自力の弱点克服へ青年の中に党をどう築こう
日本共産党兵庫県委員会は十一月三日、神戸市内で青年学生問題県活動者会議を開催しました。会議では、党中央委員会・青年学生委員会の坂井希事務局長が、第二回中央委員会総会決定での青年学生分野の提起について報告したのを受け、全体討論で、青年や学生がみずからの実態を語るなど、各地の青年学生分野のとりくみを交流しました。
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報告する坂井氏 |
坂井氏はまず、二中総の青年学生分野の位置づけについて―
「二中総では、『なぜ大きく後退したのか』の分析として、政治論戦、選挙活動、情勢の客観的困難さを明らかにしました。そのうえで、党の自力の問題にこそ、最大の弱点、教訓があることを指摘しています」
「論戦や活動上の弱点は、弱点がわかれば正していけるけれども、自力の問題は、弱点がわかっただけでは進みません」
「その自力をつけるために具体的に何をするのかを示したのが、『五つの挑戦』であり、とりわけ党の自力の弱点を乗り越えるうえで、職場とならんで青年学生のなかに党をつくる努力が絶対に欠かせないということで、第五の挑戦として青年学生分野が掲げられたのです」―と解説しました。
「あきらめ」と「変えたい」がせめぎあう
さらに、青年・学生をどうとらえ、働きかけるのか?という点ついて、「切実な願いの実現をめざすたたかいの発展は『日本の大きな希望』」とした第二十五回党大会決定をひきながら、今年の全国青年大集会やNPT再検討会議でのニューヨーク行動など、青年・学生の運動を紹介。
「あきらめ」と「変えたい」がせめぎあっている青年・学生の新しい政治への模索・探求に対して、マルクスや『資本論』への関心が広がっていることも紹介しました。
二中総全体を具体化する視点で
最後に、二中総の具体化・討議にかかわって、坂井氏は、「青年・学生分野をすすめるうえで、その該当部分だけでなく、二中総全体を具体化する視点が大事」と指摘。
党と国民との結びつきに光をあてる活動について、民青同盟の第三回中央委員会にヒントがあるとしながら、「私も、選挙のたびに、保育園のママ友だちなど初めて共産党のことを話す人をつくる努力を続けていますが、単に顔見知りなだけで、どんな仕事をしているのかも知らない人に対しては、やはり訴えにくいものです」と率直に述べ、「結びつきを議論するときには、家族や親戚、ゼミやサークルの知り合いなど、いろいろありますが、さらにつっこんで、その人たちはどんな実態におかれているか、どんな要求を持っているのか、どんな関心や模索を深めているかについて、考えてみるという実践が大事ではないかと思います」と提起しました。
「同世代の真摯なとりくみにふれ民青同盟に加盟した」―など青年自身も経験を報告
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報告や発言に耳を傾ける参加者 |
全体討論では十二人が発言しました。
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姫路民商支部の青年は、「大学卒業して、会社に入った。きつかった。残業代がでない、交通費もでなかった。民商を紹介してもらい、会社をやめた。仕事をかわってよかったと思った」
「世界大会に参加した。同年代が『核兵器をなくすために真摯にがんばっている』のにふれてすごいなあ、何か僕もやりたいなあと民青同盟に入った。民青に入ってよかった。この前も平和の学習会。普段であれば機会がないことだった」
「いま、青年の就職がたいへん。ハローワーク調査や学習などもしていきたい」と決意を語りました。
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尼崎地区の地区委員の女性は、民青地区委員会再建について―
「再建をするうえで、党の援助が大切だった。地区党の青年学生部長が毎回、地域協議会に参加してくれ『3スピ』(三分間スピーチ)からつきあってくれた。悩んでいた班会議の開催などの相談にものってくれた。そしてちゅうちょする私たちの背中もおしてくれたことで、地区委員会再建が実現しました。いまも苦労はしているが、党の県委員が少年団でつながりができた青年をつれてきて、民青に迎えるなどのとりくみも始まっている」と報告しました。
思い切って青年のなかにとびこんだ活動を
最後に、県委員会から「支部で青年の実態などを交流しながら、結びつきをだしあい、青年学生向けのつどいを行い、党員・同盟員拡大に挑戦しよう」「思い切って大学生、高校生のなかにとびこんだ活動を――就職難・高学費打開のための全県いっせい宣伝にとりくもう」など行動提起が行なわれました。
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地区委員会の担当者からも「青年・学生のおかれている立場がよくわかった。娘も今年大学を卒業したが、奨学金の返済が四百二十万円。十月から返済が始まっている。同じような青年が多いことに驚いた」「青年がそれぞれの分野でがんばっているのにふれて、聞くということの大切さがわかった」「共産党の『青年結集のために力を合わせる』という挑戦は、たいへん時代にあったものだと思う。青年党員としての基本方向が見えてきた」など、積極的に受け止める感想が寄せられました。
(2010年11月28日付「兵庫民報」掲載)