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2010年10月17日日曜日

日本共産党 職場支部学習交流会

2中総決定を力に職場支部の本格的前進を


日本共産党兵庫県委員会は、職場支部学習交流会を十月十日、兵庫県私学会館で開催し、党中央委員会職場(労働)対策委員会責任者の山下よしき参院議員が「二中総(第二回中央委員会総会)決定を力に、職場支部の活動を本格的に前進させよう!」と題して講演しました。その概要を紹介します。

いま日本の政治はどういう地点にあるか

山下氏は、日本政治の今日の地点を二中総決定に沿いながら、職場と労働者の目から分析。二〇〇三年以降は労働法制の規制緩和が本格実施された時期でもあり、〇八年の派遣村の出現が貧困を顕在化させただけでなく、派遣切りされた労働者が勇気をもって立ち上がったことが世論を変える上で大きな力になったと述べました。

非正規労働者が立ち上がる上で、日本共産党の職場支部の果たした役割は極めて大きかったと指摘。職場支部が非正規労働者の苦しみに心を寄せ結びつきを強めてきたところで、非正規労働者が多数、労働組合に加入し、裁判でたたかうということが起きていることを紹介し、職場支部があったればこそのたたかいだったと強調しました。

正規労働者の状態悪化も進行し、成果主義にもとづく職場支配も根底から崩壊。状態悪化に対し立ち上がった正規・非正規労働者のたたかいが政権交代の原動力の一つとなったにもかかわらず大穴の空いた派遣法改定案など民主党政権の裏切りが労働分野で非常に顕著になったのも特徴的だと指摘しました。

それが民主党一党支配の連合職場での矛盾激化を起こしていること、職場で反旗を翻せなくても投票では、しっかり意思表示をするなど、労働者に大きな変化が起こっていることに注目しました。

職場で光る党綱領の生命力

講演する山下よしき参院議員
二中総を貫く二つのテーマの一つ「党綱領の生命力」が職場でこそ光っていることをぜひつかもうと山下氏は訴えました。

それを具体的に感じることとして、今も終わっていない派遣・非正規切りの問題をとりあげました。

大阪の大手空調機メーカーダイキンが〇八年に偽装請負の是正指導を受け有期間社員とした二百人を今年八月に解雇するなど、厚労省の調査でも今年に入ってからだけでも四万二千人の派遣・非正規切りが進行中です。

一方、十月七日の衆院本会議で志位和夫委員長が代表質問に立ち、大企業が利益を増やしても設備投資や雇用に回らず溜め込まれている背景に日本経済が極度の需要不足に陥っていると指摘。菅首相も需要不足の中で供給側がコスト削減を進めても景気は回復しないことを認め、富が広く循環する経済構造を築く必要があると答弁しています。

山下氏は、党綱領の生命力が目の前で起こっている日本経済の問題でも雇用の問題でも発揮できると訴えました。

こうした日本共産党の立場を、労働者の意識にかみ合って伝える重要性を訴えました。

日本共産党が、大企業を敵視しているのではなく、労働者の切実な要求にこたえる道を、「節度ある批判と道理ある説得」で伝えることがたいへん大事だと指摘しました。また、集団で練り上げた見出しのビラなど各地の職場支部の工夫も紹介しました。

職場でこそ結びつきを生かし、広げる活動を

二中総を貫くもう一つのテーマは「国民との結びつきを生かし、広げる活動」。

山下氏は、「出発点はあいさつ」「党員の苦しみは労働者の苦しみ」など、これまで二回の職場支部交流講座でさまざまな方針・教訓がだされているが、やはり職場でこそ、結びつきを生かし広げる必要があると述べました。

成果主義制度で労働者が個々に競争させられ、職場では対話ができない空気がある中、ロッカールームやトイレでビラを手渡し対話することでお互いの悩みや関心がわかって楽しくなったこと、対話自身が労働者の要求になっていることなど東京・千代田地区委員会の職場支部の経験を紹介しました。

民間、自治体など分野別の活動の強化方向を中央委員会としても練り上げていこうとしていることを報告し、「今なら間に合う、いまこそ頑張り時」であり、職場で結びつきを広げ、後継者をつくり、世代継承をやり遂げようと呼びかけました。

職場支部への援助で大切だと感じていること

職場支部への援助について山下氏は、地区委員会の活動、とりわけ職場支部援助委員会の委員を大いに組織して援助に参加してもらうことを強調。

「支部との接点を多く持ち、支部の悩み、課題と正面から向き合う援助委員としての自分の誠実さを伝えることを心がけている」という大阪・高槻島本地区委員会のW援助委員の経験を紹介。

職場の激しい攻撃と対峙して前進しようと思えば、支部や担当者任せではなく、党機関が総力をあげて支援することが大事だと指摘しました。
最後に山下氏は、日本共産党の職場支部が存在することの値打ちについて言及。

社会を変えようと思えば、発達した資本主義社会の大企業職場で日本共産党が大きくなり、労働者と団結し、不当な職場支配とともに、大企業の利益第一主義を職場の中から変えていくというたたかいが前進することなしに、資本主義の矛盾を乗り越えることはできないと指摘しました。

その意味で、日本共産党の職場支部は、国際的にも大きな意義のある活動をやっていると強調。“その職場支部の灯をいま、消してなるものか”“その灯をさらに大きくするため、皆さんいっしょに頑張りましょう”と訴えました。


(2010年10月17日付「兵庫民報」掲載)

観感楽学

先日、秋のみのりを求めて、篠山市に行きました。新米に栗、柿も少し色づいて、黒豆は収穫の最中。農家の庭先にはコスモス・百日草など懐かしい草花がいっぱいに咲きにぎわっていました▼おみやげに、栗、さつまいも、南瓜、茄子、冬瓜とたくさんいただき、さっそく栗ごはんと渋皮煮で最高の秋を味わい大満足の一日でした▼しかし、毎年、お米を分けてくださる農家のご夫妻は、後継者がいないことが一番の悩みですと語られ、胸が痛みました。今、農業就業人口は二百六十万人。平均年齢は六十五・八歳です。二十年前の四百八十二万人と比較してほぼ半減になっています。耕作放棄地は二十年前の二倍にもなっています。まさに農業崩壊の危機が迫っている状況です▼農業と農村は、食料の安定供給はもちろん、国土・環境の保全など、国民の生存の基盤です▼「ノー政」ではなく、農家の所得保障、食料自給率向上が求められています。口先だけではなく、農業の再生のためにも、早急な対策が求められます。(た)

(2010年10月17日付「兵庫民報」掲載)

尼崎県議補選に宮田しずのり氏

市民の声届ける日本共産党議席必ず
県議補選(尼崎)11月12日告示・21日投票


憲法生かし住民が主人公の尼崎めざし
民主市政の会・徳田稔氏とともに


県議会議員・尼崎市区の補欠選挙が十一月十二日告示・二十一日投票で行われます。欠員二議席を争います。

日本共産党は元県議の宮田しずのり氏(67)を立て、尼崎の県会議席回復をめざします。

宮田氏は一九九五年から十二年間、県議として奮闘。〇七年県議選落選後も、デイサービス施設で働きながら、アスベスト被害者救済活動や県立塚口病院の存続と充実を求める運動で県議の経験と実績を生かし、中心的な役割を担って奮闘してきました。

塚口病院問題では、八万人もの署名による県議会請願は、尼崎市選出の七人の県議が誰も紹介議員にならず、民主、自民、公明の反対で「不採択」となりました。

宮田氏は、尼崎に市民の声を県政に届ける日本共産党議席がないことの責任を痛感。署名に込められた「尼崎の医療の崩壊を許さず充実を」の願いを肝に銘じ、県立病院問題に今度は県議会でとりくむとともに、子ども医療費を中学卒業まで無料に、阪神間で一番高い国保料の引き下げなど県民の苦難軽減に全力をあげたいと表明。

県道園田西武庫線など不要不急の公共工事の凍結・中止、パナソニックへの二百二十億年など大企業誘致補助金廃止をはじめ、無駄を徹底的に省けば財源も確保できると主張しています。

十月十日には事務所も開設。事務所びらきには、市長選に挑む尼崎民主市政の会の徳田稔氏も駆けつけ、住民が主人公の県政・尼崎市政実現へ支持者らとともに決意を新たにしました。


写真:(左から)決意を訴える宮田県議候補と、徳田市長候補
(2010年10月17日付「兵庫民報」掲載)

9月県議会:道州制へつながる「関西広域連合」に反対

兵庫県議会で十月六日、条例等の議案と、二〇一〇年度補正予算案について、審議・表決が行われました。日本共産党は、県民緑税の延長などを含む条例議案と、補正予算案に反対しました。ねりき恵子議員が補正予算案について質疑を行い、新町みちよ議員と杉本ちさと議員が討論を行いました。

県民の雇用と中小企業を応援する補正予算を

ねりき恵子議員
ねりき議員は、民主党政権の補正予算や「新成長戦略」を含む経済対策を、「徹底した大企業応援策中心」だと批判。県の補正予算も国の対策の枠にとどめず県民・中小企業の実態にあわせた実効あるものにすべきだと迫りました。

雇用について、非正規社員の正社員化と賃上げをはかるために、企業に責任を果たさせるとともに、県自身が非正規雇用を増やしている状態をただすべきだと主張。現在県が行っている緊急雇用制度は、半年か一年の細切れ雇用で、終了後正規雇用に再就職できたのは一割にすぎず、有期雇用や、再就職できず失業する人も多くいると指摘し、正規雇用にむすびつく支援や事業の延長などを要求。また、既卒三年を含めた高校新卒未就職者を県が緊急に雇用し就職を支援する制度の創設を求めました。

中小企業支援・地域経済活性化について、円高や、大企業の生産拠点の海外移転、三菱重工の商船建造からの撤退などの影響で犠牲を強いられている中小企業の実態を指摘。実態調査と円高対応の緊急融資や、住宅リフォーム助成制度創設など需要喚起の対策を求めました。

また、鳥獣被害対策で、国が減らした防護柵設置の予算を県として上乗せして農林業と市町を応援するよう求めました。

社会保障など国の責任なげすてる「地域主権改革」

「関西広域連合」をめぐって、設立に必要な規約案を含む条例案と、関西広域連合の分担金を含む補正予算案に注目があつまるなか、これらの議案は日本共産党以外の賛成で可決・成立しました。

新町みちよ議員
討論で、新町議員は、「関西広域連合」は、経済界が法律改正で道州制に移行することを主張し、大阪府も「道州制へのコンセンサス形成に有効」と説明するなど、道州制へのステップとしての位置づけが変わっていないことを指摘。民主党政府がすすめる「地域主権改革」が、憲法で保障された社会保障基準などの国の責任を投げ捨て、自公のすすめてきた「地方分権」よりも危険な方向で、将来は多国籍企業向けの大阪ベイエリア開発などの狙いは明らかであり、「関空二期のように過大なインフラで、同じ誤りを繰り返すな」ときびしく批判し、規約案に反対しました。

杉本ちさと議員
杉本議員は、「関西広域連合」分担金について、奈良県や福井県が参加せず、政令市も加入していないもとで、防災や観光などの課題に対応するといっても、現実的ではない、府県間の協定でできる事業であると主張し、反対しました。

他党は、道州制の危険性にも触れず、「地方発の分権改革」(自民)、「地域主権改革を地方から推進するもの」(民主)、「わが党が強く要望した広域事業」(公明)などとのべ、賛成しました。


(2010年10月17日付「兵庫民報」掲載)

2011年いっせい地方選挙候補者:芦屋市議選

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日本共産党3議席回復めざす

日本共産党西宮芦屋地区委員会は十月十二日、来年四月のいっせい地方選挙・芦屋市議選(定数二減の二十二)の候補者を発表しました。三議席回復をめざします。

木野下あきら(58)=現
大阪外国語大学卒。TOTOに二十五年間勤務。一九九九年芦屋市議選に立候補し、惜敗後、日本共産党芦屋市議団事務局長。〇三年芦屋市議初当選。民生文教常任委員会委員長、議会運営委員会副委員長など歴任。現在二期目、民生文教常任委員、党芦屋市議団長/消費税をなくす芦屋の会代表、日本国民救援会西宮芦屋支部副支部長。
http://blogs.yahoo.co.jp/urukino07


森しずか(49)=現
東北福祉大学卒。仙台市と西宮市の重度心身障害児施設などに勤務。〇七年芦屋市議初当選。民生文教常任委員、総務常任委員会副委員長など歴任。現在一期目、総務常任委員、都市計画審議会委員/新日本婦人の会芦屋支部支部委員。
http://mori-sizuka.blogspot.com/




平野貞雄(54)=元
関西学院大学法学部卒。西宮、芦屋両市の日本共産党市議団事務局を務める。一九八三年芦屋市議初当選、以後六期連続当選し、総務、民生、文教、建設各常任委員会委員長、議会運営委員会副委員長、監査委員など歴任。〇七年市議選惜敗後、衆院選に兵庫七区から挑戦。現在、党西宮芦屋地区常任委員・市民運動部長/兵庫県平和委員会、原水爆禁止芦屋協議会各常任理事/東神戸医療互助組合芦屋支部運営委員。
http://jcp-hirano.sblo.jp/




(2010年10月17日付「兵庫民報」掲載)

ハンドマイク宣伝とつどい学びあう:姫路西北支部



私たち姫路西北支部は十月二日、岡山県瀬戸内市邑久支部との交流会を行ないました。

六月、初めて西北支部から二人で邑久支部を訪問し、街頭宣伝を見学。入党四カ月の新しい同志がスッと入って行ける雰囲気の中でバンドマイク宣伝をやりました。

うまくやれたこの時の経験から、姫路での宣伝にも自信がつき、支部主役の独自宣伝も少しずつやれるようになっていきました。

今回は逆に、邑久支部から三人が私たちの「サロン」(党を語るつどい)を見学に来ました。両支部で十八人が参加。大きな刺激と励ましを両支部が受け合う交流会になりました。
岸本守・姫路西北支部) 


(2010年10月17日付「兵庫民報」掲載)

レッドパージ:生きている間に名誉回復を(3)

職場仲間が物心とも支えてくれた
玉田 国弘さん(89) 相生市

相生で生まれ、大阪道修町の薬問屋で働いているとき、軍隊に招集されました。ソ連国境に近い中国旧満州の東安で3年、第一陸軍病院の衛生兵でした。

ハルビンで敗戦をむかえ、捕虜になりシベリアへ送られました。零下40度、極寒の地での鉄道建設作業です。3年後生きて日本に帰れたのは、要領がよかったからでしょうね。舞鶴港に着いたのは1948年7月でした。

相生に戻り、叔父が働いていた縁もあり49年1月、石川島播磨造船所に入社しました。保安課消防で、門衛のような仕事です。

全造船加盟の播磨造船労組は、賃上げなど組合員の生活要求をもとに、活動が活発でした。共産党に同年8月入党した私は、職場の仲間に、共産党のパンフレットなど勧めていました。選挙では党の宣伝カーに乗りました。

会社は工場内だけでなく、警察と一体になり、町中にも共産党排除へ、監視の目を光らせ、労働者の動向を調べていました。組合役員でない私がレッドパージされたのは、それも要因でしょう。

50年10月13日昼前、私を含む20人が勤労課に呼び出され、解雇通知書を渡されました。「占領軍の指令で、共産党員と同調者は企業を破壊する危険分子だから即刻追放する。すぐ出て行ってくれ」と一方的に言うのです。当時、マッカーサー命令は絶対でした。

解雇されたなかには組合の書記長や教宣部長、青年部長がいました。すぐ労働組合に、解雇撤回をたたかうよう要請しました。

初めはたたかう構えを見せていた労組幹部でしたが、態度を変え、会社の共産党排除に同調する方針を発表しました。

労働組合は変節しても、職場の仲間たちは物心ともに支えてくれました。

不当解雇に対し、私は解雇通告書の署名捺印を拒否、特別退職金の受け取りも拒否しました。

しかし、播磨造船を「暴動を起こす危険分子」として解雇されたら、相生では、もう仕事はありません。明石に移り住んで、職を転てんとしました。

川崎重工の臨時玉掛け工のあとは、駐留軍労働者として、神戸港の荷役作業人夫もやりました。朝鮮戦争中ですから、神戸港の荷物積み込みは鉄条網のなか、夜通し作業です。

そのころ結婚し、家族を食べさせるため、必死で働きました。明石での10年間が、いちばん苦労した時期でした。

57年、またも失業中だった私を、相生の医師、福永一仁さんが訪ねてくれました。「病院を開業するので、玉田さん、事務長になってくれないか」と言うのです。どれほど嬉しかったか。喜んで引き受け、家族と相生に戻りました。

福永病院の事務長を17年間務めました。福永さんのめざす、あたたかく、きめ細かい地域医療の一端を担わせてもらいました。

病院事務長の仕事とともに、レッドパージ犠牲者6人で60年、石川島播磨重工を相手に裁判を起こしました。地裁では私だけが勝訴。高裁、最高裁は敗訴しましたが、このたたかいが、相生市民に共産党の存在を知ってもらう、いい契機となりました。

63年、相生市議選に共産党から3度目の挑戦で立候補し、最高点で当選しました。レッドパージされた仲間たちが、涙を流し喜んでくれました。それから4期、議員を務めました。

レッドパージのたたかいが、私を強くしてくれました。100歳まで生きて、語り継ぎたいと思っています。


写真:入所している特別養護老人ホームで語る玉田さん
(2010年10月17日付「兵庫民報」掲載)

ひなたぽっころりん:454







(2010年10月17日付「兵庫民報」掲載)

NTT雇用継続裁判控訴審結審:12月21日に判決


60歳以降の雇用延長を求め、NTT西日本を相手どり、35人が提訴している裁判の第7回控訴審が10月5日、大阪高裁第13民事部(紙浦健二裁判長)でひらかれました。

一審以後、証人調べがないまま裁判が進行しているため、原告側は前回「原告たちの不利益が、法廷で充分訴えきれていない。原告3人を証人採用してほしい」と裁判所に3人の陳述書を提出していました。

しかし、この日の法廷で紙浦裁判長は「人証はしない。本日で結審する。判決は12月21日」と述べました。

これに対し原告弁護団は「地裁も高裁も、証人調べをせずに結審するのは異常な裁判だ。人証をおこなわない理由を述べてほしい」と迫りましたが、裁判長は「充分検討した結果」とだけ言い残し、退廷しました。

原告と弁護団は「判決は非常に厳しいと予想される」とし10月21日、会議をひらき対策を話し合います。判決までの間に、裁判勝利にむけて、できうる限りのとりくみを検討します。


(2010年10月17日付「兵庫民報」掲載)

近畿生活保護支援法律家ネット:無償相談活動3周年


近畿の法律家たちが無償で生活困窮者の相談に応じる「近畿生活保護支援法律家ネットワーク」が10月8日、発足3周年をむかえました。

受付相談総数は北海道から沖縄までの2080件。このうち近畿圏内で解決した452件の内容が発表されました(別表)。

性別は、女性231人、男性221人です。

生活困窮理由のトップは「うつ病・障害・病気」です。とくに「心の病で職を失った人、職に就けない人が増えている」と専任相談員の泊満春さんは言います。

東北や九州から仕事を探し都会に出てきても、職がなく、困り果てて本や携帯ネットなどで電話番号を知りかけてきた人。刑期を終えて社会復帰しようにも仕事がなく、ノイローゼになった25歳の弟を心配し、相談してきた姉。不況で倒産・廃業した寿司屋、そば屋、食堂の店主たち。

福祉事務所に何度行っても申請書類をもらえず、何も食べるものがなく自殺を考えた72歳の女性。妊娠4カ月で、相手は行方不明。「友だちのところにいるが出産費用もない」と言う23歳の女性。

法律家ネットの尽力で、これらの人たちに生活保護受給が決定しました。


解決した452件の内容
相談内容 件数
うつ病・障害・病気175
解雇・失業・低賃金 92
母子家庭・離婚・DV 82
多重債務 36
ホームレス 34
倒産 32
労災・賃金未払い 16
服役修了者 14
打ち切り・返還 12
妊娠中の女性 11


(2010年10月17日付「兵庫民報」掲載)

神戸の造船を残そう連絡会結成


三菱重工業が、神戸での商船建造を2年後に終了すると7月に発表した問題で、中小業者や商店主、住民、労働者らが10月6日「神戸の造船を残そう連絡会」を結成。神戸平和と労働会館でひらかれた結成集会に約40人が参加しました。

経過報告では、いっそうの利益追求へ、黒字の神戸造船所を移設させる三菱重工の経営姿勢が明らかになり、参加者からも活発な意見が出されました。

「息子と2人で鉄工所をやっている。同業者もみな『撤退はこまる』と言っている。神戸に造船を残してほしい。力を合わせて運動したい」(下請け業者)

「鉄鋼が撤退した室蘭や釜石、造船が閉鎖された相生をみれば、まちの衰退は明らか。ものづくりを守るという視点が大切だ」(労働者)、「地域がどれだけ被害を受けるか。失業者やホームレスが増えるおそれがある」(生活と健康を守る会)

「県会市会あげてこの問題にとりくんでいる。神戸経済を支えた基幹産業で、住民に大きな影響を与える」(共産党市議団)

連絡会は国への要請行動を11月に、シンポジウム開催を12月に、計画しています。


写真:連絡会結成へ労働組合や民主団体、下請け業者も発言しました
(2010年10月17日付「兵庫民報」掲載)

新婦人「9条田んぼ」稲刈り

日本の農業守ろう

ことし6月に植えた「9条田んぼ」が実りの秋をむかえ、稲刈りが10月10日、明石市江井ケ島でおこなわれました。食を通して平和を考えようと、新婦人県本部が県農民連の協力でとりくみ、ことしで5回目。青空のもと、9家族約60人が参加しました。

中嶋努さん提供の水田200平方mに赤米、みどり米、紫黒米の3種類の稲が育ちました。子どもたちが鎌を持ち注意深く稲を刈りました。田植えにも参加し「きょうを楽しみにしていた」という、ゆうかちゃん(4歳)、みのりちゃん(6歳)も真剣な表情で刈っていました。

中嶋さんは「ことしは稲穂の結実時にも猛暑がつづき不作です。そのうえ米価暴落。消費者のみなさんと一緒に、日本の農業を守っていきたい」と語りました。収穫後は交流会がひらかれました。


写真:稲刈りに汗を流す子どもと親たち
(2010年10月17日付「兵庫民報」掲載)

トーフレンズが初コンサート

平和うたい結成4年


2006年5月の兵庫県憲法集会をきっかけに結成した、平和をうたう仲間たちのバンドグループ「トーフレンズ」。

これまで各地の集会で演奏活動をおこなってきました。結成4年を機に、初コンサートを10月24日、神戸新開地のアートビレッジセンターでひらきます。

当初、憲法9条にちなみ9人で結成。仲間が増え、現在は11人です。本職はフリーデザイナー、教師、法律事務所員とさまざま。

演奏曲はフォークソングからオリジナル曲まで多数。「戦争しないでずっとずっといこう」は、もりたあきらさん(ギター&ボーカル)作。永尾美弥さん(ベース)作「世界はつながっている」、稲次寛さん(ギター&ボーカル)作「砂漠の嵐」などなど。会場と一体の演奏会になりそうです。


写真:初コンサートにむけて練習を重ねるトーフレンズ
(2010年10月17日付「兵庫民報」掲載)

遠天短歌社解散:兵庫山河の会へ


人間回復を指針に1968年発足した遠天短歌社(創始者=松井岩男、代表=大中肇)が同人誌「列島歌人」201号を最終号に9月30日解散しました。新たに「兵庫山河の会」として再出発します。

「平和と正義が尊重される社会を望み、前向きに生きる人びとの糧となる短歌の創造と鑑賞」をめざす兵庫山河の会は、参加を呼びかけています。会費は半年1500円。毎月の例会と会報「山河」を定期発行します。

問い合わせ先〒651‐1142神戸市北区甲栄台3‐1‐25‐14古賀悦子方・兵庫山河の会

(2010年10月17日付「兵庫民報」掲載)