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2010年8月22日日曜日

三菱重工神戸造船所「商船建造」から撤退を発表

大企業として雇用・地域経済への社会的責任を


三菱重工㈱は七月二十一日に「新造商船の建造を三事業所から二事業所体制に集約」し「百年以上の伝統を持つ神船での商船建造を二年後に終了する」と発表しました。

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これは船舶・海洋部門で「事業規模二千百億円(従来比15~20%減)でも確実に利益を上げていく体質を作る」と言って「神戸造船所」での商船建造を切り捨てようというものです。

まさに「目先の利益第一の横暴」であり、三菱重工㈱が大企業にふさわしい社会的責任―雇用、中小企業、環境、地域社会などへの責任を果たし、応分の社会的負担を担うことを放棄することです。

現在、商船建造部門で働く労働者は三百二十八名ですが、神戸の潜水艦部門へ百七名、原子力部門へ百名、東京本社や長崎造船所への転勤が十五名、神戸地区内休職派遣が六十五名、二年間の定年退職者が四十一名との再配置計画が明らかになりました。
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しかし、影響はこれにとどまりません。

下請けなど含め千数百人に波及か

造船は裾野の広い産業です。現在、神戸造船所の商船分野にかかわる会社は百五十社と言われています。構内での一次下請けだけでも四十一社で、その内商船関連のみの取り引きは七社、他の三十四社は商船・潜水艦両方の取り引きを行っています。これらの人員規模は商船が約七百名、潜水艦が二百四十名です。また二次、三次下請けを含めると、下請け関連社員の人数は千数百人を越える可能性があります。

ところが三菱重工㈱会社は、説明する範囲を一次取り引きのみに限定。しかも「個別に各社と話し合いさせていただき、神船内の他部門あるいは他の造船関連事業所や近隣の事業所等との取り引きを希望されるパートナーがあれば、関係先に紹介する」という対応にとどまっています。

下請け経営者の中から「われわれ二次業者には何の説明もありません」「下請け業者の仲間内ではみな沈黙した状況」「まず社員の配置が決まってからの話で、私たちは不安な気持ちで待たざるをえない」「『商船建造があと二年分で次の仕事が出せない、数十名は今から次の仕事を見つけるか、どうするか考えておくように』と言い渡されている」「今仕事に追われて、てんてこまいしているのにそんなことを言われても困ってしまう」と繁忙な仕事に追われ「将来の不安」を抱えた状況におかれています。

また一次業者で働く労働者は「子どもが高校生でこれから教育費もかかってくるし、こんな時期に長崎か下関へ行けるわけがない、どうなるのか不安だ」。関連会社の管理職は「火力部門から撤退した時は人ごとだったが自分がその立場に置かれ『そんな!』というのが率直な気持ちです」と語っています。

労働者・地域などの声聞き、再検討を

三菱重工㈱は労働者・取り引き関連企業とそこで働く労働者や、地域商店街・地域住民の声を聞き、提案を再検討すべきです。


職場の日本共産党組織は労働者へ、この計画の内容・問題点を伝える宣伝を計画しています。党地区委員会・県委員会・神戸市議団も対策委員会をつくり関係者の実情と意見を聞くなどの活動を始めています。業者、民主団体も相談活動などを始めています。

写真:海上から見る三菱重工㈱神戸造船所=神戸市兵庫区
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(「兵庫民報」2010年8月22日付掲載)

観感楽学


「家族の風景」―あるリゾートホテルのレストランの片隅から、各テーブルで夕食をとる様ざまな家族の姿を眺めていました▼子ども二人と父母、祖父母の六人、にぎやかで笑顔がすてきでした。老夫婦と若夫婦、それぞれのカップルもほほえましい。少し気になったのは、二泊していた老夫妻と四十歳ぐらいの障害を持つ息子さんの一家。バイキング形式の料理も母親が一人で家族の分を取りに行き、食事介護も。別のテーブルでは若夫婦と子ども三人、祖母も一緒ですが会話がありません―いろいろ状況は異なっても、そこには「家族の風景」がありました▼しかし今、家族の関係が希薄になってきています。先日の新聞報道では、所在不明の百歳以上の方が全国で二百八十一人。百歳以上といえば、戦前・戦後、ご苦労をされ、生き抜いてこられた方。不明と発表した後に生存が確認された例はないとのことですが、統計上の問題ではなく、その人の人生が軽んじられているように思えてなりません▼家族、地域、行政の連携で一人ひとりが大切にされる社会にしたいものです。(た)

(「兵庫民報」2010年8月22日付掲載)

高砂市議選:小松・大塚氏が全力

市民の願い議会に届ける日本共産党2議席必ず
 8月29日告示・9月5日投票

小松みきえ氏
高砂市議選は八月二十九日告示・九月五日投票で行なわれます。前回より二減の定数二十二に対し現職十七人、新人九人が立候補を予定し、激戦となる見込みです。

日本共産党は、小松みきえ、大塚よし子の二現職を立て、議席占有率の前進、議案提案権の維持をめざします。

高砂市議会では、保守系議員、大企業系議員などの「当局提案議案オール賛成議員」が、大企業のための大型公共事業や国・県の指導による「行革」を推進する一方、「国保料引き下げ」「産廃施設建設阻止の住民投票条例の制定」など市民の請願・陳情にはほとんど不採択の姿勢をとっています。

大塚よし子氏
その中で、日本共産党議員団は、今期、小松議員が全議員中最多の十二回、大塚議員も十回本会議質問にたつなど、市民の声を議会で代弁してきました。

子ども医療費無料化の拡充、就学援助拡充、中小業者の融資制度改善など暮らし優先の施策を実現。国保料引き下げへ一般会計からの繰り入れ見直しを市長に表明させたり、「後期高齢者医療制度の廃止」の請願・陳情採択に全力をあげるなど、市民とともに運動し要求実現の先頭に立って奮闘しています。

また、日本共産党議員団は大企業などにも堂々とものを言ってきました。大木曽水路再整備や西港へのアクセス新道路建設計画では、PCBの汚染源カネカ・三菱製紙、西港を使う三菱重工などに企業負担をと主張しています。部落解放同盟への不公正な補助金も廃止させました。

今回の市議選に向けては、国保料一世帯一万円引き下げ、中学校給食実施など市民の切実な願いにこたえる公約をかかげ、その実現に欠かせない日本共産党議席の値打ちを訴え、支援を呼びかけています。

(「兵庫民報」2010年8月22日付掲載)

日本共産党が終戦記念日宣伝

反戦・平和の党として
核も戦争もない世界へ決意新た


終戦記念日の八月十五日、日本共産党が各地で街頭演説・宣伝を行いました。
JR神戸駅前では、県委員会と東灘・灘・中央地区委員会が合同で宣伝。堀内照文兵庫国政委員長、大前まさひろ神戸市議予定候補(中央区)、段野太一神戸市議らが街頭演説しました。

段野市議は演説の中で、神戸空襲で逃げ惑った体験などを語り、二度と繰り返さないために戦争体験を子どもや孫たちに語り継ごう、と呼びかけました。また、戦前から反戦・平和のためにたたかい続けてきた日本共産党の姿を紹介しました。

堀内氏は、ことしが「韓国併合」百年、日米安保改定五十年の節目であること、潘基文国連事務総長が広島で核廃絶を訴えるなど、世界は核兵器廃絶へ具体的に進もうとしてること、東南アジア友好協力条約国が広がっていること、北朝鮮についても六カ国協議への努力が続いていることなどを紹介。その中で日本国憲法九条が現実的な生命力を発揮していると述べました。

大前氏も、核兵器も戦争もない世界、九条が生かされる政治を実現しようと決意をかたりました。

写真:神戸駅前で宣伝する堀内照文兵庫国政委員長(右)と大前まさひろ神戸市議予定候補(左)

(「兵庫民報」2010年8月22日付掲載)


明石市議選:1議席増めざし現職1、新人3

日本共産党東播地区委員会はこのほど来年のいっせい地方選挙・明石市議選(定数31)の候補者を発表しました。現職一人・新人三人で一議席増をめざします。四人の略歴は次のとおりです。

辻本たつや(37)=現
県立明石南高校卒業後、家業の左官業に従事。東播建設労働組合青年部長、県建設労連青年部連絡会議長を歴任。二〇〇三年市議初当選、二期。現在、生活文化常任委員長、議会運営委員、都市計画審議会委員。県立明石南高校野球部OB会事務局長。大久保町高丘在住。




くすもと美紀(55)=新
奈良左保短期大学卒業後、古座町(和歌山県)、神戸市、明石市の公立保育所で保育士として子どもたちを育む。現在、新日本婦人の会明石支部常任委員。大久保町谷八木在住。





西川あゆみ(39)=新
県立明石西高校、広島県立大学卒。印刷会社勤務を経て、精神障害者作業所・小規模授産施設の施設長を勤める。〇五年から日本共産党明石市議団事務局員。民青同盟明石地域班、明石労音で青年運動・音楽鑑賞運動に貢献。太寺在住。





おりがさ隆志(31)=新
県立明石北高校、神戸電子専門学校卒業後、明石西郵便局でアルバイトを続け、〇八年に郵便事業会社明石西支店に契約社員として採用される。その間、郵政産業労働組合に加入し、非正規労働者の待遇改善に尽力。二見町福里在住。






(「兵庫民報」2010年8月22日付掲載)

原水爆禁止世界大会青年ツアー


参加者が広島で交流会
兵庫で、さらに核廃絶運動ひろげよう


原水爆禁止世界大会への青年ツアーに参加した、民医連や民青同盟、青年ユニオン~波~の兵庫の青年約四十人が八月五日、現地・広島で青年交流会をおこないました。

交流会では、グループに分かれ、世界大会に参加してのそれぞれの感想を交流。そして、分科会などで学んだことをグループごとでクイズにして確かめ合いました。

「呉と岩国の基地をみてきた。大きな潜水艦や戦闘機もたくさんあった。被爆地すぐ近くにこんな基地があることに矛盾を感じた」、「被爆者の方の話を聞いた。逃げ遅れて助けを求めている人も助けられなかって悔やむ思いも率直に語ってくれた。こんな苦しみを二度と繰り返させたくない」など、みんなが感じた率直な思いを交流しました。

クイズでは、「原爆の模擬爆弾でも多くの被害があった。日本全国で何発ぐらい落とされたでしょう?」「南アフリカは核兵器をもっているか?」「日本で潜水艦がつくられている場所はどこ?」など、それぞれ学んだことを生かして出題。最後は、それぞれのグループで交流した核廃絶への思いをだしあいました。

参加したメンバーでは、この交流会をきっかけに、兵庫で核廃絶に向けた運動をさらに大きくひろげようと話し合っています。

写真:せいぞろいした交流会参加者

(「兵庫民報」2010年8月22日付掲載)

ひなたぽっころりん


(「兵庫民報」2010年8月22日付掲載)

最賃時給1000円へ引き上げ要求

兵庫労連が決起集会


最低賃金の時給1000円への引き上げを一貫して要求している兵庫労連(津川知久議長)は8月6日、JR神戸駅南の兵庫労働局前で最賃引き上げ・公務員賃金改善決起集会をひらきました。組合旗を持った労働者ら約150人が参加しました。

現在兵庫の最賃は721円。中央最低賃金審議会が同日発表した兵庫の引き上げ目安は10円です。東京30円、京都15円、大阪14円と比べ低額で、生活保護水準を下まわる違法状態です。今年度の予定だった逆転解消も1年延期が発表されました。

集会では「生活保護水準と乖離の即時解消と、内需拡大のためにも最賃の大幅引き上げ」を強く求める決議文を読みあげて採択。

訴えで足田太輔兵庫労連副議長は「私たちのささやかな要求額とほど遠い。時給1000円への引き上げめざし、運動を職場・地域で広げていこう」と呼びかけました。

写真:兵庫労働局にむかいシュプレヒコールを唱和する参加者

(「兵庫民報」2010年8月22日付掲載)

神戸平和と労働会館ピースフェス


今春開設した神戸平和と労働会館(重工産業労組ほか、長田区腕塚町)の第1回ピースフェスティバルが8月1日から8日間ひらかれました。ホールに原爆写真や戦時中の生活用品などを展示、延べ300人が参加しました。

最終日の8日は特別行事を開催。NPT再検討会議要請行動を高校2年生の上野遥さん(17)が報告し「平和運動の大切さを実感。これからも核廃絶署名を集めつづけたい」と述べました。久村信政全造船機械三菱重工支部書記長は、日本の軍需産業の実態を講演。「憲法9条を守るのが私たちの仕事。私たちは再び戦争の加害者・被害者になってはいけない」と強調しました。

写真:子どもたちに戦時中のくらしを説明する組合員

(「兵庫民報」2010年8月22日付掲載)

兵庫の「語りつごう戦争」展平和のつどい

NPT会議要請行動を報告

兵庫の「語りつごう戦争」展の会(新間智照代表)の平和のつどいが8月15日、神戸市兵庫区の妙法華院でひらかれ、約70人が参加しました。

17歳で海軍航空隊に入った戦争体験をもつ新間代表は「この日を忘れてはいけない。戦争の悲惨さを語り継ぎたい」と挨拶しました。

NPT再検討会議に参加した平野貞雄さん(県平和委員会常任理事)が講演。「核不拡散ではなく、核廃絶を中心にすえた画期的な会議だった。原水爆禁止運動の反映。しかし、いまだに日本政府は核抑止力の立場に立つ。私たちのやるべきことは非核の政府をつくること」と語りました。

写真:5月のNPT国連要請行動を報告する平野貞雄さん

(「兵庫民報」2010年8月22日付掲載)

東京~広島~長崎・反核平和マラソン

核廃絶を願い走る
尾方素子(ランナーズ9の会)

ことしも新日本スポーツ連盟主催「反核平和マラソン」に、全国の、ランニングと平和を愛する仲間たちと参加しました。

被爆65年の節目のことしは「東京~広島~長崎1500キロ反核平和マラソン」がとりくまれました。東京を7月27日出発し、リレーでつなぎながら、広島に8月5日到着、1000kmを走ってきたランナーらとともに、私たち「ランナーズ9の会」も、つづく広島~長崎間490kmを走りました。

連日の猛暑のなか、広島の平和公園を6日8時30分スタートし、8日長崎到着をめざしました。フランスから5人、韓国からの5人を含む、150人以上が参加しました。

昨年のアメリカ・オバマ大統領のプラハ発言、また5月の核不拡散条約再検討会議の結果を、さらに一歩前進させるため、平和を愛するランナーとして核兵器廃絶と世界の恒久平和の実現を願う熱い思いで、長崎に向け走りつづけました。

炎天下の走りは非常にきつい条件ですが、それでも一日平均160km以上走らなければなりません。夜は車の通行で危険なため、早朝5時から夕方19時の時間帯しか走れません。約5kmごとに、ランナーが次つぎ交代し、タスキをリレーし、つないでいきました。

ランナーたちの走りは、伴走車、運転手、給水、アナウンサー、救護ほか大勢のサポーターによって支えられています。

8日19時ごろ、長崎の平和公園に到着したときは、3日間をともに走った仲間たちと、抱き合って歓び合いました。初めて参加した仲間の女性は平和の像を前にして、あふれる涙がとまらないようでした。

地球上に核兵器がなくならない限り、また体力がつづく限り、これからも「広島~長崎反核平和マラソン」に参加しつづけようと思いながら、長崎を後にしました。

65年前と同じく暑い夏、私が待ち望んでいるものは、核兵器がなくなった後で開催される「平和マラソン」です。

写真:長崎めざし広島を出発する尾方さん(こちら向き左から2人目)たち=8月6日

(「兵庫民報」2010年8月22日付掲載)

三木戦争展 「広島原爆ドーム」展示


三木市役所ホールで8月7日から4日間ひらかれた「平和のための戦争展」(実行委員会主催)に、県立北条高校1年1組の生徒39人が、6月の「北高祭」に作成した原爆ドームのモザイク壁画が展示され注目を集めました。

縦4m横8mほど。担任で社会科教諭の稲次寛さんが、生徒たちの「でっかいものを作ろう」の声からデザインを提案。早朝や放課後の4日間、シールを貼り作りあげました。
稲次さんは「完成したとき、生徒が手を叩いて喜びました。これからも平和教育に力を入れたい」と語ります。

写真:戦争展入口に展示された県立北条高校生徒のモザイク壁画と稲次寛さん(左端)

(「兵庫民報」2010年8月22日付掲載)