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2010年9月26日日曜日

神戸の造船を残そう

神船革新懇と重工労組:造船守る運動発展へ集会 


三菱重工神戸造船所からの商船建造撤退、神戸ドックの民事再生法申請など神戸から造船が消える危機が迫っている、造船を守る運動を発展させよう―三菱神船革新懇と重工産業労組神戸支部が共催で集会「神戸の造船を残そう」を九月十九日、神戸市長田区の「神戸平和と労働会館」で開き、造船労働者や地域住民など約六十人が参加しました。

集会では、久村信政・全造船機械三菱重工支部書記長が講演。物流があるかぎり船は必要、景気の波はあるが成長産業であり、裾野は広く影響は大きいなどの造船産業の特徴をあげ、不景気でも、会社が設備を下請け・関連企業に貸し、行政が歩道橋などの公共事業で仕事づくりをするなどの対策をとることで、設備と労働者を維持できれば、次の好況期に造船を再生できると指摘しました。

主催者からも大きな構えで運動を広げ、大企業にふさわしい社会的責任を果たさせようと訴えがありました。



日本共産党:県・神戸市・労働局に要請


日本共産党県議団、神戸市議団、県委員会、兵庫長田北地区委員会は、商船建造撤退の問題で、九月十四日に神戸市に、十五日に兵庫県に、十七日に兵庫労働局にと、相次いで要請を行いました(要請内容は前号に掲載)。
神戸市では谷口時寛産業振興局長が応対。三菱重工の発表直後、七月二十二日に市長が会社に対し、事業継続を申し入れていることなどを明らかにし、党の要請に対しては、一次、二次、三次という区別はせず下請け、関連企業などの実態調査を行いたいと答えました。

兵庫県では金沢和夫副知事が応対。相談窓口はつくったが、受身の姿勢ではいけないので実態把握と対策を進めたい、共産党からも意見を聞きたいと述べました。

兵庫労働局では、担当者らが、個々の企業の判断に口出しできないと言いつつ、兵庫県の産業における造船の重要性から、独自に「三菱重工神戸関連企業雇用支援プロジェクトチーム」を立ち上げ、中小企業も含めた雇用維持・支援へ制度も活用し万全の対策をとりたいと答えました。

日本共産党側からは、「地元商店街でも不安が広がっている」「関連・下請け企業では、今後二年間の受注を確保するために、三菱重工に対しモノが言えない状態になっている」「今でも深刻な雇用状況に加え大きな経済的影響が出てからでは遅い」など、この間の調査で明らかになった実態を紹介。「神戸市や県が調査も開始しており、連携して労働局も雇用の確保へ努力をすすめて欲しい」と訴えました。これに対し労働局側は、「そういう実態を教えてもらうと助かる」「関係機関とも連携して進めてていきたい」と答えました。
これらの要請には、ねりき恵子県議、星原さちよ県議、井村ひろ子元県議、木下きよ子長田区県政対策委員長、松本のり子市議、大かわら鈴子市議、金沢はるみ市議、森本真市議、山本じゅんじ市議、堀内照文党国政委員長、東俊哉兵庫長田北地区委員長らが参加しました。



写真上:神船革新懇と重工労組が開いた集会
写真:兵庫県に申し入れる(左から時計まわりに)ねりき、星原、井村、木下、山本、堀内の各氏と応対した金沢副知事=15日

(2010年9月26日付「兵庫民報」掲載)

川西市長選に大塚寿夫氏

中央北地区開発凍結し、福祉最優先に

大塚寿夫氏
川西市長選は、市議選と同時の十月十日告示・十七日投票で行われます。

この市長選には、現日本共産党川西市議の大塚寿夫氏(71)が日本共産党公認で立候補します。

大塚氏は、一九七二年から通算三十五年、開発優先の市政をすすめる四代の市長と論戦し、市民の暮らし優先の立場で奮闘。〇二年の市長選にも立候補してたたかいました。

いま、川西市では、今後十年間に百億円も投入する中央北地区開発計画が大きな問題になっています。

大塚氏は、現在の市財政で巨額の開発予算を投じることは無理であり、市政がゆがむ、また、見通しもなく市民合意もできていないと指摘し、事業は凍結すべきだと主張。すでに公有地となっている部分は公園にと提起しています。

また、乳がん・子宮ガン検診無料化、福祉バス運行、入浴サービス継続、国保税一万円引き下げ、中学卒業までこども医療費無料化、市民病院の充実・医師確保などこそ市政がいまやるべきことだとし、暮らしを守り福祉最優先の川西市に、と訴えています。

市長選には現職市長や元市議、元衆議院議員も立候補を表明しています。

略歴:1939年生まれ。県立兵庫工業高校電機科卒業後、日本触媒化学㈱に勤務し、労働組合役員10年。72年に川西市議初当選、通算9期。


(2010年9月26日付「兵庫民報」掲載)


参考:「大塚寿夫 市長立候補表明」http://jcp-kawanishi.main.jp/archives/1360 (日本共産党川西市議団サイト)

県議選東灘区に、きだ結さん

日本共産党の兵庫県議選候補(第3次発表)
県議選神戸市東灘区 定数3


きだ 結(ゆい)
40歳=新=
安心できる子育てと医療を

1970年生まれ。神戸女子薬科大学卒。薬剤師として東神戸薬局などに勤務。民青同盟県常任委員など歴任。渦森台保育所父母の会元副会長。学童保育所役員。党東灘区県政対策委員長。家族は夫と小学2年生と4歳の女の子。








日本共産党兵庫県委員会と東灘・灘・中央地区委員会はこのほど、来年の兵庫県議選東灘区選挙区の候補者として新人の、きだ(喜田)結氏を発表しました。(県議選候補第1次発表は4月4日付に、第2次発表は8月29日付に掲載しました)


(2010年9月26日付「兵庫民報」掲載)


観感楽学

今日は三木清=「その生き方、考え方が世界的な共感を呼び、感動を与えた、たつの市出身の哲学者(たつの市HP)」=の命日です▼一九三〇年、治安維持法で検挙されますが、転向『手記』にも、その人となりがにじみます。「どのやうな思想でもそれが人々を動かし歴史を作りつつあるものである限り、そこには必ず何等かの真理が含まれてゐるのでなければならぬ…かくして私はマルクス主義のうちに含まれる真理内容を闡明することに努力して来た」▼その後「東亜新秩序建設のための戦争は道義戦争である」と言うまで、体制順応に陥りますが「戦時認識もまた科学的基礎に立たなければならぬ」といった発想すら軍部は許容しません。四五年、再投獄され、衛生状態劣悪の豊多摩刑務所で病状悪化のまま放置されて死去▼日本政府が「基本的人権ノ尊重ハ確立セラルベシ」とのポツダム宣言条項を全く無視している中、敗戦から四十一日も経っての獄死です▼世界的レベルの知的営みをも無惨に踏みにじった戦争体制。その本質的総括も、この国はまだできていません。六十五年は短いのでしょうか?(S)


(2010年9月26日付「兵庫民報」掲載)

復興県民会議、兵庫県と話し合い

被災者の実態把握と必要な支援を

阪神・淡路大震災救援・復興兵庫県民会議は九月十七日、神戸市中央区の県職員会館で、八月に兵庫県に提出していた要望書の回答を、復興支援課などから受けるとともに、重ねて必要な被災者支援策を求めました。

いまも一万人以上が返済している災害援護資金では、少額償還制度を知らずにサラ金に手をだし、せっぱつまって相談にきた例など、返済が大きな負担となっていると指摘。生活保護基準以下の暮らしの人が多く、返済は免除すべきと求めました。

災害援護資金をはじめ住宅再建ローンなど、いまなお借金返済に苦しむ実例を示し、新ためて震災十五年の生活再建の実態調査を求めました。県側は、「借金返済など困っている方の実態は、ひき続きつかむようにしたい」と述べました。

県が災害復興住宅として借り上げた住宅の二十年間の期間延長について、県の担当者は、「まずは入居者にアンケートで意向を聞き、判断したい」と延べました。

被災者生活再建支援法の二〇一一年改定にむけた制度拡充について、県側は、半壊への適用は必要という考えを示しました。県民会議側は、「支給金額引き上げ、生業施設や一部損壊への適用も国に求めるべきだ」と重ねて要望しました。

このほか、支援法に準じた「特例救済措置」を国にもとめること、災害復興公営住宅の見守り体制の抜本的拡充、県営住宅家賃滞納者への生活実態を考慮した対応、アスベスト対策、震災障害者の調査と必要な対応などについて話し合いました。

(2010年9月26日付「兵庫民報」掲載)

保険医協会が受診抑制の実態調査

お金が心配で医療が受けられない

兵庫県保険医協会が受診抑制の実態調査を行い、9月15日、その結果を発表しました。

この調査は全国保険医団体連合会の呼びかけによるもので、治療中断事例と、中断に至らなくても投薬・検査を断られた事例を現場の医師に聞くもの。7月下旬に正会員のうち医師・歯科医師5,208件にファクスでアンケートを配布。8月下旬までの1カ月間で、病院医師60件、医科診療所605件、歯科診療所172件―総数839件から折り返しファクスで回答が寄せられました(回収率16%)。

治療中断:37%の医師が経験

「この半年間に、主に患者の経済的理由から、治療を中断・中止した事例があったか」との問いに、37%の医師が「あった」と回答。特に歯科診療所は48%にのぼっています。

中断・中止した患者の病名は、糖尿病(104件)、高血圧(99件)、高脂血症(46件)が上位。歯科では歯周病(34件)が多く、いずれも自覚症状がありませんが、放置すると深刻化するものです。

「前立腺がん患者が『調子がよいから薬はいらん』と治療を勝手に中止。『この薬は中止したらだめです』と説明しても、やはり『いらん』と言われた」「骨折でギプスを外したとたんに来院しなくなった」「『この仮歯で十分です』と中断された」などの事例が報告されています。

検査・投薬拒否:47%が「ある」

患者に検査や投薬を断られた事例はさらに多く47%。こちらは医科診療所で51%と高率になっています。

断られた内容では、血液検査(143件)、レントゲン検査(54件)や投薬(42件)が上位を占めます。

「糖尿病の方から『高くなるので、薬だけでいい』と血液検査を断られた」「定期受診の患者からも『採血は来月に延ばしてくれ、今月はお金がない』とよく言われる」などの事例が寄せられています。

病院の68%が未収金抱える

診察料など患者一部負担金が窓口で払えない―未収金については、48%が「ある」と回答。病院では68%と際立っています。

薬の飲み延ばし、無保険者の増加

この他、患者の受診状況で気付いたこと(自由記入)では、「毎日服用する薬を2日に一度にする人が増えている」「薬だけ受け取りにくる人が増えた」「受診間隔を長くしたがる」「かぜを市販薬で一週間程度様子をみて、悪化して来院。気管支炎に進行し、結果的に治療が長引いた患者もある」「無保険の若い人が増えた」などが書かれていました。

***

結果発表の記者会見で同協会の池内春樹理事長らは「憲法25条の生存権保障に基づき、だれもがお金の心配なく医療を受けられるようにとの国民皆保険制度が崩されようとしていることが今回の調査結果に表れている。深刻な実態を県民に知らせ、世論を広げ、患者負担大幅軽減、後期高齢者医療制度の速やかな廃止へ運動していきたい」と語りました。


(2010年9月26日付「兵庫民報」掲載)

一コマまんが


32年間のおもいやり

段 重喜


(2010年9月26日付「兵庫民報」掲載)

学習の気風広げた青年・学生連続講座

生き方と重ね“本質的な学び”


日本共産党兵庫県委員会の「青年・学生夏休み連続講座」は、四回目の「革命論」(九月十三日)、五回目の「綱領」(同十六日)を終え、全日程が終了。民青同盟に加盟していない学生も含め、のべ八十人が参加し、青年・学生の中で、科学的社会主義や日本共産党綱領を学ぶ気風を広げるものとなりました。
四回目の「科学的社会主義の革命論」は県常任委員の小林明男氏を講師に行いました。

小林氏は、「革命論は、科学的社会主義の中心をなす分野ではあるが、同時にマルクスやエンゲルスのまとまった著作がなかっただけに、新しく研究しなおされている分野」と話し始め、不破哲三著『マルクス・エンゲルス革命論研究』の内容もふまえながら展開しました。

参加者からは、「労働者、被抑圧者の思いから生まれる革命は、社会の本当の姿を求めるものなんだと思った。普通選挙を革命論的観点から見た考え方は、自分にとって、とても新鮮なモノでした」「改めて、政治や社会が市民の運動や声、そして市民の認識の発展によって変わるということを確認で↖↘きました。昨年の総選挙で自民党政治を終わらせ、民主党にも失望するという体験を通じて、国民の認識そのものも発展していることを改めてよくつかむ必要があるなと思いました」などの感想を寄せています。
五回目は、岡正信党県委員長を講師に、「学生の生き方と党綱領、第二十五回党大会決定」を学びました。

岡氏は、自身の生い立ちから「戦争はダメだ」と、教師として平和運動にたずさわった経験を紹介した上で、戦前の党のたたかいから綱領の内容を紹介しました。

討論では、「綱領は、なぜ戦前の記述から始まっているのか?」などの疑問から議論が広がり、「戦前のたたかいに党のたたかいの原点があるし、いまの情勢をとらえる上でも大事な視点となる」と深まりました。

参加者からは、「綱領を改めて読んでみると、内容の深さを感じる。近代化以降、資本主義の発展とともに歩んできた党の歴史は、他のヨーロッパにおける共産党と違い、理論的な深化とともにあったように思う。表層的な流れにとらわれない、本質的な学びをこれからも進めていきたい」「党綱領が、戦前から書かれている理由が『戦前の党のたたかいを知らないと現代の問題も見えず、解決できない』というのは、なるほどと思った。こういった土台があるからこそ、今の党の綱領や政策があるんですね。また党の理論の発展を感じることもできてよかった」などの感想が寄せられました。
この他の回の主題と講師は、第一回「大学での学びと学生時代にマルクスを学ぶ意味」―石川康宏神戸女学院大学教授、第二回「科学的社会主義の哲学」―鰺坂真関西大学名誉教授、第三回「科学的社会主義の経済学」―林直道大阪市立大学名誉教授―でした。

写真:第五回、日本共産党綱領を学ぶ青年たち
(2010年9月26日付「兵庫民報」掲載)

レッドパージ :生きている間に名誉回復を (2)

思想信条の自由は決して奪えない
赤田義久さん(84)神戸市垂水区

神戸市兵庫区で生まれ、姫路高校で学びましたが、戦時中は勤労動員の毎日。45年春、東京大学法学部に入学しても、神奈川県座間の飛行場をカボチャ畑にする作業がつづきました。この戦争には勝てないと思いました。

6月、召集令状が届きました。神戸の家が空襲で焼け出されたため、所在がわからず、令状が宙ぶらりんになっていたのです。すぐに長崎県大村の軍隊に入りました。

8月終戦。復学し49年卒業。川崎重工に入社しました。戦後初の学卒者として、東大からは私を含む2人が入りました。配属は労務課です。労働組合対策が仕事でした。労働協約の改訂を担当しました。もちろん私自身も労働組合員で、翌年には職場委員になりました。90人の職場です。

入社式で突然社長が「共産主義をどう思うか」と聞いてきたので「キリスト教の博愛精神も入っている」と答えました。社長や役員たちが、驚いた顔をしていました。

50年3月ごろ、身上調査がおこなわれ「支持する政党」の欄に「社会党より共産党の方が良いと思う」と書きました。当時もいまも共産党員ではありませんが、思想信条の自由は決して奪えないが私の変わらぬ信念です。

半年後の10月、会社は従業員105人に退職勧告通知書を速達証明で送りつけました。「直接間接に会社運営に支障を与える危険性のある者」「扇動的言動で他の従業員に悪影響を与える者」が理由です。

「職場離脱が多い」「職場集会で反米演説をおこなった」など、私への退職勧告理由も嘘でかためた内容でした。

添付された退職願の書類に署名捺印すれば退職金、予告手当のほかに餞別金を上積みするというものです。

私を含め15人が提出を拒否しました。

私たちは門前で抗議行動をつづけ、解雇無効確認の仮処分と本裁判をたたかいました。

機をあわせたように労働組合執行部を、社会党系が占めていました。組合は、数回団交をおこないましたが、解雇通知から5日後に「赤色追放やむなし」と会社案承認を全体投票で可決しました。私たち被解雇者は、その投票権も剥奪されていました。

神戸地裁判決では55年12月、原告81人中、辞職願不提出者5人と提出者66人が勝訴、不提出者10人が敗訴しました。「依願退職」をした多くも川重解雇の前歴が明らかになると、次の職場をクビになっていました。

商店店番や行商をしていた私は、原告仲間の紹介で、大阪の倉庫業労組の連合会事務局に職を得て、定年まで働きました。給料は中卒者の7割ぐらいでした。初め5年間は、年金も健康保険もありません。

63年2月の高裁判決は、1審勝訴中3人のみ勝訴。65年12月の最高裁判決は、全原告の上告棄却で「解雇は有効」という内容です。最高裁は、私たちが問いただした、50年7月の総理大臣あてマッカーサー書簡への判断をとうとう明らかにしませんでした。

解雇から15年にわたる裁判闘争でした。井藤誉志雄弁護士は一貫し、手弁当で代理人を務めてくれました。毎回法廷終了後、原告や傍聴者を喫茶店に連れて行ってくれました。手弁当どころか持ち出しです。

当時、私たち自身が弱体で、裁判支援の世論を広げられなかったことが悔やまれます。

川崎義啓さんら3人のレッドパージ兵庫訴訟のたたかいは、すばらしい。私も支援しています。

写真:「最高裁判決を読み、正直、裁判官を哀れに思った」と語る赤田さん
(2010年9月26日付「兵庫民報」掲載)

北はりま教育9条の会:街頭で憲法シール投票



「北はりま教育9条の会」は、憲法9条を変えるのに賛成か反対かを市民に問うシール投票を9月20日、三木市の志染コープ前でおこないました。

これまでは月1回、下校時の高校生を対象に夕方、駅頭で実施してきました。休日の午前中は、今回初めてのとりくみです。

稲次寛事務局長ら4人が、投票ボードと署名用紙を持ち、買い物客らに呼びかけました。人通りが予想外に少なかったため、約1時間の行動で、憲法改悪反対の署名43筆、改悪反対のシール投票20人でした。

「もちろん『守る』でしょ!」とブレのない女子高校生2人。「9条って何ですか?」と尋ねる子ども連れの女性。学校でまだ習っていないという小学校5、6年生には、さっそく9条の条文をパネルで示し、青空授業が始まりました。

「9条は守ったらええねん。きょうはここに買い物に来て、いい署名に出会えた」、77歳の女性は笑顔で話していました。

写真:小学生に憲法9条を説明する「9条の会」の教師たち
(2010年9月26日付「兵庫民報」掲載)

「9条の会・かわにし」5周年のつどい


沖縄の基地問題を考える

「9条の会・かわにし」(瓜谷修治代表世話人)の結成5周年のつどいが9月19日、川西市文化会館でひらかれました。「映画と講演で沖縄の基地問題を考える」をテーマに、約120人が参加しました。

同会は、これまでに「映画・日本国憲法」のプロデューサー山下徹二郎さん、無言館館主窪島誠一郎さんをはじめ、弁護士やアメリカ人ジャーナリスト、落語家らを講師にむかえてきました。

また、毎月9日、市中心部での街頭宣伝を、結成以来欠かさずつづけています。

今回のつどいでは、瓜谷代表世話人が「沖縄の基地問題を日米安保体制下の日本の問題として深く考えよう」と挨拶したのに続き、ドキュメンタリー映画「辺野古不合意」が上映されました。

映画は「米軍再編」合意以降、稲嶺進市長誕生までの14年間、名護市に投じられた基地振興資金800億円の行方を追及。ほとんどが利権と結びついた箱物建設に使われている実態を告発しています。

講演は同映画監督の輿石正さん。地元負担金10%と維持経費が、現市政の財政を圧迫している状況を説明し、「使われているのはすべて税金。沖縄の状況をきちんと共有しよう」と強調しました。

写真:沖縄の米軍基地をめぐる問題について語る輿石正さん
(2010年9月26日付「兵庫民報」掲載)

兵高教組女性部総会で西谷文和さん講演

米軍増強へ日本の税金

兵庫県高等学校教職員組合女性部(高橋満子部長)の10年度総会が9月18日、神戸市勤労会館でひらかれました。

2部の学習会では、イラクの子どもを救う会代表のフリージャーナリスト、西谷文和さんが「いまアフガニスタン・イラクで何が起こっているのか」と題し、約60人を前に講演しました。

「昨年から集中的にアフガニスタンを取材している」と述べ、ことし6月にも行ってきたと言う西谷さんは、映像をもとに現地の状況を説明しました。

劣化ウラン弾やクラスター爆弾の犠牲になった子どもたちの姿を示し「アフガン戦争が始まって9年、イラク戦争は7年になる。オバマ大統領になっても、戦争は終わっていない。アフガンやイラクの子どもたちは、戦争しか知らない」と語りました。

また報道されない現実として「沖縄がアフガンやイラクとリンクし、普天間基地が人殺しの戦争のためにある事実をメディアは伝えていない」「自公政権がおこなっていたアメリカ艦艇への給油を止めた一方で、民主党政権は50億ドルのアフガン支援を約束した。その金が、難民キャンプの人たちや誤爆された子どもたちに届くのならまだいい。米兵3万人増強にともなう基地拡張、道路・下水道建設に日本の税金が使われるおそれがある」と述べました。

写真:アフガニスタンとイラクの現状を語る西谷さん
(2010年9月26日付「兵庫民報」掲載)

神戸ドラマ館ボレロ「ぬけがら」

「脱皮」し、父が6人に

神戸ドラマ館ボレロ(三村省三代表)が「ぬけがら」を10月1日から3日間4回、神戸アートビレッジセンターで上演します。劇団B級遊撃隊主宰、佃典彦さんの岸田國士戯曲賞受賞作品で、演出は三村さんです。

舞台は、鈴木卓二郎(82)の家。妻の葬儀翌日ですが、認知症の卓二郎は、妻の不在の意味がわかりません。息子の卓也が交通事故を起こし、郵便局をクビになったショックが死の誘因です。

離婚も迫られ苦境の息子に突然「俺がひと肌脱いでやる」と、言葉通り「脱皮」した卓二郎。60歳代、次には50代、40代、30代、20代の姿で出現。6人が入り乱れ息子に語りかけます…。戸惑いながらも、父の真意を知った息子は進む道を見いだします。「発想のおもしろさがこの芝居の魅力」と三村さんは言います。

写真:息子と父親6人らの熱演がつづく「ぬけがら」の稽古
(2010年9月26日付「兵庫民報」掲載)

洋舞フェス「帰る あの木のところへ」

雨粒一滴2千年の旅


藤田佳代舞踊研究所はじめ県下5団体が創作ダンス「帰る あの木のところへ―一滴の雨粒の2000年の旅」を10月9日、神戸文化ホールでひらかれる「ひょうご洋舞フェスティバル」第2部で発表します。

台本は同研究所の菊本千永さん。6人が振り付けを分担し、フンメル作曲「ピアノ五重奏」(全6楽章)にのせて、ダンサー43人が踊ります。

雨雲から落ち、木の葉に受けとめられた一滴の雨粒が、仲間の雨粒といっしょに、根から大地へ、小さな水流から川へ、海へと下ります。そして水蒸気になり、雨雲となって再び、同じ木の葉の上に落ちるまでに要するといわれている2千年の壮大な旅を、群舞で表現します。菊本さんは「いま降った雨粒が、2千年後もまた大地に返ってくるよう、地球の未来を踊りに託しました」と語ります。

写真:「帰る あの木のところへ」の稽古風景
(2010年9月26日付「兵庫民報」掲載)