400
多可町2818
姫路市251157
市川町159
福崎町5622
神河町5615
相生市3915
赤穂市13197
宍粟市7340
たつの市11687
太子町236
上郡町3417
佐用町105
豊岡市245176
養父市229174
朝来市226101
香美町20463
新温泉町10051
篠山市7325
丹波市8561
洲本市10434
南あわじ市448
淡路市640
県内合計3650162341市町中35市町●


(2011年10月23日付「兵庫民報」掲載)

上郡町長選10月25日告示・30日投票

工藤たかし氏
地産地消の給食など掲げ工藤氏全力

町長辞任に伴う上郡町長選は10月25日告示・30日投票(4人が立候補予定)。日本共産党町議として7期、住民の利益を守ってきた工藤たかし氏(62)は、住民の期待の声を受け、住みよい上郡町をつくる会の無所属候補として立候補。学校給食実施などの公約を掲げ、「住民が主人公、清潔公正な上郡町」実現へ全力をあげます。

(2011年10月23日付「兵庫民報」掲載)

関西広域連合と財界のねらい

国の出先機関「丸ごと移管」とは?
日本共産党県議団事務局長 児玉憲生

民主党政権がすすめている「地域主権改革」の中で、議論されている「国の出先機関改革」。いま関西広域連合(連合長=井戸敏三兵庫県知事)で全国に先駆ける動きを強めています。

関西広域連合で、国出先機関の「丸ごと移管」を担当しているのが橋下徹大阪府知事。2012年の通常国会での法案提出、14年に事務・権限委譲をめざしています。

空港・道路・港湾など財界主権で

国の出先機関の中で、当面の最大のターゲットにしているのは、「近畿地方整備局」「近畿経済産業局」「近畿地方環境事務所」の三つ。それは、公共事業の計画と執行にかかわる権限と予算がねらわれているからです。

関西広域連合の動きの背景には、関西財界のねらいがあります。

関経連が今年5月に出した「関西版ポート・オーソリティー構想」は、「グローバル化した国際競争に関西が一丸となってたちむかう」ため、「関西広域連合が関西の一元的なオーソリティー(管理主体)として事業会社と連携し、広域交通・物流基盤を一体的に運営する機能を担う」と強調。

その「基盤」とは、港湾・道路・空港などで、関西の主要な広域交通・物流基盤の管理主体となって、それを「民間事業会社に行政財産を貸与し事業運営を委託する」とあります。この構想では、国管理部分だけでなく、都道府県や政令市の管理する重要港湾なども対象とされています。

つまり、国・地方を含めた関西のインフラを関西広域連合で「ひとまとめ」にして、民間会社に管理を任せる方式を提言しているのです。財界の好きなようなインフラ計画をつくり、その管理も担う。まさに「財界主権」とも言える内容です。

このような仕組みをつくるのは、「国際競争力」「東アジア市場」のため、ベイエリアにハブとなる港湾・道路・空港に集中投資するためです。

国民の安心・安全よりも、企業のもうけ優先

「台風災害での土砂ダムを監視する近畿地方整備局」…テレビで報道されるように、地震や台風災害など災害列島の日本では、被災者を支援する知事や自治体の長の責任とともに国の機関が重要な役割を担っています。

「丸ごと移管→民間まかせ」によって、公共事業が、国民の安心・安全を守るという観点よりも、「国際競争に貢献するか」「インフラビジネスの成長」の観点が重視され、不採算部門の切り捨てがいっそうすすみ、安全性が脅かされる危険性があります。

また、全国どこで暮らしていても、一定水準以上の行政サービスが受けられる(ナショナルミニマム)が、国の国民にたいする大事な責任ですが、「地方に自由にまかせればうまくいく」という議論のもとで、地域間格差がさらに助長される可能性もあります。

「国から地方へ」「官から民へ」という小泉構造改革を引き継いで、民主党の「地域主権改革」がすすんでいますが、関西広域連合で実際にすすめられていることは、財界・一部企業が主役、港湾・空港・道路などのインフラをビジネスの儲け口にという、露骨な「ねらい」です。国民・県民のための「改革」とは縁もゆかりもありません。

公務員リストラも

「国の組織の行革は、喫緊の課題。丸ごと受けてから我々がやる。国ができないことを地方ができることを国民に知ってもらう」(橋下大阪府知事・国出先機関政策委員会委員長、関西広域連合議会、11年2月)。

日本共産党は、「道州制の実現で、福祉や教育など、本来国がやらなければならない仕事を地方に押し付けて、地方の公務員と予算はさらに減らし、その分を産業基盤のために使おうとするもの」(10年12月19日付、赤旗「主張」)と警告してきましたが、それが現在進行形で展開されているのが、関西広域連合です。

関西広域連合は、「道州制にそのまま転化するものではない」と言い訳して設立されましたが、その中身は、財界が道州制でねらっている目的と同一線上にあります。

広域連合議会が、知事などの会議に比べ活発でなく、まともなチェックが働かない中、関西広域連合の危険な動きを県民で注視・チェックして、取り組みを強めていくことが求められています。

(2011年10月23日付「兵庫民報」掲載)

救援ボランティアレポート(第8回)福島県いわき市

耳に残る「原発がなければ…」の声
日本共産党尼崎市議 辻おさむ

救援物資の配布
10月13日から5日間、福島県いわき市への第8次ボランティアに参加しました。なかなか日程が合わずにようやく被災地入りが実現。尼崎のまさき一子市議も含め4名の参加です。

14日午前中は、物資の仕分けです。兵庫県から持ってきた米4袋を3㌔㌘ずつに小分けし、タオルや衣類、石鹸などを整理しました。

15日、16日は、いわき市内につくられた隣接する楢葉町の避難者用仮設住宅の訪問です。楢葉町からの被災者は、福島第一原発から20㌔㍍圏内なので避難されてきた方たちです。

辻おさむ市議
農業をしていた男性は、「今年の米の出来はいいらしい。本来なら実った穂が見れたのに…」と涙ぐんでいました。農家が米を作れない――こんなに悔しいことはないでしょう。

訪問先では「作業着のまま避難した」「冬服がない」「失業して仕事がない」など、避難を余儀なくされた状況を悔しそうに訴えられました。

89歳の一人暮らしの女性は、「東電に手紙を出したい」と言っていました。

「仮設で死にたくない」と言っておられた85歳のご夫婦は、「事故前、東電は決して危険とは言わなかった。共産党は四、五十人ぐらいになって政治を動かしてほしい」と激励されました。

まさき一子市議(左)
健康のために「仮設住宅の仲間でグラウンドゴルフをしている」と楽しそうに話していた男性は、原発の話になると顔が険しくなります。それほど原発にたいしての怒りの強さを感じます。

また仮設住宅は「風呂のエプロンが高いうえ、手すりがなくて出られない。風呂で三十分も泳いでもがいた」「郵便受けが雨で濡れる」など、要望をお聞きして、現地のセンターに伝えました。

2日間で用意した67袋のお米を届けることができました。これから冬を迎えることへの不安の声も多く、「地震・津波にも家は無事だった。原発がなければ、こんな生活をやらなくてもよかったのに」という声が耳に残ります。

(2011年10月23日付「兵庫民報」掲載)

ここがポイント! 原発問題 第3回

「電気料金のからくり」
電力産業労働運動兵庫研究会 事務所長 本行 清

原発から撤退し、自然(再生可能)エネルギーを爆発的に普及させていくうえで問題となるのは、「電気料金が上がるのでは?」といった疑問です。

確かに自然エネルギーは一定の負担を消費者にお願いすることになるかもしれません。しかし、そのことはエネルギーの浪費を見直し、エネルギー問題を自分の足元から見直すことになるのではないでしょうか。

同時に今の電気料金のからくりも理解しておく必要があると思います。いまみなさんがお支払いの電気料金には、原発推進のための費用が含まれているということです。

ひとつは「電源開発促進税」で1kWhにつき37.5銭の税率で消費者が負担しています。この税金は年間3500億円になりますが、これが電源立地にばらまかれて原発を推進してきました。

もうひとつが電気料金のきめ方です。電力会社は公共性の高い設備産業ですが、そうした企業(水道・鉄道等)では、報酬(もうけ)を含めた金額を料金として消費者から徴収しています。それが「総括原価方式」です。

この方式では、電気料金は「総括原価」に「報酬」(3%)を上乗せしてきめられています。

問題は総括原価に何が含まれているかです。ひとつは原発を含む発電所等の建設費です。いまでは原発1基を建設するのに5000億円はかかるといわれています。建設中を含むこの費用が原価に含まれているのです。それと原油やLNG等の燃料費も含まれていますが、核燃料のウランも当然含まれており、しかも加工中のものも含め10数年先のものまで含まれています。福島原発事故で冷やし続けなければならない例の「使用済み核燃料」も再処理すれば燃料になるということでこれも原価に含まれているのです。

電力会社はこうして総括原価が膨らめば膨らむほど報酬が上がるため、「安心」して原発を推進してきたのではないでしょうか。

なお、この総括原価方式については中味が複雑で全くブラックボックスになっています。再生可能エネルギー法審議の中で、日本共産党の吉井英勝議員が追及し、その中味を明らかにして買い取り法による電気料金の抑制に役立てるよう要求しています。(終)


太陽光発電への助成(単位:万円)
電力兵庫の会調べ(2011年8月27日現在)
1kWあたり上限備考
4.84810kW未満
22010kW未満
神戸市26
西宮市1件につき1010
経費の1/325複合設備
芦屋市310
川西市310
明石市26
412市内業者
加古川市経費の1/320
高砂市26
稲美町15
播磨町28
小野市3.510
加東市3.510
姫路市26
7市内業者
相生市312
赤穂市312
416市内業者
宍粟市520
728市内業者
たつの市312
416市内業者
豊岡市520
洲本市28


(2011年10月23日付「兵庫民報」掲載)

レッドパージ兵庫訴訟 控訴理由書を提出

歴史評価に耐える正義判決を
高裁第1回弁論12月20日

控訴審への決意を固める(左から)レッドパージ犠牲者の
川崎義啓さん、大橋豊さん、岡井理一さん、安原清治郎さん

61年前、共産党員を理由に「破壊分子」と呼ばれ職場を追放されたレッドパージ犠牲者が、国と企業に名誉回復と損害賠償を求めている兵庫訴訟で、原告と原告弁護団は9月30日、控訴理由書を大阪高裁に提出しました。

原告側の歴史的事実に基づく主張をすべて門前払いした神戸地裁の請求棄却判決から、そして控訴手続きから3カ月弱。弁護団8人が、地裁判決の誤りを詳細に指摘し、大阪高裁の果たすべき役割を総力でまとめた控訴理由書は約80㌻です。

その内容は、レッドパージとは何だったのかの事実、原告3人が国家賠償を正面から求めた本訴訟の特徴、スペインなど諸外国ですすむ思想の自由を侵害された犠牲者への権利回復の流れ、明神勲北海道教育大学名誉教授が新資料をもとに明らかにした連合軍総司令部(GHQ)の関与の実態、などです。

そのうえで控訴審に対し、思想信条の自由を踏みにじった重大性の直視と「生きているうちに名誉回復を」「日本国憲法と真実に基づいた判決」を訴える原告たちに、人権擁護の砦として、歴史的評価に耐えうる正義の判決を下すよう強く求めています。
大阪高裁の第1回弁論は12月20日です。

原告3人は高齢をおし、法廷に通います。

「マッカーサー命令は人権違反。国や企業はしてはならないことをやった。負けられない勝って当然の裁判」(川崎義啓さん・94歳)

「明神教授が私たちの主張の正しさを立証した。司法の間違いは明らか。思想信条の自由は基本的人権だ」(安原清治郎さん・90歳)

「英知の結集した控訴理由書に力をもらった。勝訴するまで3人で生きつづける」(大橋豊さん・81歳)と決意を語っています。

(2011年10月23日付「兵庫民報」掲載)

兵庫の戦争展実行委員会:「世相と心の戦跡を巡る」

10月10日、「兵庫の『語り継ごう戦争』展」実行委員会主催で神戸を巡る戦跡ツアーが行なわれ26人が参加しました。

神戸駅前の「戦災復興完成記念碑」からスタート、先ず兵庫運河高松橋上の「八尾善四郎銅像」。運河を完成させた八尾善四郎の銅像は日露戦争に役立ったからだと言うことで戦時中の金属供出も免れ残りました。

次に須磨区東町の「原爆模擬爆弾」落下地点。原爆と全く同型の爆弾が全国では49発落とされていますが原爆の投下練習のためでした。

継いで離宮公園の園内で「戦災慰霊碑」。これは空襲のあと多数の死体が運ばれ焼かれるのを見た尼僧が供養塔を建てますが、大震災で倒れたままであったものを神戸市が9月末に再建したのです。

それから須磨浦公園の「緑の塔」。この塔は太平洋戦争直前に建てられた「八紘一宇」を刻んだ塔の台座に建っています。最近背面の壁が最近剥がれてきて「神武天皇東征」の絵が顕になっています。

午後は六甲山に登り記念碑台の「グルーム氏胸像」。同氏は日本で最初に六甲山にゴルフ場を造ったことで知られています。地元の人が「六甲開祖の碑」を建てたものの戦争中に倒され、1993年になってこの胸像を建てます。(戸崎曽太郎)


「ストップ・ザ応益負担」兵庫集会 ことしで6回目

障害者総合福祉法制定めざし

光生園(神戸市垂水区)の仲間の太鼓演奏に
聴き入る「ストップ・ザ応益負担」
兵庫集会の参加者
「創ろう!私たちの願いがつまった障害者総合福祉法を」を合い言葉に「ストップ・ザ応益負担兵庫集会」が10月13日、神戸東遊園地でひらかれました。

障害者の社会参加に対し「応益」の名で1割負担を強いる障害者自立支援法施行から6年目。憲法違反の同法廃止を訴える集会もことしで6回目です。小雨のなか、県下各地から600人が参加しました。

「ストップ・ザ応益負担」兵庫の会代表の津田充幸さん(兵障協会長)は「“私たち抜きに障害者のことを決めないで”の訴えが世論になった。8月30日に障害者総合福祉法の骨格案がまとまったが文字通り骨組み。骨抜きにしてはならない。人間の尊厳をとりもどす闘い」と挨拶しました。

支援法訴訟兵庫弁護団の福田大祐弁護士が情勢報告。「骨格案がまとまったことは意義ある。団結し声を上げ法制定へ推進力になろう」と呼びかけました。

3人が登壇。「障害のある人も、ない人も誰にも、平等に生きる権利がある」(兵庫訴訟元原告・田中昌子さん)、「利用者の、もっと働きたいという気持ちを奪わないでほしい」(福祉施設職員・福井美沙さん)、「応益負担は私たちのコミュニケーション権を侵害している」(兵庫県聴覚障害者協会理事・志方龍さん)と訴えました。
参加者は大丸前までパレードをしました。


(2011年10月23日付「兵庫民報」掲載)

年金者一揆兵庫行動

安心して暮らせる社会に!

「年金制度改悪は許さない!」三宮センター街を行進
野田内閣が「税と社会保障の一体改革」の名のもと、年金支給開始年齢の引き上げや年金支給額削減を打ち出すなか、全日本年金者組合の呼びかけた年金者一揆が10月14日、各地でとりくまれました。兵庫でも雨のなか街頭宣伝とデモ行進がおこなわれました。

三宮マルイ前での宣伝には105人が参加。45分の行動で、消費税増税なしの最低保障年金制度を求める署名240筆が集まりました。

神戸市役所花時計前のデモ出発集会で、兵庫県年金者組合の岡本毅一委員長は「政府案は年寄りイジメのメニューがオンパレード。年をとっても、誰もが安心して暮らせる社会にしよう」と呼びかけました。

兵庫労連の津川知久議長も「職も、年金もない、とんでもない社会にしてはならない」と述べました。

約200人が、黄色の法被姿で、「怒」のプラカードを持ち、センター街を東から西へデモ行進しました。


(2011年10月23日付「兵庫民報」掲載)

県自治研がシンポジウム:「地域主権改革」で福祉後退

兵庫県自治体問題研究所が「『地域主権改革一括法』制定で地方自治と住民の暮らし・福祉はどうなるか」をテーマに10月15日、県自治体学校を神戸市勤労会館でひらきました。自治体職員や議員、民主団体代表ら50人が参加しました。

本多滝夫龍谷大学教授が基調講演。地域主権改革で自治体が条例制定する場合も、国民の生存権保障が大前提になると述べました。

シンポジウムでは4人が発言。「日本の子どもをどう育てるのか、子どもたちを守る国の最低基準が必要」(増田百代兵保連会長)

「措置から契約制度に変わり、障害者の暮らしを地域で支える施設がどんどんなくなっている。自立支援法では何も解決していない」(中村好孝きょうされん兵庫支部長)

「地域包括システムは予防の名で自己責任を求めている。特養老は医者も看護師もいらない、箱でいいという考え方」(宮野孝子社会福祉法人駒どり専務)

「医療・介護難民が増えるのではないか。地域公立病院は在院日数短縮など効率化、黒字化をめざすため、矛盾が出てきている」(今西清自治労連専門委員)など報告しました。

(2011年10月23日付「兵庫民報」掲載)

観感楽学

今月13日、神戸・東遊園地で触手話で話す盲ろう障害者や白杖・盲導犬、車いすで移動する障害者、ヘルパーに支えられた方など600人の障害者や関係者が「創ろう!私たちのねがいがつまった障害者総合福祉法!」をメインスローガンに活気ある集会を開いた▼食事をするにもトイレに行くにも「利用料」を支払え、という最悪の「障害者自立支援法」が一方的に実施されて5年。この間、裁判闘争など幅広い運動で一定の改善も勝ちとってきた▼民主党政権の混乱に振り舞わされる一面もあったが、運動は着実に広がり前進している。8月30日、障がい者制度改革推進会議の総合福祉部会で障害者総合福祉法骨格提言が55人の委員全員の一致でまとまった▼障害者の所得保障など今回見送られた部分もあるが、少なくともこの提言を尊重した新しい障害者総合福祉法がつくられることを求め、さらに運動を広げていきたい▼5月29日付本欄で紹介したドキュメンタリー『年金不信』が、2011年度民間放送連盟賞テレビ報道番組最優秀に130作品の中から選ばれたと嬉しい知らせが届いた。再放送も予定されており、ぜひご覧いただきたい。(N)

(2011年10月23日付「兵庫民報」掲載)

2011年10月20日木曜日

バスに乗って行こう!全国青年大集会

姫路・明石・神戸・尼崎から
10・23東京明治公園へ

10月22日夜発~24日朝帰着
詳しくは http://kaeruhyogo.cocolog-nifty.com/blog/2011/10/go-8181.html

全国青年大集会2011兵庫バスツアー実行委員会
☎078-577-6255(日本共産党兵庫県委員会)

(2011年10月23日付「兵庫民報」掲載)

2011年10月16日日曜日

神戸:中学校給食の完全実施を—学習と運動の交流会

いまこそ声実らそう

幅広い年齢層の人々が参加した神戸の交流会

「神戸の中学校給食を実現する会」は「学習と運動の交流会」を10月8日、神戸市立新長田勤労市民センターで開き、百人以上が集まりました。

「神戸市の中学校給食の完全実施を求める」市議会請願署名運動はことし7月、10万人を目標にスタート。交流会では、9区すべてに「会」が結成され、すすめられている様々な取り組みが紹介されました。

東灘区では、受取人払いの返信封筒をつけたアンケート用紙を5千枚配布し、集会当日までに250通近くが返ってきています。

灘区では、毎月2回、JR六甲道駅南などで署名宣伝に取り組んでいます。

中央区では、手作りポスターも作成。10月1日、宇治川商店会での宣伝では一時間足らずで74人が署名しました。

兵庫区では、毎月5日に東山商店街などで宣伝を続ける他、地域の子ども会やサッカークラブなどにも署名用紙を届け、協力を呼びかけています。

長田区では、高齢者も「孫のために」と署名。宣伝カーも回して訴えています。

北区では、それぞれのつながりを最大限にいかして取り組み。労組の掲示板にポスターを張らせてもらった職場もあります。ニュータウンへの返信封筒付き署名用紙配布も行います。

須磨区では、区の会のもとに東須磨地域の会も結成されました。

垂水区では、運動会が行われている保育所の門前で宣伝。「(給食を)やって、やって」との声が多く、会員も励まされています。

西区では、地下鉄駅前などで宣伝。1時間に2百人が応じた日もありました。子育て世代の多い地域での活動も検討しています。

講演では、料理研究家の坂本廣子さんが、食文化の伝承、子どもの貧困の問題など中学校給食の大切さを縦横に解説。

また、日本共産党の金沢はるみ市議が、9月議会では次々と与党議員も中学校給食の問題を取り上げるようになるなど、市民の運動が議会を動かしていることを報告しました。

(2011年10月16日付「兵庫民報」掲載)

衆院比例候補を発表

日本共産党中央委員会は10月11日、衆議院比例第1次予定候補者を発表しました。近畿ブロックは次の3人です。

穀田恵二(64)=現=
こくた けいじ
衆院議員6期、党国対委員長、党常任幹部会委員
宮本岳志(51)=現=
みやもと たけし
衆院議員1期、党中央委員、元参院議員
清水忠史(43)=新=
しみず ただし
党大阪府副委員長

(2011年10月16日付「兵庫民報」掲載)

尼崎:災害に強い新県立病院を—「県塚の会」が学習会や宣伝

通りかかった人から「ありがとう」と
感謝の声もかけられた翌日の署名宣伝
「県立塚口病院の充実と尼崎市及び阪神地域の医療を考える会(県塚の会)」は10月7日、「災害に強い病院建設を求める学習会」を、尼崎・さんさんタウンコミュニティホールで開き、28人が参加しました。

県は県立尼崎病院と塚口病院を統合し、730床の新病院建設をすすめています。また東日本大震災で多くの災害拠点病院が機能を発揮できなかったもとで、学習会は、大規模災害に強い県立新病院を求めようと開かれました。

尼崎都市・自治体問題研究所理事の安田義氏が「想定される尼崎の大規模災害」、建築士の黒田達雄氏が「県立新病院建設の問題点」について報告。徳田稔事務局長がまとめ報告と今後の行動提起をしました。

安田氏は「半分が海抜ゼロ㍍の尼崎は、防潮堤、海岸保全施設、排水ポンプで守られている。3連動の巨大地震による津波では、防潮堤が液状化なども加わって倒壊の恐れがある。また39カ所の閘門、水門、樋門が電源喪失などで閉まらなくなる危険もある」と指摘しました。

宮田静則県議は「新病院は災害拠点病院にすると県が言っている」と朗報を報告しました。

翌8日には、「新病院は災害に強い病院建設を」「尼崎・塚口両病院跡には民間病院の誘致など求める」署名宣伝を阪急塚口駅前で25人で行い、318人から署名が寄せられました。

(2011年10月16日付「兵庫民報」掲載)

座談会:住民こそ復興の主人公に(下)

阪神・淡路大震災でのコミュニティづくりの経験から

仮設住宅でのコミュニティづくりについて

堀内 いま、被災地では、むしろその前段階の仮設住宅などでのコミュニティづくりが課題になっているところですが、この点はいかがですか。

平野 芦屋では、浜手に大きな仮設住宅が建てられたのと、あとは地域のグラウンドなどに仮設住宅が建てられたので、市内の人がバラバラにはならず、ある程度コミュニティが守られました。

松本 東灘でも地域のグランドに仮設住宅が建てられましたが、抽選で、東灘の人が中央区の仮設住宅に入り、逆に中央区の人が東灘の仮設住宅に入るなどバラバラにされてしまいました。

そうしたなか、いろんなボランティアがきて、仮設住宅の集会所で歌う会など様々な支援を行うなかで、住民同士が仲良くなっていきました。

堀内 いまの被災地でも、私たちが仮設住宅で、青空市を開催し救援物資を広げると、そこではじめて住民同士が顔を合わせて、もともとご近所さんだった方たちが「あなた、ここにいたの?」と喜びあう場面がいくつもみられたそうですよ。

抽選でバラバラに入ったため、ご近所さん同士でも、どこに避難しているのか分らないし、同じ仮設住宅にいたことも、そこで出会うまで分からなかったようです。そこをボランティアが青空市をすることで物資の提供だけでなく、出会いの場づくりにもなった。今後、継続した支援を通してコミュニティづくりの手助けをするボランティアの役割も重要ですね。

森本 行政の役割も重要です。復興住宅のように生活援助員(ライフサポートアドバイザー=LSA)を配置するとか、芦屋市にあるようなケア付き住宅などで高齢者の見守りを行うことなどが求められます。

松本 神戸市西区にあった仮設住宅では、なかに診療所を置いたところもありました。

それと行政の最大の役割はやはり、もとに戻れる展望をしっかりと示すことだと思います。そして孤独をなくすこと。

森本 東日本の被災地では、民間の住宅を借り上げて仮設住宅として活用するなど新しい仕組みもできています。早く普通の家で暮らせるようにと、制度的にはよくなりましたが、バラバラに住まわされるなどコミュニティを守るという点では課題も残されています。

平野 コミュニティづくりも、仮設住宅などの短期的なものと、恒久住宅に入ってからどうするかの両面が必要です。

芦屋では、行政も住民もきめ細かくサポートしたので、仮設住宅で長屋らしい近所づきあいができました。住民のなかには、仮設住宅に入ってはじめて近所づきあいができたという人もいました。それだけに仮設住宅を出るときには、涙ながらに別れたものです。

ところが、その恒久住宅に入ると、鉄の扉とコンクリートで孤立してしまうんです。そういう意味でLSAなどもサポートするのですが、限界もあります。恒久住宅でのコミュニティづくりはまだまだ大きな課題です。

芦屋では、復興住宅のなかにある花壇を利用して、ちょっとした菜園をつくってその世話をするサークルができ、野菜をつくって収穫したり、その花壇のまわりで様々な行事を企画したりと、コミュニティづくりの努力がされています。また、その活動を党員が支えています。仮設住宅でも党員が世話役で随分がんばりました。

堀内 大きな津波で集落ごと流されてしまったところでは、海沿いにまた街を再建するのかどうかも、まだこれからのことですし、福島では街を再建しても放射線被害のもと、人が戻ることができるのかという点で、さらに大きな壁があって本当に厳しい道のりですが、今日、話し合った阪神・淡路大震災の経験が少しでも役に立てればと思います。

同時に、今、阪神・淡路では、民間借り上げの災害公営住宅からの追い出しで、また築き上げられてきたコミュニティが壊されようとしています。このような課題にもしっかりとりくみ、今後の被災者支援制度の改善へ力を尽くしたいと思います。今日は、ありがとうございました。 (終)

(2011年10月16日付「兵庫民報」掲載)

連載各回へのリンク中①中②


借上げ復興住宅 “住み続けられるよう一緒に頑張りましょう”と励まして

日本共産党元県議会議員 北岡 浩

ポートアイランドの借上げ住宅を訪問して、
入居者を励ます北岡氏(中央)と江見氏(右)
東日本大震災の被災者は、長期にわたる深刻な生活が続いていますが、阪神・淡路大震災の被災者にも、16年もたつというのに新たな深刻な不安が広がっています。兵庫県が旧「住宅・都市整備公団」からの「借上げ復興住宅」に入居している被災者に「近く契約期限が切れる」として「住み替え」を強要しているからです。

私たちは今年の2月、中央区内の巨大団地の中で県が「バラ借り」している約3百戸のほぼ全戸を訪問、「住み続けられるよう一緒に頑張りましょう」と励ましてきました。

ところが、今年の9月、兵庫県は住み替えについての調査票を入居者に郵送しました。それを受けて地区委員会に問い合わせや不安の声が寄せられました。このため被災者の不安を取り除き励まそうと、居住支部の党員や江見地区常任委員と再度の訪問を開始しました。

「この年になっての引っ越しは肉体的にも精神的にも無理」「行きつけの医者に行かれんようになる」「せっかく近所の人と馴染になったのに」「県は薄情なことをしよる」「絶対に転居せえへん」などの声が多く寄せられました。「共産党か、関係ない何の用や」と対応した横柄な男性も訪問の趣旨を伝えると「そら、ええこっちゃ」と応対、別の高齢者は「もっと早く教えてくれればよかったのに。今日から安心して眠れる」と語り、病弱のあるご婦人は、過去のつらい思いがよぎったのでしょうか思わず涙を流していました。

1日あたり連続約3時間、肉体的には大変ですが「国民の苦難のあるところ日本共産党あり」日本共産党の一員としての誇りを感じるさわやかな疲れです。話の弾んだところでは、しんぶん赤旗の購読もしていただきました。

(2011年10月16日付「兵庫民報」掲載)

ここがポイント! 原発問題 第2回

「自然エネルギーで大丈夫か」

電力産業労働運動兵庫研究会事務所長 本行 清


環境省の2010年ポテンシャル調査によれば、現在の全発電能力は2億2千万kW、うち原発は4885万kW。一方、再生可能エネルギーの潜在的導入可能量は20億kWを超える。
電力センターの近畿各地での原発問題の講演会で寄せられるもうひとつの質問は、原発をなくした場合、自然エネルギーで安定供給が図られるのか。という質問です。

まずはじめに、日本の自然(再生可能)エネルギーは大きな可能性を持っているということです。環境省が2010年に発表した「再生可能エネルギー導入ポテンシャル(可能性)」では、太陽光・風力・小水力・地熱等の可能性は、現在の日本の全電力量の約10倍、原発54基分の約40倍もあることが明らかになりました。

今後5年から10年たてば、原発が占めていた発電量に匹敵する約30%程度を自然エネルギーに置き換えることは可能です。

問題は、福島原発事故が起きた今でも、「安全神話」に固執し原発推進を進める政府・電力会社の姿勢です。この5年間だけでも原子力対策には2兆円以上の税金をつぎ込みながら、自然エネルギーには6500億円にも達していません。

それを改め自然エネルギーに振り向けるならば、地産地消の小規模なものが全国各地で作られ、地元の地域おこしにもなります。

しかし課題もあります。自然エネルギー、特に太陽光や風力、小水力などは、その発電量が気象条件によって不安定なことです。また、電力需要の少ない時(夜間)に大量の電力が発電されることも予想されます。

そのため検討されているのがスマートグリッド送電網の構築です。スマートグリッド送電網は、情報通信技術を活用し、電力の需要と供給を常時最適化するもので、次世代型の送電網です。いまの送電線網は電力会社に独占されていますが、これを分離し、公的な管理運営を進めながら、同時並行で次世代型送電網の構築を進めていく必要があります。

お知らせですが、「スマートグリッド」について、電力近畿センターでも研究してきましたが、近々その成果を小冊子にまとめて発行する予定です。ぜひご期待下さい。(続)

(2011年10月16日付「兵庫民報」掲載)


再生可能エネルギーの内訳
風力発電 19億kW
太陽光発電(非住宅系のみ) 1億5千万kW
中小水力発電(設備容量3万kW未満) 1千4百万kW
地熱発電 1千4百万kW
合 計 20億kW超

表作成:電力近畿センター(データは環境省)



*連載各回へのリンク第1回第2回、第3回


近畿生活保護支援ネットに相談した中尾奈緒さん

これで助かる!涙止まらず

失業や病気で生活困難になった人たちの相談に、無償で対応し、生活保護申請などを手伝い、自立への道を支援する、近畿生活保護支援法律家ネットワークが、相談活動開始から5年目をむかえました。現在近畿6府県の弁護士や司法書士278人が登録。扱った相談件数は6623件です。ことし4月、近畿ネットに相談し、生活保護を受けられるようになった中尾奈緒さん(27)に話を聞きました。

中尾奈緒さんと相談員の泊満春さん
9歳からアメリカに住み、ロサンジェルスで日本人向け放送のラジオパーソナリティをしていた中尾さんは、音楽活動で訪米中だったロックギタリストと21歳で結婚。日本に戻り、神奈川県で生活。2年後、娘が生まれました。

音楽業界も不況で夫の仕事は減る一方。夫から食費月1万円を渡されるだけになりました。環境の変化と心労で奈緒さんはパニック障害を発症。不特定多数の中には居られず、人混みでの仕事や通勤の乗り物も苦痛です。

仕事への不満から暴力をふるう夫の元を出た奈緒さんは、娘を連れ、各地の福祉事務所で「お金がなくて困っています。生活保護を受けたい」と訴えました。どこも「住む場所がないと受けられない」と断られました。

転々とするなかで神戸に着き、法テラスの紹介で、神戸合同法律事務所内の近畿ネットを訪ねたのは4月28日です。それまでに何度も何人にも、窮状を説明しながら、何の前進もなく、人への不信感が募る一方でしたが、話を聞いた相談員の泊満春さん(69)はひと言「大丈夫!」。

その場で関係先へ電話し、母娘の住む家と生活保護申請を助けてくれました。6月受給開始が決定。パニック障害の治療も受けられるようになりました。

「細胞まで乾ききり『大丈夫』の意味も初め理解できなかった。これで助かるとわかった瞬間、涙が止まらなかった。私と同じように困っている人を、1人でも多く救ってほしい」と話しています。

(2011年10月16日付「兵庫民報」掲載)

ストップ!ヤマサクラ61大集会実行委員会 伊丹

演習中止求め1月に大集会

陸上自衛隊とアメリカ陸軍の共同指揮所演習「ヤマサクラ61」(YS61)が来年1月下旬から2月上旬、伊丹市の陸上自衛隊中部方面隊内で計画されています。この演習に反対する民主団体が「ストップ!ヤマサクラ61大集会実行委員会」を10月2日、結成しました。

アメリカと日本の交互の基地で実施し、外敵を日米陸軍が共同で撃破するコンピュータ演習です。米国防省「作戦見積書」には「ウォーゲーム」とあり、今回は「敵が金沢・米子方面から上陸し、大阪や京都を占領。兵庫も戦場になる」と想定しています。「反撃プラン」は「カタナ」「ワキザシ」「ユミ」と名づけています。

同実行委員会は10月5日、中部方面隊に演習を中止するよう申し入れました。11月23日には学習会、1月22日には3千人規模の大集会を予定しています。

吉尾明美事務局長は「子どもたちが戦渦に巻きこまれない世界になってほしい。平和を願うすべての人が、声を合わせ、手をとりあい行動する集会にしたい」と語っています。

(2011年10月16日付「兵庫民報」掲載)

県保険医協会公開講座 安斎育郎さん講演

子どもを放射線から守ろう

「どう理性的に対応するかが重要」と
語る安斎育郎教授
兵庫県保険医協会の市民公開講座が10月8日、県農業会館ホールでひらかれました。安斎育郎立命館大学名誉教授が「福島原発事故による放射能災害と私たちの生活」と題し講演、205人が参加しました。

放射線防護学が専門の安斎教授は「ばらまかない・浴びない・取り込まない」を大原則に、将来にわたり被曝にさらされ、臓器が小さい子どもたちを、放射線から守る必要があると強調。また表層土除去や食品汚染問題などには、理性的な対応を呼びかけ「これまで研究してきた知恵を公開し、国民が共有できるよう、声を上げていこう」と述べました。

(2011年10月16日付「兵庫民報」掲載)

兵庫県平和委員会定期総会

基地調査監視を強化

兵庫県平和委員会の定期総会が10月10日、たちばな研修センターでひらかれました。

高橋正明事務局長はことし6月の日本平和委員会全国大会神戸開催の成功と、会員500人達成を報告。「これを確信に諸課題をすすめよう」と訴えました。

また県下で来年1月計画されている日米共同指揮所演習「ヤマサクラ61」や、低空飛行など基地再編強化への注意を喚起しました。

活動方針として①県下軍事基地の監視調査活動②600人会員をめざすとりくみ―などを確認しました。

総会では、原水爆禁止世界大会起草委員長の冨田宏治関西学院大学教授が「核兵器廃絶・原発・安保」と題し記念講演をしました。

(2011年10月16日付「兵庫民報」掲載)

淡路島平和委員会 原発ゼロ学習会

淡路島平和委員会は10月2日、原発ゼロをめざす学習会を淡路市中央公民館でひらき、50人が参加しました。

元関西電力労働者の北岡浩さんが講演。具体的な放射性物質、事故後の対応などを説明しました。

また原発から撤退しても電力は不足しないことを、関西電力の社内資料から説明。電力業界・原発関連産業・官僚・御用学者・マスコミでつくる原発利益共同体が大きな問題であり、国民世論で原発からの撤退を実現しようと語りました。

(2011年10月16日付「兵庫民報」掲載)

尼崎アスベスト訴訟(労災型)第10回弁論

周辺住民調査から石綿飛散立証

報告集会で裁判経過を説明する弁護団
下請け労働者としてクボタ旧神崎工場に出入りし、石綿が原因でで死亡した2遺族が原告の、尼崎アスベスト訴訟(労災型)第10回弁論が10月7日、神戸地裁第1民事部(長井浩一裁判長)でひらかれました。

クボタの主張「石綿粉塵の漏出、曝露はありえない」に原告弁護団が再反論。石綿運搬用麻袋の荷揚げに関わった神戸港湾労働者への聞き取り調査や「粉塵が飛んできた」と明言している工場東隣の団地住民の話などから「工場内の石綿粉塵飛散は明らか」と述べました。

(2011年10月16日付「兵庫民報」掲載)

ひなたぽっころりん(478)



(2011年10月16日付「兵庫民報」掲載)

観感楽学

新原昭治さん(国際問題研究者)から新著『日米「密約」外交と人民のたたかい』が届いた。新著は、米政府の解禁秘密文書で核密約だけでなく日米間の多面的な密約外交の深部を読み解いている▼核兵器持ち込みを日本に同意させるうえで国民の反核の意思、たたかいが「解けない難問」だとする米側の危機意識が紹介されている。非核「神戸方式」はその典型だ▼今年の原水爆世界大会に寄せた潘基文・国連事務総長のメッセージ―「みなさんが集めた一筆一筆の署名、…集会でのひとつひとつの発言や集会そのもの」が「(核兵器廃絶の)発展しつつある歴史的プロセスへ人々の参加を促している」と強調した▼開会中の国連総会に新たに届けられた百二万の署名は会議場で受け取られ国連内に展示もされる破格の扱い。国連上級代表ドゥアルテ氏は「日本原水協」の名をあげ評価する演説を行い、「人民のたたかい」に寄せる国連の期待を示した▼オバマ米大統領の「核兵器のない世界」(プラハ演説)を現実のものにするのも「人民のたたかい」だ。国連軍縮週間初日(十月二四日)に行われる兵庫県から国連要請に参加した垣本聖さんの報告会が楽しみだ。(K)

(2011年10月16日付「兵庫民報」掲載)

2011年10月9日日曜日

上郡町長選:工藤たかし氏 住民に推され立候補へ

10月25日告示・30日投票

工藤たかし氏
上郡町長選が10月25日告示・30日投票で行われることになり、日本共産党元町議の工藤たかし氏が立候補を表明しました。

町長が任期途中で辞任し、住民の間から、工藤氏に町長選へ立候補して欲しいとの声があがりました。

これに応え、工藤氏は、町議会議員を9月30日に辞職し、10月3日に記者会見を行い、「文化のかおりただよう『住んでよかった』と言える町づくり」の政策を発表、町長選への決意を明らかにしました。

同政策では▽若い世代の定住策をすすめ、高齢者対策にもつなげる▽福祉施策の充実と財政健全化の両面を見据えた町政運営▽町民の立場に立ち清潔・公正な町政運営に努める▽情報公開を進め町民といっしょに町づくりを進める―ことを掲げています。

【略歴】1949年生まれ。72年香川大学教育学部卒業後、上郡町立上郡中学校教諭、同高田小学校教諭。87年からことし9月まで上郡町議会議員。

(2011年10月9日付「兵庫民報」掲載)

9月県議会一般質問:いそみ県議

日本共産党のいそみ恵子県議が9月30日、兵庫県議会で一般質問を行いました。

台風12、15号被害:救助法適用や独自支援を
知事「独自支援制度は必要ない」

いそみ恵子県議
「兵庫県の被害は、近畿で一番の浸水被害など決して小さくないのに、わずかな見舞金や融資のみで公的支援がない」

―いそみ県議は、台風12号、15号で大きな被害を受けた播磨や淡路の現地調査をふまえ県の無策を批判。災害救助法を遡って適用することや、全・半壊や床上浸水への県独自支援を求めました。

井戸敏三知事は、公的支援をしない理由を「2004年の台風災害の後、住宅共済制度ができ、09年の教訓として、家財道具も対象にした。自助をささえる共助の制度ができている」と述べ、県独自の支援制度は必要ないと答弁。災害救助法を適用しないことについては、「避難所が解消したから。市とも十分協議した」と言い訳しました。

原発再稼働に反対を

いそみ県議は、野田政権の原発政策を批判し、原発事故の危険性を強調。県民の「脱原発」の世論を受けとめ、関西電力の停止中の原発再稼働を行わないよう求めるべきだと主張しました。

高知県檮原町で
水力発電施設など
自然エネルギー活用の
取り組みを聞く県議団
井戸知事は、「今回の事故の原因究明とこれへの対策を含めた安全基準が明確にされ、これがクリアされることが、原発再稼働のための前提条件となる。したがって、いま直ちに再稼働が認められるものではなく、国における厳密な審査に待つべきもの」と答弁しました。

自然再生エネルギーを本格的に導入すべき

いそみ県議は、太陽光・風力・水力・地熱・バイオマスの各目標と具体的プログラムをつくり、導入をすすめることを提案しました。

井戸知事は「太陽光発電への補助や、相談センターの設置、住民出資型の発電事業、工業技術センターでの研究」「エネルギー推進の事務局体制の充実」などを約束しました。

公立高校の5学区素案は撤回せよ

いそみ県議は、高校通学区の拡大案について、県教育委員会での説明会で多くの不安の声があがり、県下で19もの市町議会から意見書が提出され、市町教育長すら3分の1が反対する中、強行することは許されないと強調。きっぱりと白紙にもどすべきだと迫りました。

大西孝県教育長は、県民に非公開で傍聴を認めていない検討委員会を「議事録を公開しており、昨年4月に中間報告で県民から意見を聞いたので密室ではない」と反論し、「素案は撤回せず、最終報告をふまえ、県民の理解を得ながら」あくまで強行する構えです。

【意見書を提出した議会】

  • 2010年:朝来市、養父市、新温泉町、香美町、豊岡市、多可町、加西市、三木市、西脇市、明石市、芦屋市
  • 2011年:佐用町、上郡町、赤穂市、たつの市、相生市、姫路市、川西市、福崎町


「子育て新システム」に反対を

「子ども・子育て新システム」について、いそみ県議は、経済効率優先で、障害のある子どもなどが排除され、必要な保育や支援が受けられなくなる危険性を指摘しました。また、西宮市での定員弾力化でつめこみが続いている保育所の現状をとりあげ、待機児童解消のための保育所増設と、現行保育制度を堅持するよう求めました。

いそみ県議はその他、こども・障害者医療の所得制限強化の撤回、西宮北有料道路(盤滝トンネル)の早期無料化、西宮の御前浜橋(はね橋)の通行改善などを求めました。

(2011年10月9日付「兵庫民報」掲載)

青年大集会成功へアンケート対話宣伝

消費税問題など世論に変化:「上げたら困る」が多数派

シール投票で対話を広げる民青同盟員
日本共産党兵庫県委員会と民青同盟兵庫県委員会は10月1日、10・23全国青年大集会に向け、青年の実態や願いを聞く、アンケート対話宣伝を行いました。

シール投票には約70人が答えてくれました。

「気になる社会のこと」では、「仕事・就職難」が22人、「原発・エネルギー」が15人、「消費税・社会保障」が15人、「震災救援・ボランティア」が12人でした。

消費税問題にシールを貼った青年はほとんどが「上げてもらったら困る」といいます。昨年の参議院選挙のときには「仕方ないのでは?」という声が多かったのと比べ、変化しています。

アンケートで対話になった青年は9人。

27歳の青年は、「2年間探してやっと仕事が見つかった。倉庫整理の契約社員。これまでに3回解雇され、面接は、68回落とされた。仕事探すのにも、お金と時間が必要。将来が見えない」と話し、「政治家は足の引っ張り合いばかり。まともな政治をしてほしい」と話しました。全国青年大集会や11月8日の兵庫青年交流集会のことを紹介すると、「おもしろそうですね」と語りました。

大阪から神戸に遊びに来ていたカップルは、それぞれ「原発エネルギー」「震災救援」にシールを貼りました。

男性は、「震災以降、考え方もかわった。日本社会のことを客観的に考えるようになった」と話します。カレー屋を経営しているという彼は、「風評被害もあって、震災以降、お客は減ったと思う」と話します。女性は、保育士で「私立で給料も考えられないくらい安い。もっとまともな給料がほしい」と話します。

民青同盟員が二つの集会を紹介し、「“何かこんなことやりたい”というのはありますか?」とたずねると、二人は、「ボランティアなんかも行けたら行きたいし、情報がほしい」とメールニュース登録をしてくれました。

(2011年10月9日付「兵庫民報」掲載)

座談会:住民こそ復興の主人公に(中の②)

阪神・淡路大震災でのコミュニティづくりの経験から

堀内 私が話を伺った長田区の新長田駅北地区の細田・神楽地域でも、3割だった減歩率を9%にまで下げさせたと聞きました。

平野 当時、復興型区画整理と呼ばれ、減歩だけでなく用地買収を行い公共用地を3割にする手法がとられました。

森本 自宅を再建するより、「もう年やから」と公営住宅に入る方もいて、その土地を行政が買い取ったんです。それで市のもっている土地がけっこうあった。そういう土地も活用して公共用地3割を確保したんです。

新長田北地区は事業がようやく昨年に終わったのですが、結局、借家人の方たちは戻ってこれなかった。御菅地区では半分になってしまった。もともとケミカルの工場地帯だった地域で、そうした工場が撤退するとそのまわりの労働者などの家が建ちません。長屋だと大家が再建しないと、住んでいた人たちは戻れません。

長田では、こうして商店、市場がなくなってしまって、空き地がまだかなり残されています。本当に人が少なくなったというのが、地域の人たちの実感です。

元住んでいた人が戻りたいとの強い願いを、かなえられなかったことが、コミュニティの破壊、そして後の孤独死の大きな原因となりました。

堀内 長田の細田・神楽地域では、もともと自治会のないところで、一からまちづくり協議会をつくり、借家が大半なので地主さんとの合意が必要になりますが、東京在住など多くが「不在地主」だったそうです。名簿を整理して、資料を全国に散らばる地主さんたちに郵送し、合意を得ていく作業は本当に大変だったと聞きました。

神戸市住宅供給公社が施主となって、18%の公的助成を受け、共同建て替えが実現し、半数近い世帯が元に戻ることができた例もあったということですが、地域全体でみてもやはり半数は域外に出ざるをえなかったそうです。

平野 行政サイドから事業計画が出されるときに、それに住民がどう判断して受け入れるのか…まち再興協議会の代表の方が、教訓として真っ先に言われたのが、「現実にたって理想をみる必要があります」という言葉でした。現実というのは、被災して家がなくなり、戻りたいという強い思いのことです。理想というのは、この場合、区画整理事業ですが、単純に区画整理事業をとんでもない制度だというところから出発してしまうとうまくない。そうではなくて、「戻るためにはどうすればいいのか」を第1に考えて、そのためであれば区画整理事業も利用するということを強調されました。

神戸市長田区鷹取東第1地区
 借上げ災害公営住宅が地主の再建、住民の復帰助ける

借上げ公営住宅(右のタイル張りビル、左中ごろの白いビルなど)が
建ち並ぶ鷹取東第1地区=2011年10月1日

森本 それは、長田区の鷹取東第1地区でもそうでした。ここは全部燃えてしまった地域ですが、長田区内でも一番早く事業が終わりました。街の人たちが、「いかに早く再建するか」、「区画整理になったけど、どう再建するのか」という思いでがんばりました。

長屋が多く、地主さんと住んでいる人が違うというむずかしさがありましたが、市の支援として、地主さんが再建した住宅を、災害公営住宅として借上げたことで、地主さんも再建できたし、住民の方も元に戻れました。地域には市営住宅はひとつも建てていないのですが、民間借上げで補完したのです。

平野 まち再興協議会の方が教訓の二つ目として指摘されたのは、専門家の意見をもらうことです。先程も東灘の例でありましたが、コンサルタントには行政から送り込まれてくる人もいますが、それだけに頼らずに、住民自身が専門家を味方につけ、知恵を借りるということです。

そして3番目には、住民同士の連携に一番苦労したと言われました。その秘訣はお互いに理解しあうことを1番に置くことだと。住民同士、利害や意見が食い違うことはたくさんおこります。そのときに、それを対立にもちこまないで、どう対応していくのか。難しさもあり、すべてきれいにすすんだわけではありませんがその姿勢が大事だと思いました。
つづく

(2011年10月9日付「兵庫民報」掲載)

連載各回へのリンク中①中②



福島からの願い〈下〉

正しく知って、できることを精一杯に
民青郡山地域班 神山 渚

精神的苦痛の被害でいえば、一昨年結婚した友人の女性は、とても放射能に過敏になっていて、何カ月も全く窓を開けず、外に洗濯物を干さずに過ごしています。自分が毎日どのくらい放射線を浴びているのか分からないことが不安で、しかも自分が不用意に浴びた放射線の影響が、自分の子どもに出てしまったら、どう責任をとったらいいかわからないと、原発事故前はすごく欲しがっていた子どもをつくることを、真剣にためらっています。

放射能のストレスで普通の生活を奪われてしまった人への「精神的苦痛に対しての賠償」も本当に必要だと感じます。

全国には、放射能についてよく知らなかったり、偏った知識で差別する人もいると思う。放射能に対する漠然とした不安が「フクシマ」ということばへの過敏な反応になっているのでしょう。

しかし、県境の空に壁はありません。県外の人たちにも自分のこととして、放射能について「正しく知って、正しく怖がってほしい」―ただ不安がるだけではなく、色々なリスクや知識を知り、それに対して今できることを精一杯すること。何より明るく生きること―が私たちの願いです。そしてこれからを生きる福島の子どもたちへの不当な偏見や差別をなくすことを一緒に真剣に考えてほしいです。

9月17日の「原発ゼロ!核兵器ゼロ!ゼロコネクション」で
発言する神山さん(右)

福島は今、放射能やあらゆる原発被害とたたかっています。でも、当事者だから声をあげなきゃという思いはとても強いのだけど、疲れてしまって「あー、もう何も考えたくないなー」と思ってしまうこともあります。そんな時に福島の外で、同じ思いで活動する青年がいることに、ほんとうに元気をもらいます。

この国の政治のあり方が変わらなければ、きっと日本のどこかの原発で、また同じことが起きると思います。国民の声が届かないまま、国や電力会社の思うままにすべてのことがうやむやになってしまうことがほんとうに怖いです。

いま、たくさんの声を聞く活動がとても大事だと感じています。私たちも郡山駅前などでシールアンケート活動をしています。原発への怒りや政治に対する不満を真剣に話せる場として、この国の政治を変え、これからの日本の未来につなげる行動へ、一緒に踏み出せるきっかけになればと思っています。

(2011年10月9日付「兵庫民報」掲載)

ここがポイント! 原発問題 第1回

「原発をなくして大丈夫か」
電力産業労働運動兵庫研究会事務所長 本行 清

3月11日の福島原発事故後、近畿各地から電力センターに、原発問題についての講師依頼があり、8月末現在で、約20人が累計百回以上3千人を超える人々に講演をしてきました。

そうした中で参加者からは、原発の技術そのものが未完成で、いったん事故が起これば他の事故にみられない「異質な危険」をともなっていることについて理解をしながらも、それでも「原発をなくして日本経済はやっていけるのか」「我々の生活は大丈夫か」といった質問が出されてきています。

この問題を考えるときに注意してみる必要があるのは、最大発電が可能な能力(kW)と実際発電した量、言い換えれば実際に使用した量(kWh)とは違うということです。

具体的に説明します。下の表をご覧ください。関西電力では、今年の8月30日の場合、原子力発電所の発電可能な出力は、342万kWで火力発電所は1325万kWでした。この日実際発電した量は原子力で8210万kWhに対して火力は2億4183万kWhでした。原子力は11基のうち4基の発電機を24時間連続で運転し、ほぼ100%発電したのに対して、火力は76%しか発電していないのです。

つまり電力が最大必要な時間帯(ピーク)は夏場の午後の数時間であり、この時間帯さえ乗り切れば、原子力がなくても十分電気は足りていることになるわけです。

ピークの電力不足については、過去十数年前から、夏の高校野球の時がピークになるということで、これまでも大口電力の消費者つまり大企業は、お盆休みを振り替えたりして対応してきました。特に今年は高校野球の開催時間を変更し、午後の時間帯にならないような工夫もされました。

電力量の問題では、今年は「節電」ということで、各家庭はもちろん色々なところで工夫がなされ乗り切ることができました。

要するに大量生産・大量消費・大量廃棄といったエネルギー浪費社会から低エネルギー社会へ舵を切りさえすれば、原子力発電所から撤退し、人間らしい働き方と暮らしが実現できるのではないでしょうか。(



関西電力の2011年8月30日の発電量
最高気温: 34.1℃

A B=A×24h C   D=C÷B
万kW 万kWh 万kWh %
最大発電能力 最大発電電力量 当日発電電力量 利用率
原子力 342 8,208 8,210 100%
火力 1,325 31,800 24,183 76%
一般水力 254 * 5,152
揚水式水力 99 * 1,218
新エネルギー 0.5 * 5

*印:水力・新エネルギーについては気象条件などにより最大発電電力量が変動する
電力労働運動近畿センター作成

(2011年10月9日付「兵庫民報」掲載)


*連載各回へのリンク第1回第2回、第3回

兵庫県高齢者大会 安斎育郎さんが講演

放射線に対し「理性的に怖がろう」
と話す安斎教授
ことしの兵庫県高齢者大会が9月29日、宝塚市西公民館でひらかれ、230人が参加しました。神戸市以外での開催は初めてです。

宝塚高齢者運動連絡会の左雲正冨会長が開会挨拶。「一人ぽっちの高齢者をなくそう」を合い言葉に05年、宝塚で連絡会を結成し、高齢者全国大会に毎年代表を送っている活動を紹介しました。

兵庫県高齢者運動連絡会の西岡幸利会長は「東日本大震災の甚大な被害に対し、救援復興運動を支援するのか妨害するのか、政治の分かれ道にきている」と強調しました。

基調報告では、被災した岩手・宮城・福島3県の高齢化率が約24%、死者の半数以上が65歳以上と指摘。「大災害ではいつも弱者が被災。高齢者に優しいまちづくりをいっしょに考え、安心ネットワークを広げよう」と呼びかけました。

安斎育郎立命館大学名誉教授が「原子力の専門家として皆さんにお伝えしたいこと」と題して講演。「国家と電力会社、自治体、一部住民がいっしょになって原発を推進してきた経過を忘れてはならない」「巨大な負の遺産をどう後片付けするか、政府や電力会社、そして自分たちみんなでも考えよう」と述べました。

(2011年10月9日付「兵庫民報」掲載)

日本トムソン正社員化裁判:高裁が不当判決

1審慰謝料命令を取消 違法容認

上告し闘う決意を述べる原告の(左から)島村賢治さん、川井雅広さん

JMIU日本トムソン支部の組合員9人が、解雇撤回と正社員化を求めている裁判の控訴審で大阪高裁第9民事部(坂井満裁判長)は9月30日、原告の請求を棄却、被告会社の訴えに基づき一審判決の慰謝料支払いを取り消す、不当判決を出しました。原告らは上告しました。

ベアリングメーカー日本トムソン姫路工場(姫路市書写)は09年2月、「業績悪化」を理由に契約期間満了5カ月前にもかかわらず、派遣労働者の解雇を通告しました。

労働者たちはすぐにJMIU日本トムソン支部に加入し、直接雇用を求めて交渉。労組の調査で、偽装出向に始まり、偽装請負、派遣期間超過と5年間に形態を変えていった会社の違法行為が明らかになりました。

兵庫労働局も職業安定法44条違反、労働者派遣法違反を認定し09年3月、雇用安定をはかるよう会社を指導しました。会社は6カ月の有期として直接雇用しましたが、09年10月以降の雇用延長を拒否しました。労働者9人が地位確認を求めて09年4月提訴しました。

ことし2月の神戸地裁姫路支部判決は、会社の雇用責任を認めませんでしたが「5年の長きにわたり違法な労働者派遣が実施されていたことは明らか」と会社の違法行為を認定。4人の原告に慰謝料各50万円を支払うよう命じました。双方が控訴していました。

この日の高裁判決は一審での会社側主張を全面採用。そのうえに「当時、製造業が労働者派遣の対象として容認されていなかったため、出向の形態が利用されたにすぎず、実質的に労働者派遣にあたり、職安法44条違反とは認められない」とし慰謝料支払い命令を取り消しました。

労組と原告団、弁護団は声明を発表。「違法状態下で働いても、労働者に守られる権利利益はない、として原告らの請求を切り捨てた控訴審判決は、まさに派遣労働者を物と同様にあつかうもの」と強く抗議しています。

同夜、報告集会が神戸市総合福祉センターでひらかれ、約50人が参加しました。吉田竜一弁護士は「労働者の願いに耳を傾けない冷たい判決。産業振興のためなら住民犠牲を容認した泉南アスベスト高裁判決と同じ。体制に乗っかったもの」と述べました。

原告が決意表明。「もうすぐ家族が増える。その子のためにもまともな社会にしたい」(島村賢治さん)、「ここであきらめたら別の会社でも同じ事がおこる。最高裁でも正社員化を求めて闘う」(川井雅広さん)と訴えました。

(2011年10月9日付「兵庫民報」掲載)

和歌山県水害ボランティア報告

日本共産党兵庫県委員会書記長 松田 隆彦
息を呑む台風被害の状況

電線に引っかかったボート
9月27日から29日まで、和歌山県の災害復興支援ボランティアに4人で向かいました。当初は17日からの連休に、那智勝浦へ入る予定でしたが、台風15号接近のため延期。今回は新宮市熊野川町で実質1日半の活動になりました。

熊野川は奈良県から流れる十津川水系と三重県大台ガ原を源流とする北山川水系が合流し、熊野灘に流れ込む1級河川です。熊野川町付近は川幅も広く、普段は緩やかな流れです。台風12号では、膨大な雨水で、川幅約100mの両岸道路脇の電柱てっぺんまで冠水、2階建て民家の屋根まで水につかりました。

ボートが地上4、5mの電線に引っかかったまま放置され、瀞峡めぐりの船着き場が大破し、橋脚に大量の流木が突き刺さっていたりと、参加者は「いったい、どれほどの水が出たのか!」と息を呑む水害の傷跡でした。

私たちは現地ボランティアセンターに登録し、泥出し作業に参加しました。

庭の泥をかき出すボランティアたち
1軒目の家は、高台でしたが、天井まで冠水し、家人が壁クロスを張り替えていました。ボランティアが納屋から道具類を出し泥を土嚢に詰めて運びましたが、納屋の奥半分は、大きな冷凍用コンテナ二つがひっくり返り、重機なしには手をつけられません。ボランティアのリーダーは「家人は本当に憔悴しきっていましたよ」と教えてくれました。

次の家は、住んでいた老夫婦が水害に遭い怪我をし、ヘリコプターで助けられ現在入院中だそうで、まったく手つかずです。市役所職員が立ち会い、依頼内容の説明を受けて作業開始。庭先の泥を次つぎ土嚢に詰め、側溝の泥もきれいに取り除きました。

しかし家の中はひっくり返ったまま。捨てるか捨てないかの仕分けができず、退院しても、このままでは家に戻れません。心配ですが、この日の作業はここまで。この先は、次のボランティアにまかせるしかありません。

翌日の3軒目は、駐車場の泥出しです。泥にタイヤが沈み込み、出入りできません。非番を利用しボランティアに来た地元消防士のチームと一緒に、泥を運び川岸に捨てる作業をおこないました。

現地では大学生、NGO団体、近畿各地の社会福祉協議会メンバー、地元住民などのボランティアが連日活動していますが、作業は大量に残っています。区役所やボランティアセンターに寄せられた要望を、仕分けし、ボランティアに割り振ります。休日は比較的多数集まりますが、平日はまだまだ不足しているようです。

日本共産党兵庫県委員会はひきつづき、和歌山県委員会と連携しながら支援にとりくみます。

(2011年10月9日付「兵庫民報」掲載)

神戸医療生協 須磨海岸で地引き網

参加者全員が二手に別れ網を引き揚げました

ピチピチ跳ねる魚を
手にとる子どもたち
神戸医療生活協同組合の地引き網体験会が10月1日、須磨海岸でおこなわれました。県外を含め各地から家族連れら約250人が参加しました。

須磨漁港の第十戎丸(4.9t)が沖合200mに撒いた網を、参加者たちは二手に別れ「オーエス!」の掛け声で息を合わせ引き上げます。「めっちゃ重い」「がんばれ!」の声も飛びかいました。

須磨海浜水族園飼育係の笠井優介さんが
捕れた魚を説明
砂浜直前で網からジャンプし逃げた魚もいましたが、12種類を捕獲。最大は50cm近いスズキです。ハマチ、マダコ、マアナゴ、マダイ、カワハギなど季節を代表する瀬戸内の魚が揚がりました。神戸市須磨海浜水族園飼育係の笠井優介さんがそれぞれの生態をわかりやすく説明。中には「う~ん、名前を思い出せない」という魚も。

魚は抽選で配られました。大きなスズキを引き当てた樋口迅さん(61)=神戸市長田区=は「どうやって料理しよう」と嬉しい悲鳴。

神戸医療生協健康まちづくり部の西川直樹さんは「子どもを対象にした初企画です。予想を超える人数で、天候にも恵まれ、成功です」と語りました。

(2011年10月9日付「兵庫民報」掲載)

一コマまんが

日米会談の危険なおみやげ

段 重喜

(2011年10月9日付「兵庫民報」掲載)

2011年10月2日日曜日

「神戸・市民要求を実現する会」結成

運動の相互協力と連帯 恒常的に

“現神戸市政のもとでは市民の運動ぬきには要求実現は進まないとの認識に立ち、団体の相互協力と連帯の力で市民要求を実現することを目的とする”恒常的な共同組織――「神戸・市民要求を実現する会」が9月25日、民主団体と日本共産党の参加で結成されました。
神戸市では、「ストップ!神戸空港」「保育所民営化反対」など従来の運動に加え、この間、「国保料値下げ」「敬老パス有料化ストップ」「中央市民病院移転反対」「中学校給食実現を」はじめ新たな運動や要求実現のための様々な「会」が結成され、それぞれ数万単位の請願署名運動に広がるなど、諸団体の市政に対する要求実現運動が前進してきました。

また、諸団体の要求運動と日本共産党市議団の議会活動との連携も強まっています。

こうした状況のもと、前回2009年市長選に向け、社保協神戸市協の呼びかけに13団体が結集し「いのちと暮らしを守る神戸市政への転換をめざす市民集会」が開かれ、個々の運動を束ね市政要求を掲げる恒常的な共同組織を求める機運が高まってきました。

昨年12月には2回目の「市民集会」を開催。共同組織結成へ具体化が進められ、今回の結成総会となったものです。
「神戸・市民要求を実現する会」は、①神戸市に向けた要求実現の運動を共同で推進する②各団体・組織の運動の交流を通じて、相互理解と連帯を強める③政治経済情勢や神戸市政についての調査・研究を行い、政策力量を培う―の3点の活動に取り組みます。

「会」は10月上旬には、市長あて共同要望書を市に提出する予定です。この要望書は、「会」結成に向けての取り組みの中で練り上げ、東日本大震災・原発事故など新たな情勢の展開と、市民のたたかいと運動の進展とを反映させた130項目にわたるもの。新年度予算編成への市民要求反映をめざしています。市からの回答を受けてさらに取り組みを進めます。
9月14日、新長田勤労市民センターで開かれた結成総会には220人が詰めかけました。二宮厚美神戸大学教授が、民主政権がねらう「消費税の社会保障目的税化」の問題点について講演。日本共産党の山本じゅんじ市議が矢田市政10年間の実態を報告しました。
結成総会時点での構成団体は次の18団体(=代表団体、=事務局団体)。連絡事務所は兵庫労連です。
兵商連神戸市協議会/兵庫労連/兵庫民医連/「ストップ!神戸空港」の会/神戸医療生協/神戸健康共和会/社保協神戸市協議会/保険医協会神戸支部/日本共産党神戸市議団/神戸の造船を残そう連絡会/中学校給食を実現する会/敬老パスの無料復活を求める神戸市民連絡会/神戸市保育運動連絡会/生健会神戸市協議会/年金者組合神戸市協議会/新婦人県本部神戸市対策会議/兵障協/日本共産党県委員会

(2011年10月2日付「兵庫民報」掲載)

初期の原発建設にかかわって:三菱重工元技術者 会澤章夫さん

三菱重工に50年前、技師として入社し、原子炉建設の初期段階からかかわった会澤章夫さん(74)=尼崎市=は、管理職だったとき、原子力の危険性を上司に進言。それ以後、昇進の道を絶たれました。いまの思いを聞きました。

制御なければ核兵器そのもの

会澤章夫さん
日本の原子力「平和利用」推進を目的に掲げて、日本原子力研究所が設立されたのは1956年です。

私は翌57年、大学に入学しました。この年茨城県東海村の研究所に日本最初の原子炉が臨界(核分裂を始めること)になりました。大学に原子力工学の講座が設けられはじめたころです。

日本での研究は始まったばかりでした。私は大学で機械工学を専攻しました。熱工学として原子力について興味、関心をもちました。そもそも、大量破壊兵器になりうる原子力の巨大エネルギーを制御する「平和利用」目的は、制御がなければ核兵器そのものであると勉強しながら痛感しました。「米ソ英仏核兵器時代」でしたから。戦争を体験した教官たちも同じ理解でした。

その後、日本の原子力利用の歴史をたどる仕事に就くことになりました。
§
三菱重工に61年、大卒社員で入社し、神戸造船所に配属されました。圧力容器製造現場の生産技術者でした。当時、全国各地に火力発電所や石油化学コンビナートがつくられ、公害問題が深刻になっていました。「原子力平和利用」の名のもと国を挙げて、原発開発をすすめました。

国産第1号の発電用原子炉が62年、東海研究所で臨界になりました。日本初の商業用原子力発電所として、イギリスから輸入したコールダーホール型原子炉を建設しました。黒鉛と炭酸ガスを使った炉で、66年営業運転を開始しました。

しかし、アメリカが日本に軽水炉の輸入を強く求めてきました。沸騰水型を日立と東芝が、加圧水型を三菱が導入しました。日本を3対1の割合で、2つの型の原子炉がすみ分ける国策です。

米GE(ゼネラル・エレクトリック)&東芝・日立は東京電力福島第1発電所の原子炉を建設。米WH(ウェスティングハウス・エレクトリック)&三菱は関西電力美浜発電所を請け負いました。匠(たくみ)と呼ばれるベテラン職人たちが支えてきた職場が、海外から技術導入し、指導も受ける仕組みに大きく変わっていきました。
§
現場は美浜原発1号炉の70年運転開始へむけ、突貫工事でした。70年の大阪万博会場での「原子の灯」点灯に間に合わせるためです。会社の社史には、当時の状況を相当のページを割き、誇らしく書いていることでしょう。

企業は批判意見を職場から排除

しかし図面を持ち現場で建設に携わった技術者の多くが、仕事の中で原発の危険性、被曝の恐ろしさを知りました。私は、75年当時係長でしたが、新進気鋭の担当者からの提言をもとに、原子炉定期検査の本質的な問題点と労働者を被曝から守る対策を求め、上司にレポートを提出しました。しばらくして部署からはずされました。提言した担当者らは、自己都合退職や転勤に追い込まれました。

私は、頑張って踏みとどまりましたが、社内機密に接触できない席を与えられて、会社から行動を監視されました。非破壊検査主任技術者の専門職につきましたが、定年まで昇進しませんでした。
§
関西電力は、原発建設当初から、社員の思想調査をおこない、共産党員排除にとりかかっていました。そして原子炉メーカーの三菱重工にも同様の措置を要求しました。原発に批判的意見をもつ者、反対する者を危険分子と見なし、インフォーマルに排除する姿勢は、レッドパージと同じです。

原子炉定期検査に入る孫請け労働者は、当時からボロ布同様に使い捨てられました。いま福島原発に関わっている労働者に対する、東京電力のあつかいも同じです。周辺住民への対応を見ても、人間を大切にする企業の心がありません。

美浜1号炉の定期検査に入った私も、低線量ですが内部被曝し、いまも定期的に検診を受けています。
§
原発の被曝や核廃棄物(死の灰)問題は、確実に子孫に禍根を残します。残された人生、少しでも原子力発電の「語り部」として話さなければならないと考えています。 (文責編集部)

(2011年10月2日付「兵庫民報」掲載)

座談会:住民こそ復興の主人公に(中の①)

阪神・淡路大震災でのコミュニティづくりの経験から

もと居た場所に戻りたい

堀内 被害の様相も、これからの復興の過程も、阪神・淡路大震災のときとは違ったものだと思いますが、被災者がバラバラにされ、どう、元に住んでいた街にもどるのかという根本のところでは、共通する面もあると思うのですが、阪神・淡路大震災のときはどうだったのでしょうか。

芦屋市西部地区
 都市計画決定を延期して
 住民合意を重視

芦屋市西部地区=2011年9月24日
平野 芦屋市は、西部地区と中央地区が区画整理の対象となりました。

震災後5年目に行政が出した文書がありますが、この2つの地域のコミュニティのあり方について、対照的な評価をしているんです。西部地区は、住宅が中心の20haの事業です。地域の8割が全壊、半壊も入れたら9割以上が被害を受けたという地域です。一方、中央地区は、全壊が6割程度で、商業地域もあれば住宅もあるという13haほどの地域です。

文書は、西部地区については、「復興まちづくりの手段としての土地区画整理事業手法を採用したことについては現在も様々な批判はあるが、住民自らがまち再興協議会の活動等を通じて『まちづくり』に積極的に参加し、発言して我が町の将来を真剣に考えていこうとする機運は着実に醸成しつつある」と評価。中央地区は、「震災直後に都市計画決定されたことや、減歩や建物の移転が生じることなどを背景に事業への不満や住民間に事業の進め方に対しての考え方の違いがみられた。今後は、住民の早期再建と事業の終束を急ぐとともに、地域コミュニティの回復が必要とされる」としています。

この違いはどこにあるのか。上からの計画の押し付けが、コミュニティを壊すなど、問題の大前提にありますが、西部地区でまち再興協議会の代表をしていた方のお話を伺うと、住民合意に時間がかかってもそこを大事にしたというのです。

西部地区は、中央地区と比べて、都市計画決定(第2段階)を半年以上も先に伸ばしての決定でした。

行政からも、学者サイドからも、「いまは区画整理事業しか手法はない」「早く」とせかされるし、また区画整理事業は地域に建築制限をかけるので、たしかに早くしないとだんだんと時間が経てば、先が見えずに域外に転出する方が出るなど元に戻れなくなってしまうわけで、一部の住民からも「早く決定して自宅を再建させてくれ」との声もあがります。

しかし、全体の住民合意を大変重視したことが、時間がかかるようにはみえても結果的にはよかったのです。

神戸市東灘区森南地区
 住民が依頼したコンサルタント
 行政の計画押し返す

東灘区森南地区=2011年9月24日
松本 神戸市東灘区の森南地区は、もともと戦災復興事業もあり、街が碁盤状に整備されていたので、住民からは「なぜ区画整理が必要なのか」と疑問の声もありました。しかし、行政から事業の網をかけられてしまいました。

まちづくり協議会など住民同士で議論して、最終的には、宅地だった部分を少しとってポケットパークをつくったのと、のちにJR甲南山手駅ができる南側に公園をつくった程度でした。

大々的に網をかけましたが、工事をやったところも、やらなかったところもありました。家の前の道を広げる計画だったので、後ろにずらしてすぐに建て直せる簡易な家を建てたものの、結局工事はなくなり、「それなら最初から2階建ての家を再建したのに」との声もありましたが。いずれにしても、行政が上から事業決定を押し付けてきた矛盾のあらわれです。

住民で議論して、行政の計画を押し返すうえで、コンサルタントの役割も重要でした。

すべての事業地域にコンサルタントを置いたのですが、神戸市が指定する人以外にも、自分たちで探してきたコンサルタントを置いて、それを市に認めさせ、予算をださせて事業を展開した地域もありました。公共用地比率を3割にするという制約のなかでも、減歩率を減らすなど知恵も出していました。

(つづく)

(2011年10月2日付「兵庫民報」掲載)

連載各回へのリンク中①中②


福島からの願い〈上〉

普段の日々の喜び奪われて
民青郡山地域班 神山渚

9月17日の「原発ゼロ!核兵器ゼロ!ゼロコネクション」にゲストとして招かれた民青同盟福島県郡山地域班の神山渚さんの発言を紹介します。

原発事故直後は、放射能が降ってくるという意識があっても、とにかく何に気を付けなきゃいけないのかが分からない、情報が正しいのかもわからない、本当のところ原発がどうなっているのかもよくわからない、とにかく「わからない不安」だらけで、なんだかおかしくなりそうでした。

民青では4月から、救援募金を集めたり、福島原発の廃炉と全面賠償を求める署名に取り組んでいますが、駅前での署名活動中に「あなたここに居て大丈夫? 線量が高いから気を付けて」と言われることも多くありました。気にしてないつもりでいても、やっぱり「わたし今、被ばくしているんだ」と気になってしまいます。

1緒に活動している子は「散歩をしていて、深呼吸しようとした時に “はっと”した」ことがあったそうです。

本当にふとしたときに突然、「自分は放射線の中で生きているんだ」と“はっと”することがあります。とても天気がいい日に部屋の窓を開け「空は青いし気持ちいいなー」と思って伸びをするときとか、本当に他愛もない時に突然感じます。

こういう時が1番、人間らしい普段の日々の喜びを奪われたんだというなんとも言えない気持ちになります。

「放射線マップ作り隊」の活動にも参加しています。私が過ごしている場所は2.0μSv/hですが、普通の生活圏にある放射線は0.05μSv/hぐらいだそうです。「40倍も浴びているんだ!」って怖くなりました。

「ずっと放射線を浴び続けている」と感じて1時はけっこうなストレスでした。まわりの人があまり気にしていない中なので「私はすごく気にしているんだ!」ということを声に出せなかったのが余計つらかった。

福島に暮らす人の中でも放射線を気にする度合いは様々で、これは話してみないとわからないことです。

このことで夫婦の間に不和が生じてしまったいとこがいます。いとこは2人の幼い子どもの母親でとても線量を気にしているけれど、夫は仕事があるから避難しないと言っています。その事に夫婦の価値観の違いを感じてしまったそうです。

震災後に結婚するカップルもとても増えたみたいだけど、福島は原発離婚も増えてしまったのではないかと思います。避難するかしないかでもめて、家族離散してしまうこともあります。

見えないところにじわじわと2次被害が生まれています。 (つづく)


(2011年10月2日付「兵庫民報」掲載)

西宮子育てフォーラム:「子どもたちと震災後」

宮城県の教師が状況報告

第2回西宮子育てフォーラム「子どもたちと震災後を生きる」(同実行委員会主催)が9月25日、西宮市勤労会館でひらかれ市民や教職員、学生ら約80人が参加しました。

阪神・淡路大震災で大きな被害を受けた西宮を会場に、東日本大震災で被災した宮城県から、宮城県教職員組合の瀬成田実書記長が発言者の1人として参加しました。

瀬成田さんは、被災直後の状況と現状をありのままに報告。「10校あれば、10校の避難の形があった。悲しい出来事もあったが現場教師は子どもたちの命を守ろうとがんばった」と述べました。

また生活難から就学援助申請が急増。女川町8割、石巻市4割の児童家庭が受けていると紹介。県が学校再建を機に、大規模な統廃合を計画、「地域から学校がなくなるおそれがある。知事は大規模プロジェクトや特区構想を打ち出し、瓦礫処理も鹿島建設に2千億円で発注。地元業者に仕事はない。間もなく雇用保険が切れ、親の生活安定が急務」と訴えました。

西宮の4人も発言。「助けあい、命を守ってきた大人の姿を見て、子どもたちも前向きに生きようとしている」(小川嘉憲さん・元中学校教諭)、「昨年5月、国連に日本の子どもがまとめた『ひとりぽっちにしないで』を届けた」(石本史生さん・ジュネーブ旅団)、「国の復興構想会議は被災した人たちを見ていない」(津久井進弁護士)、「地域コミュニティの再建と学校の再開は切り離せない」(田中孝彦武庫川女子大教授)などの意見を述べました。

(2011年10月2日付「兵庫民報」掲載)

借上げ住宅と災害援護資金で復興県民会議が県交渉

被災者の追い出しやめよ

阪神・淡路大震災救援・復興兵庫県民会議は9月22日、借上げ災害公営住宅と災害援護資金の問題で県と交渉しました。県は、UR(都市再生機構)から借り上げた公営住宅に入居する阪神・淡路大震災の被災者約2200世帯にたいし、20年の契約期間を理由に、早期退去をせまっています。こうした県の対応に、入居者は不安をつのらせ、怒りの声もひろがっています。

県民会議の参加者は、入居者の多くが高齢者であり、県が昨年実施したアンケートでも約半数が「転居困難」と回答していること、自治体による買い取りや再契約などで住み続けることができると国が明言していることも指摘。震災の教訓にも反して、せっかくできたコミュニティを破壊する県の冷たい態度を厳しく批判しました。

「契約に20年と明記しており、住み替えが原則」「早期、住み替えで財政上、県も助かる」という県側の弁明に、県民会議の参加者は、「憲法や地方自治法にそって居住の権利を守ることが原則であり、自治体の使命ではないのか」などと追及しました。

県の担当者は、「高齢者や障害者など住み替えが困難な人への対応は、来年末をめどに検討していく」としました。

災害援護資金では、返済で苦しむ被災者や保証人の実態を紹介し、住宅ローンの金利引き下げができたことをしめし、返済免除の拡大や3%という高い金利の引き下げ、裁判による滞納者への強制取り立ての見直しなどを求めました。

県の担当者は、東日本大震災では返済免除の要件が拡大されたことをしめし、「阪神・淡路にも適用するよう、国に要望している」と答えました。

(2011年10月2日付「兵庫民報」掲載)

救援ボランティアレポート(第7回)福島県いわき市

東電労働者からも信頼と共感
日本共産党兵庫県副委員長 村上亮三

仮設住宅で対話するボランティア(青ベスト)
第7次ボランティアは9月23日朝・現地着、24日夕・帰路につくという日程。22歳から74歳までの、女性2人、男性6人の8人が参加しました。

町のほぼ全域が福島第1原発から20km圏内に位置する楢葉町からの避難者が入居する仮設住宅を訪問しました。長期の避難によるストレスとともに、原発労働者をはじめ原発関係者とのつながりが深いなど、複雑な気持ちを持っている方が多い仮設住宅です。

訪問活動を通して一番の印象は、私たち日本共産党のボランティアに対する温かさと信頼です。何よりも被災した現地の党組織の奮闘とともに、全国からのボランティアの積み重ねを実感し、胸が熱くなりました。

仮設住宅にボランティア(村上氏)を招き、思いを語る東電労働者
東電の火力発電所で働いているという男性は、「狭いけど」と言いながら家に招き入れてくれました。奥さんと小学生2人、中学生1人の子どもを実家の長崎に預けて、ひとり暮らしです。子どもが慣れない長崎の暮らしのストレスで学校に行けないなど、多くの心労を自身に抱えながら、「30km圏外でも避難している人はたくさんいる。そんな人にはまったく賠償がないのが気の毒」と他を思いやります。東電労働者であるこの方は、「子どもを放射能被害から守る」署名にも協力してくれました。

原発についての立場は様々で、「やっぱりなくなれば電力不足になる」という人もいますが、わが党の原発撤退の提言の立場を説明するとよく聞いてくれ、「なくなるにこしたことはねえ」と立場が接近してきます。「原発からの撤退」の一点での共同は必ず実るという確信をもちました。そして、原発反対を貫いたと、事故の被害者から深い信頼が寄せられている日本共産党の役割は大きいと実感しました。

対話は2日間、4組で80件を超えました。私の組だけでも22人。「伝えたい」との被災者の思いは尽きません。ストレスで言葉が不自由になり、文字もきちんと書けなくなった方が、対話のなかで、言葉も出、字も書けるまで回復し、すすめた日曜版を購読してくれたといううれしい話もありました。参加者全員が、「大切な活動だった」と実感をもち、元気をもらって帰りました。

(2011年10月2日付「兵庫民報」掲載)

保育と日本共産党を語るつどい

いのちと尊厳守る党員の姿
―広井中央委員会副委員長 が魅力語る

講演する広井暢子副委員長
日本共産党兵庫県委員会は9月25日、神戸市内で「保育と日本共産党を語るつどい」を開き、約百人が参加。党中央委員会の広井暢子副委員長が講演しました。

広井氏は、最近の情勢と国民の意識の変化を紹介。世界の流れに逆行して日本の政治が社会保障を切り捨ててきた中で、保育運動の積み重ねでそれをはねかえしてきた歴史を紹介。いま政府が導入をすすめようとしている「新システム」は、具体的な内容がきまらず、国民的運動で押し返せる状況だと報告しました。

仲間とともに、幅広い国民各層との共闘も広げながら、押し返すたたかいに立ち上がることを強調しました。

保育運動の中で日本共産党が果たしてきた役割、政策・方針などを紹介。日本共産党は、①科学の目②正しいことを貫く不屈性③人間にたいする限りない優しさと、人間の命と尊厳を冒すものにたいしたたかう強さをあわせもっていると指摘。「保育の現場で働いている党員はそれを体現していいます。こういう日本共産党にぜひ入党を」と訴えました。

参加者からは「とても元気もらった」「党員であることに誇りがもてた」などの感想が出されました。

呼びかけにこたえ入党を決意する保育士も1人ありました。

(2011年10月2日付「兵庫民報」掲載)

稲美町議選―空白克服/現有議席確保―猪名川町議選

稲美町と猪名川町の町議選は、ともに9月25日投開票で行われました。

大路ひさし氏
稲美町議選(定数16/立候補20人/投票率60.93%)では、大路ひさし氏(65)=新=が13位で当選し、日本共産党の空白議会を克復しました。

大路氏は685票(得票率4.43%)を獲得。前回町議選、昨年の参院比例よりも得票を伸ばしました。





 
下坊辰雄氏
 
池上哲男氏
猪名川町議選(定数16/立候補18人/投票率53.14%)では、日本共産党の2現職、池上哲男氏(58)が7位、下坊辰雄氏(59)が14位で当選し、現有議席を守りました。

日本共産党の得票は1282票(得票率9.61%)。前回町議選には及びませんでしたが、昨年の参院比例票の1.6倍を獲得しました。














(2011年10月2日付「兵庫民報」掲載)

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