三菱重工神戸造船所からの商船建造撤退、神戸ドックの民事再生法申請など神戸から造船が消える危機が迫っている、造船を守る運動を発展させよう―三菱神船革新懇と重工産業労組神戸支部が共催で集会「神戸の造船を残そう」を九月十九日、神戸市長田区の「神戸平和と労働会館」で開き、造船労働者や地域住民など約六十人が参加しました。
集会では、久村信政・全造船機械三菱重工支部書記長が講演。物流があるかぎり船は必要、景気の波はあるが成長産業であり、裾野は広く影響は大きいなどの造船産業の特徴をあげ、不景気でも、会社が設備を下請け・関連企業に貸し、行政が歩道橋などの公共事業で仕事づくりをするなどの対策をとることで、設備と労働者を維持できれば、次の好況期に造船を再生できると指摘しました。
主催者からも大きな構えで運動を広げ、大企業にふさわしい社会的責任を果たさせようと訴えがありました。
日本共産党:県・神戸市・労働局に要請
日本共産党県議団、神戸市議団、県委員会、兵庫長田北地区委員会は、商船建造撤退の問題で、九月十四日に神戸市に、十五日に兵庫県に、十七日に兵庫労働局にと、相次いで要請を行いました(要請内容は前号に掲載)。
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神戸市では谷口時寛産業振興局長が応対。三菱重工の発表直後、七月二十二日に市長が会社に対し、事業継続を申し入れていることなどを明らかにし、党の要請に対しては、一次、二次、三次という区別はせず下請け、関連企業などの実態調査を行いたいと答えました。兵庫県では金沢和夫副知事が応対。相談窓口はつくったが、受身の姿勢ではいけないので実態把握と対策を進めたい、共産党からも意見を聞きたいと述べました。
兵庫労働局では、担当者らが、個々の企業の判断に口出しできないと言いつつ、兵庫県の産業における造船の重要性から、独自に「三菱重工神戸関連企業雇用支援プロジェクトチーム」を立ち上げ、中小企業も含めた雇用維持・支援へ制度も活用し万全の対策をとりたいと答えました。
日本共産党側からは、「地元商店街でも不安が広がっている」「関連・下請け企業では、今後二年間の受注を確保するために、三菱重工に対しモノが言えない状態になっている」「今でも深刻な雇用状況に加え大きな経済的影響が出てからでは遅い」など、この間の調査で明らかになった実態を紹介。「神戸市や県が調査も開始しており、連携して労働局も雇用の確保へ努力をすすめて欲しい」と訴えました。これに対し労働局側は、「そういう実態を教えてもらうと助かる」「関係機関とも連携して進めてていきたい」と答えました。
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これらの要請には、ねりき恵子県議、星原さちよ県議、井村ひろ子元県議、木下きよ子長田区県政対策委員長、松本のり子市議、大かわら鈴子市議、金沢はるみ市議、森本真市議、山本じゅんじ市議、堀内照文党国政委員長、東俊哉兵庫長田北地区委員長らが参加しました。写真上:神船革新懇と重工労組が開いた集会
写真:兵庫県に申し入れる(左から時計まわりに)ねりき、星原、井村、木下、山本、堀内の各氏と応対した金沢副知事=15日
(2010年9月26日付「兵庫民報」掲載)