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2010年8月8日日曜日

県「新行革プラン」見直し

さらなるサービスカット
施設の市町への押し付け

兵庫県議会「行財政構造改革調査特別委員会」が七月二十日に開かれ、兵庫県は、二〇〇八年から十一年間かけてすすめている「新行革プラン」の三年ごとの総点検をうけた見直しにむけて、「総点検における課題と検討方向」を報告し、質疑が行われました。

新町議員「暮らし応援を原則に」と追及

日本共産党の新町みちよ県議は、「県民意識調査でも、県民の願いは『雇用』『中小企業の育成』『福祉対策』となっている。地方自治法にのっとり、県民のくらし応援、内需拡大で景気回復をはかる原則を」とせまり、福祉医療などの県民サービス低下、出先事務所の統廃合や職員削減の影響がどのようにでているのかとただし、県立施設で市町が引き受けない場合、廃止を検討するとしているなどの「見直し」の問題点を指摘しました。


今回の「見直し」は、「収支不足」を理由に、県民への負担増、サービスカットや職員三割削減を強引にすすめた「新行革プラン」の進捗を点検し、さらにコストカットをすすめようとするものです。今後も職員削減、サービスカット、県立施設の市町への押し付けなどが検討されていきます。

また、民主党政権の「新成長戦略」や「地域主権法案」などの動きに「整合を図る見直し」も予定されており、国といっしょに一部大企業の支援や高規格道路の建設をすすめる一方で、保育所、公営住宅の基準撤廃などが促進されることも予想されます。

「見直し」には、「つくる」から「つかう」、「投資事業の縮減」などと書き込まれていますが、実際は、但馬空港には相変わらず毎年五億円もの税金がつぎ込まれ、東播磨南北道路など、重点的に高規格道路などもすすめ、塩漬け土地をあらたな借金で買い戻し、「県有環境林」とごまかす手法もそのままです。

今後、特別委員会などで議論され、「見直し」がすすめられますが、「新行革プラン」の影響や意見を踏まえた県民的な議論が不可欠です。

(「兵庫民報」2010年8月8日付掲載)


写真:新町みちよ議員

土砂崩れ被害農地:復旧に数百万自己負担

農業続けられるよう支援を


七月十四日を中心に兵庫を襲った「ゲリラ豪雨」は各地に被害をもたらしました。川西市内でも国道477号線の崩落により土砂に埋まった農地があります。

自然災害にあった農地の復旧事業には公費が出ますが、限度額が実態に見合わず、川西市内の被害でも、一農家に数百万円の自己負担が生じます。農家に今、それを負担する力はありません。

今回の被災でも約千五百平方mの水田がつぶれ、コメの収穫ができなくなりました。農地復旧は「個人の利益になるから自己負担は当然」と国は言いますが、今、農業は通常でさえ赤字です。被災農家が「もう続けられない」「家族にもう辞めてと言われた」というのは無理もありません。そう言いながら、土砂に埋もれた田畑を放っておけず、農家がみずから復旧に取り組んでいます。

農地は食料生産を支えるだけでなく、県土を守り、環境保全に寄与しています。農地復旧は「社会の利益」でもあるのです。

今回被災した農家は二〇〇五年にも同じ国道の崩落での被害を受けています。「個人負担が捻出できずに一生の仕事をやめざるを得なかった、田んぼがまた一つ失われたという事態をつくらない行政を」とねりき県議、川西市会議員団は奮闘、行政も「知恵を出す」と約束しています。
(党県委員会農林漁民部・金田峰生)

写真:阪神北県民局で要請する(右から)森本たけし川西市議予定候補、ねりき恵子県議、黒田みち市議、土谷一郎市議、金田峰生氏(撮影:大塚寿夫市議)=7月30日
(「兵庫民報」2010年8月8日付掲載)

観感楽学


八月四日は社会派推理作家・松本清張の十八年目の命日。熱烈な清張ファンの筆者は、テレビでもドラマは決まって推理ものを楽しんできました▼ところが、最近のテレビの推理ドラマはチョット変▼まず、本数が多すぎる。先週の月曜から土曜までのゴールデンタイムにキー局放映の推理ものは十一作品▼月曜は毎日テレビの「ハンチョウ」と月曜ゴールデン「緑川警部vs 16時02分の路線バス」/火曜はABC「ジョーカー」と関西テレビ「逃亡弁護士」/水曜はABC「警視庁捜査課9係」/木曜はABCの「科捜研の女」と「警視庁継続捜査班」/金曜は毎日「うぬぼれ刑事」とABC「熱海の捜査官」/土曜のABC土曜ワイド劇場と関西テレビ土曜プレミアムは共に推理映画▼そのドラマ、出演者が違うだけで内容は似たり寄ったり▼迷宮入り事件や本庁上層部が誤認追及している案件に対し、署内では窓際族扱いの資料室担当の刑事や科捜研技官や、わけあり弁護士が、苦労を重ねて、事件被害者を苦しめている事実をつきとめるという展開▼残念ながら、これでは視聴者の愛想づかしは近いかも。(T)
(「兵庫民報」2010年8月8日付掲載)

ひとこまマンガ


段 重喜


(今回はWeb版のみの掲載です)

神戸市敬老パス:値上げ中止・無料復活を



敬老パスの無料復活を求める神戸市民連絡会は七月二十二日、神戸市に対し「値上げ中止と無料復活をもとめる」八十七団体の署名を提出し、交渉しました。この交渉には、各団体代表や連絡会のメンバー、日本共産党市議団などから約五十人が参加しました。

小林平代表が、土井義和保健福祉局高齢福祉部長に「高齢者が安心して生活できるよう、値上げを中止し無料復活を」と、署名を手渡しました。

参加者からは「わずか一キロでもバスに乗らないと買い物に行けない人もある。百九十八円のバナナを買うためにも往復のバス代がいる。これが倍になるとどうなるか」「病院通いでバスを使う。当初は五十円くらいならと思っていたが、持たなくなっている」「買い物に行く時は歩いて、帰りだけ乗るようにしている」など、切実な生活実態が出されました。

しかし、土井部長は「高齢者が増えていく。平成三十七年度には七十歳以上が人口の二割以上になる。制度を維持するために一定の負担をしてもらわないといけない」などと答弁しました。

それに対して参加者から、「長寿は喜ぶべきものだ。神戸市の説明を聞くと、早く死ねと言われているようだ」
「地下鉄、バスを利用して外出することは、医療面からも精神面からもいいことだ。行政マンとして知恵を出し、部長から局長に、局長から市長に提言すべき」
「閉じこもりの高齢者をこれ以上増やしてはいけない」
「負担が増えると、ボランティア活動にも支障が出る。高齢者訪問などもしている。せめて、今のまま据え置いてもらいたい。敬老パスはボランティア活動を支えるものだ」
「神戸市は震災で金が要ったというが、震災直後に何をやったか、神戸空港の建設だ。それで財政が苦しいと言われたら腹が立つ。長生きを負い目に感じるのは悲しいことだ」
―などの意見が出されました。

また、西区や北区の参加者からは「神戸電鉄の運賃が高いため、三宮に出てくるのが大変だ。敬老パスを神戸電鉄にも適用してほしい」という声が出されました。

集会後、参加者は、市民に十月からの値上げの不当性を知らせ、署名を一気に集めようと確認しました。

(「兵庫民報」2010年8月8日付掲載)

写真:敬老パス無料化復活を求め神戸市と交渉する市民と議員ら



バス運転手・駅員は不安定・ワーキングプア


神戸市議会外郭委員会:㈱交通振興審査

神戸市議会で外郭団体に関する特別委員会が七月二十六日から始まりました。審査の対象は神戸市が出資する外郭団体(第三セクター)です。日本共産党議員団からは西下勝、段野太一両議員が、㈱交通振興について質問しました。

㈱交通振興は、市からバスの運転や地下鉄の駅掌業務を委託していますが、従事する職員は全員、一年契約の不安定雇用。地下鉄の一般駅掌では超過勤務手当を入れても年収三百万円以下です。

西下議員は、官製ワーキングプアとも言える実態を、改善するよう求めました。




段野議員は、㈱交通振興のバス山手線(新神戸 湊川公園間)について質問。

山手線は神戸市が廃止した旧91・92系統の一部を、市民からの多数の要望を受け、㈱交通振興が自主路線として復活させたものですが、沿線住民などの要望を調査し、より使いやすい路線として拡充するよう求めました。

交通局長らは「(給与は)民間の鉄道事業と比べても同じくらいの水準である」「(山手線の)地域のニーズをどのようにとらえるかは、今後とも検討したい」と答弁しました。

特別委員会は引き続き開催され、百六十億円も赤字を抱え、毎年億単位の補助金を投入して運行している㈱海上アクセスや、中央市民病院や西市民病院を運営する市民病院機構などが審査されます。

(「兵庫民報」2010年8月8日付掲載)


写真上:西下勝議員
写真下:段野太一議員

共同の可能性を実感

堀内氏の参院選後あいさつまわりに随行して 


参議院兵庫選挙区でたたかった堀内照文さんは、選挙後のあいさつに全県をまわっています。今回は新しくお付き合いが始まった団体や個人が格段に増えていて、これまでとは様変わりしています。

政策はどの党より近い

医療分野では異口同音に、「政策は他のどの党より一番近いですから、ぜひがんばって下さい」と激励されました。ある医師会幹部は、「一番近いというか、ほぼ一緒なのに、まだ反共意識がうっすら残っているのかも」と分析しつつ、「医療の課題は山積です。これからもぜひお力添え下さい」と期待を寄せてくれました。

農協、漁協、森林組合などでも、「今後とも情報交換しながら協力し合いましょう」という話になります。

財源も示しての提案に感嘆

ある農協の組合長は、「共産党の政策が一番しっかりしていて印象的だった」と感想を述べつつ、「問題は財源」と言われるので、財源も示して農業再生の展望を提案していることなどを紹介すると、「ほぉ」と感嘆のため息を漏らしていました。

自民党に戻った訳ではない

また別の組合長は、「別に自民党に戻った訳じゃない。民主党が一人勝ちして勝手なことをしはじめたことへの国民の審判です」「みんなの党は波に乗れたからで、中味で選ばれた訳ではない」とし、「共産党の理を説く路線は、かならず受け入れられる」と指摘されました。

これからも寄ってください

その他、「共産党は良いことを言うのに伸びませんね。まだイメージが払拭されていないのでしょう。その辺をもう少し研究された方がいい」とか、「共産党は農政以外の分野で理想が先走って浮いているイメージです。もう少しみんなが耳を傾ける発言の仕方を工夫して下さい」などの意見もいただき、「こうして共産党さんと話をするというのは今までなかったことです。これからも機会があればぜひ寄って下さい」と言われました。

他の業界団体とも、「うちは共産党さんとはあまりお付き合いがありませんでしたが、色々課題が山積ですから、引き続きよろしく」という話ができました。

新たな出会いも

「しんぶん赤旗」に登場していただいた方も、「今回はじめて共産党に入れました。話を聞かなければ、みんなの党に入れていたかもしれません。縁というものは大切にしたいものです」など、率直に話してくれました。

訪問活動の中で新たな出会いも生まれています。いずれにしても、共同の可能性は広がっていると感じています。協力共同を具体化し、さらに結びつきを次回の支持につなげなければと、決意を新たにしています。
(国会議員団兵庫事務所・金田峰生)

(「兵庫民報」2010年8月8日付掲載)

民青同盟の折り鶴宣伝

気軽に足とめ対話広がる

今年原水爆禁止世界大会に初参加するK君は自身が通う大学の最寄り駅で折り鶴宣伝に取り組んでいます。

きっかけは民青同盟の班会で学んだNPT再検討会議についての志位和夫日本共産党委員長の報告を学んだことです。核廃絶に向けて世界が大きく動いていることを学び「世界大会までに何かやりたい」と話になり、折り鶴宣伝をすることになりました。

やってみると気軽にみんな立ち止まって鶴を折ってくれます。

夏期講習に通う途中のある高校生は「いまはあまり時間がないから次、折ります。次はいつやってますか?」と対話になり、「三十日にまたここでやってます。ぜひ折ってくださいね」と話すと、その言葉どおり三十日に再び来て、折ってくれました。

K君の友人も何人か通り、足を止めてくれました。K君は友人に鶴の折り方を教えながらなにやら得意そう。こうした気軽に止まってくれ、対話できる折り鶴宣伝についてK君は、「こんなに簡単に平和をアピールできるなんていいですね。もっと色んな人にアピールしていきたい」と語っています。(上園隆)
(「兵庫民報」2010年8月8日付掲載)

写真:JR新三田駅頭での折り鶴宣伝

核兵器のない世界へ(6)

NPT再検討会議兵庫県代表団の報告
保有国に約束履行を課す



梶本修史(兵庫県原水協事務局長)

21世紀に入っての平和運動は、危機感からだけでなく、展望と希望を提示し、現実のものとするプロセスへ加速させていくために、草の根から世論を発展させる内容になっています。最近の原水爆禁止世界大会が「核兵器のない平和で公正な社会を」のスローガンを掲げつづけている意味も、そこにあります。

NPT再検討会議・ニューヨーク行動は前年5月、日本原水協が核兵器禁止交渉の開始を求める署名の共同提出と合わせて提唱し、世界250のNGO団体が呼応、諸国民の運動の結集点となりました。

核保有5カ国を含めNPT会議は「核兵器の完全廃絶に向けた具体的措置を含む核軍備撤廃」の「行動計画」をとりあげた最終文書を全会一致で採択しましたが、「核兵器廃絶への交渉開始」を共通要求とする世界の運動が後押ししたことは、紹介してきた通りです。

NGOとともに圧倒的多数の国の政府が、核兵器廃絶を目標とするだけでなく、期限を切った核兵器の廃絶、核兵器禁止条約の交渉開始、そのための会議開催など具体的なプロセスについて提案し、合意を迫りました。

その結果、15年の次回再検討会議を、「次のステップを検討」する会議とし、核保有国に対し、核兵器廃絶の「明確な約束」履行などの行動を課し、14年の準備委員会への報告を義務づけました。

NPT会議の成果は市民運動と政府・国連との共同が新しいレベルに進んだことを示しました。核兵器廃絶へ「次のステップ」を具体化するために、NPT会議以後初めて世界の反核平和運動の結集するのが、今年の原水爆禁止世界大会です。

だからこそ、ことしの世界大会にはNPT会議で大きな役割を果したドゥアルテ国連上級代表はじめ、マレーシア軍縮大使(IAEA理事会議長)、メキシコ、アラブ連盟、エジプト、ノルウェー、ベネズエラ、キューバなどの政府代表、27カ国70人以上の高い代表性をもった海外代表が出席します。

日本からの署名約700万を受けとったカバクチュランNPT会議議長からも「あなた方の努力が、NPT再検討会議の大きな成功を助けたことは証明済みです。(中略)あなた方の大会が掲げる3つの目標の達成を促進し、私たちを核兵器のない世界へと導いてくれる」との期待のメッセージが寄せられています。

兵庫県からも、NPT会議提出署名35万余に託された核兵器廃絶の思いを担い、代表約200人が参加します。米軍再編・基地強化が進むなかで、非核「神戸方式」を35年も維持している兵庫県代表団の奮闘は世界からも注目されています。(連載終

写真上:世界にアピールする兵庫県の代表団=昨年の世界大会で
写真下:NPT会議後も非核の世論づくりに奮闘する兵庫県原水協のメンバー
(「兵庫民報」2010年8月8日付掲載)

尼崎大気汚染公害 第37回連絡会

東本町バリアフリー来年末完成

尼崎公害患者・家族の会(松光子会長)と国・阪神高速道路との第37回連絡会が7月28日、尼崎市総合文化センターでおこなわれ、患者・家族ら約100人が傍聴しました。
今回は、阪神高速道路の担当者が、国道43号線東本町歩道橋のバリアフリー化を説明。東西南北4カ所のエレベーター設置、歩道橋改良、歩道拡幅などを当初計画より早め、来年度末完成予定ですすめていると述べました。

松会長らは「10年目にして、やっとエレベーターが目に見えるものになった。1日も早く完成させてほしい」と工事の促進を要求しました。

また環境ロードプライシングで、5号湾岸線への転換を促す割引対象を、従来の大型車に加え、ことし3月から8t未満普通車へも拡充後の利用状況が報告されました。3~5月の断面調査で「約200台程度の転換」と説明し、次回は9月に調査するとしています。

同会は、尼崎南部の道路公害対策を求め00年1月、大阪高裁で大型車排ガス差し止め判決を勝ちとり同年12月、和解成立。03年6月には和解条項履行を迫り、公害等調整委員会のあっせん案で合意しています。
(「兵庫民報」2010年8月8日付掲載)

写真:国と阪神高速道路の計画をただす松光子会長、中尾英夫弁護士(右)、羽柴修弁護士(左)

父母と教職員夏のつどい

「命の大切さ伝えよう」

兵庫県父母と教職員夏のつどい(実行委員会主催)が7月30日と31日、神戸市勤労会館でひらかれ、延べ280人が参加しました。

初日の文化行事は新婦人尼崎支部のフラダンス。翌日は喘息・全身脱毛症とたたかいながら介護を勉強し、口笛の世界コンクールで4位入賞した小西智さん(姫路市在住)が「千の風になって」ほかを演奏しました。

助産師の永原郁子さんは講演「子どもの命が輝くとき」のなかで命の大切さ、命の神秘を子どもたちに伝える重要さを強調しました。

また京都教職員組合女性部長の吉田文子さんは「現代の貧困と子どもの育ち」と題して講演。親が余裕を奪われ、子どもが自分や他人に優しくなれない状況を述べ、「大人の生活が守られていないと、子どもの生活も守れない」と語りました。



(「兵庫民報」2010年8月8日付掲載)

写真:「現代の貧困と子どもの育ち」と題して講演する吉田文子さん=7月31日

第18回障害者の明日を語り合うつどい

利用者本位の制度に

第18回障害者の明日を語り合うつどい(実行委員会主催)が7月25日、あすてっぷ神戸でひらかれ約60人が参加しました。

シンポジウム「新たな障害者の制度改革への私の願い」は、ことし4月、国と和解した自立支援法兵庫訴訟弁護団長の福嶋健太弁護士が司会を担当、6人が意見を述べました。

視覚障害の車谷美枝子さんは「障害者が社会参加できる法整備が必要。利用者本位の制度にしてほしい」と述べ、聴覚障害の小林泉さんは「政治参加から趣味、あらゆる生活の場面で情報保障は不可欠。手話通訳の利用者負担は納得できない」と主張。重症心身障害者の息子をもつ石倉勝さんは「親がいなくても、障害者が地域で生きていけるよう支援制度を充実させてほしい」と訴えました。
(「兵庫民報」2010年8月8日付掲載)

NTT雇用継続裁判控訴審 第6回弁論

原告側証人3人を申請

60歳以降もNTT西日本に雇用の継続を求める裁判(1・2次原告計35人)の第6回控訴審弁論が7月22日、大阪高裁第13民事部(紙浦健二裁判長)でひらかれました。

裁判所はNTTに前回、キャリアスタッフ制度はいつどのような手続きで廃止したのか書面で明らかにするよう求めました。NTTは証拠書類を提出しましたが、これは了解事項を改正し同制度を廃止するという内容で、調印文書の署名者は労使とも肩書きのない氏名だけ。しかもNTTは労働基準監督署に同制度廃止を届けず、「98%を組織する労働組合との合意だから有効」と強弁しています。

原告側は高年法に逆行する同制度廃止について今後、反論する予定です。また原告側が求めている証人3人については次回決定します。原告団は次回控訴審で3人の証人採用を求める要請はがき運動をとりくんでいます。

第7回控訴審は10月5日(火)14時から大阪高裁73号法廷でひらかれます。
(「兵庫民報」2010年8月8日付掲載)

君と腕を組む

神戸市西区ポスター公選法弾圧事件
神野忠弘(神戸詩人会議)

いま 君と腕を組む

街頭宣伝で
有権者に 何党が宣伝しているか
判るように信号柱と 道路標識柱に
証紙の政党ポスターを 立てかけ
風に飛ばされないよう 仮止めした

それがだめなんだというから
はずそうとすると そのままにしておけ
君の動作を 静止させ
手錠を掛け 逮捕 送検 勾留

いま 黙秘の君と腕を組む

葬儀の日も 勾留をとかず
君は 右の手のひらに兄貴と書き
左の手のひらに 成仏と書いて
両の手を合わせて
鉄格子から 実兄の冥福を祈った

誰の指示か 幾度も聞かれたことだろう
君のことなんか 誰も想ってくれていない
幾度も聞かされたことだろう
支援の輪は日々ひろがり 君と腕を組む
日々 塀の外から支援の声を送る
君は長い長い はじめての道だっただろう

どの政党もしているぞ
市民の良心の声に 耳もかさず
家宅捜査は ポスターの裏打ちにも使われる
猫のトイレのプラスチック板五枚を押収した
通行人には信号機の前で しつこく情報収集
住民それぞれに 呼び出しをかけつづける

すべての良心が君と腕を組む

手から 手へ
耳から 耳へ
人から 人へことは伝わる
ことを 特定して
民主主義を 制限する
そんなことは あってよいのか

勾留二十一日間 不起訴処分
君は 青年のころ
小川のせせらぎの小道を帰っていた
夕日につつまれ 明日を見つめ歩幅を広げた
君の面影は もう消えることはない

誰の指示かには
国民の指示だと
答えるしかなかっただろう
やはり そうだろう
君は そう答えるだろう
人は いのちの日だまりの中を
一歩 一歩 歩んでいるのだから


(「兵庫民報」2010年8月8日付掲載)

第43回兵庫県平和美術展

初参加含め53人が出展


制作者1人ひとりの平和への思いが込められた、第43回兵庫県平和美術展(兵庫県平和美術家協会・同展実行委員会主催)が7月29日から6日間、兵庫県民会館アートギャラリーでひらかれました。

ことしは53人が絵画や書、写真、彫刻などを出展。「初参加が増え、質も高くなった」と宮崎潤二実行委員長(81)は指摘します。

昨年10月104歳で亡くなった小松ときさんの短歌10数首を記した西澤慎さんの書、ハヤブサやキビタキなどの躍動感を彫った武市靖雄さんのバードカービングの前で、じっくり見入る人がいました。
(「兵庫民報」2010年8月8日付掲載)

写真:展示作品を熱心に見る来場者

ひょうご福祉ネット第15回総会

高齢化・母子家庭…相談内容も深刻

大震災から15年、被災者の生活相談活動をつづけている、ひょうご福祉ネットワークの第15回総会が7月31日、神戸市婦人会館でひらかれ、10人が参加しました。

復興公営住宅で月1回の巡回相談には、健康、生活保護、生活費などの問題が寄せられています。経過報告では高齢化と母子家庭の増加も指摘され、子どもの大学進学で生活保護を打ち切られる事例や、神戸市営住宅家賃の値上げに困窮している独居老人の相談などが紹介されました。

活動方針では①国・自治体に対策強化を求める②敬老パス廃止や市住家賃値上げ反対運動の連携、などを確認しました。
(「兵庫民報」2010年8月8日付掲載)