日本共産党兵庫県委員会は八月二十七―二十八の両日、たつの市志んぐ荘で「兵庫県地方議員研修会」を開催。県下の地方議員と候補者、地区委員長などが参加し、来年のいっせい地方選挙勝利と国政選挙での捲土重来をめざし、学習・議論、交流を深めあいました。一日目の全体会では、最初に岡正信県委員長の「基調報告」を受けて、五名の議員が発言。そのあと、金子邦彦中央自治体局次長が「記念講演」を行いました。
基調報告:綱領を手に展望語り 未来を語りあおう
岡県委員長は、前回の研修会時(二〇〇六年八月)の兵庫県下の議席占有率と現在を比べたとき、全体では、若干のびているものの、県議・神戸市議で見ると10.9%から8.7%。一般市では、10.0から10.4%、町議は8.7から9.7%と推移していることにふれ、来年のいっせい地方選挙で、特に県会議員、神戸市議で議席を伸ばす重要性について指摘しました。
また岡県委員長は、〇七年の党創立八十五周年記念講演で不破哲三議長(当時)が―
「国民の考え方の変化発展にはジグザグがあります。しかし、長い視野で見れば、国民の認識、政治的意識、これは国民自らの経験を通じて、必ず前向きに発展する」
「困難なときも未来を広い視野で見定める革命的な大局観を自分のものとし、日本世界の新しい未来のためにがんばり抜こうではありませんか」
―と呼びかけたことにふれ、今年の八十八周年記念講演から深く学び、参院選総括の一つの指針にしながら、綱領的確信をつかむ重要性を強調しました。
記念講演:情勢の特徴つかみ具体的な計画もって
民主党政権も構造改革路線強める
金子氏は、民主党政権になっても、小泉自公政権時代の「構造改革」路線は、方針上も政策上も変わらず、「地方分権改革」もそのまま残っていると指摘。その例として、保育制度を含めて子育て関係をすべて一本化にするという民主党案をあげました。
自民党時代にはまだ「保育に欠ける子どもを保育しなくてはならない」という自治体の責任が明記されていたが、民主党政権はそれを削除。介護保険、障害者福祉のように、自治体の役割を「あなたはこんなサービスを受けられる」と示すことにとどめ、また、保育所が提供した「サービス」を、医療でのレセプトのように、月々、申請させる仕組みに変えようとしている、と批判しました。
要求実現に必要な財源はある
一方で、〇七年以降、「地方の反乱」がおこり、民主党政権による地方への財源手当は、小泉時代とがらっと変わっていると述べ、「構造改革路線は、民主の色が付いてさらに悪く進められようとしている。これとたたかうことが必要。しかし、切実な要求実現の財源はある」「今は財源対策で苦労しなくても財源が示せる自治体の方が多い。『ムダを探さなくてもできます』と、九月、十二月、二月議会で実現させよう」と呼びかけました。
また、こうした不安定な政権運営の中、比例定数削減という危険な動きにもふれ、「何としても阻止を」と述べました。同時に、民主党代表選では、マスコミの影響もあり、経済論争の中身を国民に訴え、「暮らしを守る」と言わざるを得ない状況にあり、議会内外のたたかいとあいまって、国民の願いを実現できる可能性があると述べました。
後援会活動と「つどい」の重要性
金子氏は最後に、来年のいっせい地方選挙に向け、後援会活動と「つどい」の重要性について強調しました。
「単位後援会を確立させ、共産党といっしょに『つどい』を集落ごとに細かく開くことが大切。『後援会ニュースをお読みのみなさんへ』と案内をして、双方向でわかってもらうこと。そのことで、つむじ風が吹いても、党の支持に戻ってもらえる関係をつくる」「そして、党勢拡大、支持拡大、対話を広げること。『過半数対話』のとりくみも、全戸訪問を一巡するだけでは実現できない。留守のところもあり、二巡してやっと三分の二分くらい。いっせい地方選挙までまだ半年。勝つために何をするか、政策をどうするか、具体的な計画と展望を持ってとりくもう」と呼びかけました。
写真:記念講演する金子邦彦氏
(『兵庫民報』2010年9月5付掲載)