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2011年4月24日日曜日

小選挙区の弊害県議選にも

上脇博之神戸学院大教授が検証

衆院小選挙区制など、定数の少ない選挙区の場合、有権者の政党選択と実際の議会の構成とに食い違いが生じやすいことが懸念されてきましたが、四月十日に行なわれた兵庫県議選でも得票率と議席占有率の隔たりが生じていることを『議員定数を削減していいの』(日本機関紙出版センター刊)などの著作もある神戸学院大学の上脇博之教授(憲法学)が検証しています。


今回の県議選での各政党の得票率、獲得議席数、議席占有率は表1。得票率で比例配分した議席数を試算しました。無投票選挙区での有権者の選択は算入していません。実際に比例代表選挙になれば有権者の投票行動や政党の立候補のあり方も変わります。

あくまで現行制度における得票率からの試算ですが、自民党と無所属が過大代表され、共産党とみんなの党が過小代表されていると上脇氏は指摘します。その原因について「定数一~三の選挙区から選出される議員が総定数八十九のうち五十九議席、全体の三分の二弱を占めていること」をあげています(表3)。


また、今回は八選挙区で無投票となりました。一九七九年に十八選挙区二十三人が無投票当選となったのが最多ですが、毎回、一~二割の議員が無投票で議席を得ています(表2)。とくに一人区に無投票となることが多くみられ、養父市のように今回で七期連続の無投票となっている選挙区もあります。


上脇氏は、「憲法が要請する投票価値の平等と民意の正確かつ公正な議会への反映を実現することが、衆参の国政選挙だけではなく、地方議会選挙にも妥当するから、政党・会派の発達したところでは、地方議会議員を選出する選挙制度は、民主的で中立・公正な選挙制度、すなわち比例代表制に改めるべき」と主張しています。

(2011年4月24日付「兵庫民報」掲載)


D A T A

表1 議席占有率と得票率との隔たり

政党名 獲得議席数 議席占有率(%) 得票率(%) 比例配分議席数 実際との差
自由民主党 26 29.21 > 25.43 23 3
民主党 17 19.10 19.39 17 0
公明党 12 13.48 13.20 12 0
日本共産党 5 5.62 < 9.92 9 ▲4
みんなの党 1 1.12 < 3.58 3 ▲2
諸派 1 1.12 1.18 1 0
無所属 27 30.34 > 27.31 24 3
合計 89 100.00 100.00 89 0

表2 無投票となった選挙区数と議員数
選挙実施年
1979
1983
1987
1991
1995
1999
2003
2007
2011
選挙区数
46
46
46
46
46
46
46
44
41
総定数
91
91
91
94
92
92
93
92
89
無投票
選挙区数
18
0
8
16
15
18
18
7
8
39%
0%
17%
35%
33%
39%
39%
16%
20%
議員数
23
0
8
17
15
19
21
11
9
25%
0%
9%
18%
16%
21%
23%
12%
10%

表3 定数で分類した選挙区数と選出議員数(今回の場合)
選挙区数 議員数 割合
1人区 21 21 24%
2人区 7 14 16%
3人区 8 24 27%
4人区 2 8 9%
5人区 0 0 0%
6人区 0 0 0%
7人区 2 14 16%
8人区 1 8 9%
合 計 41 89 100%



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