日本共産党神戸市議団が実施求める
日本共産党神戸市会議員団の「子育てアンケート」で、中学校給食の実施を求める声が強いことが、改めて明らかになりました。四十代以下の回答者では七割が中学校給食を求めています。しかし、神戸市は従来の「愛情弁当論」に固執したまま。貧困が広がる中、お昼ご飯を食べずに過ごす中学生も出ています。中学時代は、肉体的にも精神的にも大きく成長する時期。中学校での完全給食実施は喫緊の課題といえます。
全国3/4の中学校で完全給食
完全給食は、全国的には四分の三の中学校で実施されています。実施が遅れている兵庫県内でもすでに半数を超える中学校で実施されており(表参照)、ミルク給食に留まる神戸市は少数派です。
子育てアンケートには「愛情弁当論はいかがなものか」と、神戸市の市政を痛烈に批判する声も寄せられています。
弁当販売も高価がネックで利用1.2%
神戸市は、「昼食対策」として各学校で弁当の販売を行っています。二〇〇三年一月から五校で始まりました。神戸市の「愛情弁当論」にたいする批判が強まる中での実施でした。
「弁当販売」に先立ち、神戸市教育委員会はアンケートを実施。その結果、自宅から弁当を持って来られない子どもが10%以上いる学校が十数校あることがわかりました。
弁当販売は、市内に八十三校ある中学校の内、八月末現在で七十五校で実施されています。
しかし、昨年度の利用率は1.2%にとどまっています。四百円~四百五十円という高価格がネックとなっています。教育委員会も利用率の低さの原因として「価格が高い」「弁当を注文するのは恥ずかしい」などの声があることを認めています。
教育の一環と位置づけた給食を
教育委員会は、「小学校で給食が栄養を摂取出来る唯一の食事、と言う子どもがいた」ことを認めながらも、中学校給食ではなく「他の施策の活用を考えたい。一部の子どものために給食実施のための莫大な予算を付けるのは難しい」との態度です。
日本共産党議員団は一貫して、教育の一環と位置づけられている「学校給食」として、中学校でも完全給食を実施するよう求めてきました。
弁当販売についても「弁当販売は、業者と生徒だけの関係で成り立つもので、制度としての給食ではない」「弁当の内容について、栄養面などについて、業者に指導できる立場にない」と批判。心身の健康に大きく関わる問題として、健康教育の観点からも、栄養のバランスに配慮した食事ができる完全給食の実施を求めています。
また、完全給食実施までの対応策として、弁当販売も「少なくとも学校給食法にもとづく給食として実施すべき」と求めています。
こうした議員団の質疑を通して、教育委員会の管理栄養士が業者の調理場へ出向いての指導や、業者への補助金、配膳室の整備などが実現しています。
市予算の1/1000で実現できる
神戸市は、中学校給食を実施しない理由として「給食となると、最も経費の少ないデリバリー方式で、配膳室の整備など初期投資で十二億円、毎年の運営費で十億円の財政負担となる。財政が厳しい中では困難」などと、財政難をあげています。
しかし、神戸市の会計規模は年一兆八千億円(全会計合計)。中学校完全給食を実施しても毎年の運営費はその千分の一にもなりません。未来の日本、神戸を担う中学生の健全な成長を考えれば、決して負担できない経費ではありません。
市民、保護者の願いは中学校給食の実施です。実現に向け、日本共産党議員団は引き続き全力で奮闘する決意です。
注:デリバリー方式:市町の定める基準を満たす民間業者が、自社の調理場で調理した給食を個別の弁当箱に詰め、各学校に配送する方式。学校給食として位置づけ、献立などは市が作成します。利用は一定の期間(1カ月単位など)を指定しての申し込みが必要。利用しない生徒は家庭弁当を持参しています。
兵庫県内の公立中学校での給食実施状況
日本共産党神戸市会議員団の「子育てアンケート」で、中学校給食の実施を求める声が強いことが、改めて明らかになりました。四十代以下の回答者では七割が中学校給食を求めています。しかし、神戸市は従来の「愛情弁当論」に固執したまま。貧困が広がる中、お昼ご飯を食べずに過ごす中学生も出ています。中学時代は、肉体的にも精神的にも大きく成長する時期。中学校での完全給食実施は喫緊の課題といえます。
全国3/4の中学校で完全給食
完全給食は、全国的には四分の三の中学校で実施されています。実施が遅れている兵庫県内でもすでに半数を超える中学校で実施されており(表参照)、ミルク給食に留まる神戸市は少数派です。
子育てアンケートには「愛情弁当論はいかがなものか」と、神戸市の市政を痛烈に批判する声も寄せられています。
弁当販売も高価がネックで利用1.2%
神戸市は、「昼食対策」として各学校で弁当の販売を行っています。二〇〇三年一月から五校で始まりました。神戸市の「愛情弁当論」にたいする批判が強まる中での実施でした。
「弁当販売」に先立ち、神戸市教育委員会はアンケートを実施。その結果、自宅から弁当を持って来られない子どもが10%以上いる学校が十数校あることがわかりました。
弁当販売は、市内に八十三校ある中学校の内、八月末現在で七十五校で実施されています。
しかし、昨年度の利用率は1.2%にとどまっています。四百円~四百五十円という高価格がネックとなっています。教育委員会も利用率の低さの原因として「価格が高い」「弁当を注文するのは恥ずかしい」などの声があることを認めています。
教育の一環と位置づけた給食を
教育委員会は、「小学校で給食が栄養を摂取出来る唯一の食事、と言う子どもがいた」ことを認めながらも、中学校給食ではなく「他の施策の活用を考えたい。一部の子どものために給食実施のための莫大な予算を付けるのは難しい」との態度です。
日本共産党議員団は一貫して、教育の一環と位置づけられている「学校給食」として、中学校でも完全給食を実施するよう求めてきました。
弁当販売についても「弁当販売は、業者と生徒だけの関係で成り立つもので、制度としての給食ではない」「弁当の内容について、栄養面などについて、業者に指導できる立場にない」と批判。心身の健康に大きく関わる問題として、健康教育の観点からも、栄養のバランスに配慮した食事ができる完全給食の実施を求めています。
また、完全給食実施までの対応策として、弁当販売も「少なくとも学校給食法にもとづく給食として実施すべき」と求めています。
こうした議員団の質疑を通して、教育委員会の管理栄養士が業者の調理場へ出向いての指導や、業者への補助金、配膳室の整備などが実現しています。
市予算の1/1000で実現できる
神戸市は、中学校給食を実施しない理由として「給食となると、最も経費の少ないデリバリー方式で、配膳室の整備など初期投資で十二億円、毎年の運営費で十億円の財政負担となる。財政が厳しい中では困難」などと、財政難をあげています。
しかし、神戸市の会計規模は年一兆八千億円(全会計合計)。中学校完全給食を実施しても毎年の運営費はその千分の一にもなりません。未来の日本、神戸を担う中学生の健全な成長を考えれば、決して負担できない経費ではありません。
市民、保護者の願いは中学校給食の実施です。実現に向け、日本共産党議員団は引き続き全力で奮闘する決意です。
注:デリバリー方式:市町の定める基準を満たす民間業者が、自社の調理場で調理した給食を個別の弁当箱に詰め、各学校に配送する方式。学校給食として位置づけ、献立などは市が作成します。利用は一定の期間(1カ月単位など)を指定しての申し込みが必要。利用しない生徒は家庭弁当を持参しています。
兵庫県内の公立中学校での給食実施状況
設置者 | 学校数 | 完全給食 | ミルク給食 | 未実施 | 備考 | |
神戸 | 神戸市 | 85 | * 2 | 83 | 75校で弁当販売、*印は夜間中学 | |
阪神 | 尼崎市 | 20 | ** 1 | 19 | **印は夜間中学での補食給食 | |
西宮市 | 20 | 20 | ||||
芦屋市 | 3 | 3 | ||||
伊丹市 | 8 | 8 | ||||
宝塚市 | 12 | 12 | ||||
川西市 | 7 | 7 | ||||
三田市 | 8 | 8 | ||||
猪名川町 | 3 | 3 | ||||
丹波 | 篠山市 | 5 | 5 | |||
丹波市 | 7 | 7 | ||||
播磨東 | 明石市 | 13 | 13 | 今年度予算に調査費 | ||
加古川市 | 12 | 1 | 11 | |||
高砂市 | 6 | 6 | ||||
稲美町 | 2 | 2 | ||||
播磨町 | 2 | 2 | 今年度中に実施予定 | |||
西脇市 | 4 | 4 | ||||
三木市 | 8 | 8 | '09年9月から | |||
小野市 | 4 | 4 | ||||
加西市 | 4 | 1 | 3 | |||
加東市 | 3 | 3 | ||||
多可町 | 3 | 3 | ||||
播磨西 | 姫路市 | 35 | 33 | 2 | 29校はデリバリー方式うち4校が休止中 | |
市川町 | 3 | 3 | ||||
福崎町 | 2 | 2 | ||||
神河町 | 2 | 2 | ||||
相生市 | 3 | 3 | ||||
赤穂市 | 5 | 5 | ||||
宍粟市 | 7 | 7 | ||||
たつの市 | 5 | 3 | 2 | デリバリー方式で実施 | ||
太子町 | 2 | 2 | ||||
上郡町 | 1 | 1 | 小学校(7校)もミルク給食 | |||
佐用町 | 4 | 4 | ||||
播磨高原広域事務組合 | 1 | 1 | ||||
三土中学校事務組合 | 1 | 1 | ||||
但馬 | 豊岡市 | 10 | 10 | |||
養父市 | 4 | 4 | ||||
朝来市 | 4 | 4 | ||||
香美町 | 4 | 4 | ||||
新温泉町 | 2 | 2 | ||||
淡路 | 洲本市 | 6 | 4 | 2 | ||
南あわじ市 | 6 | 6 | ||||
淡路市 | 5 | 5 | ||||
南あわじ市・洲本市小中学校組合 | 1 | 1 | ||||
県立 | 2 | 2 | ||||
合計 | 354 | 188 | 102 | 64 |
この表は、兵庫県県教育委員会の「学校給食の現況」(二〇〇八年五月一日現在)をもとに、編集部調べの最新の状況を反映させたものです。
(2010年9月12日付「兵庫民報」掲載)